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兄弟戦争シールドイベント・メタゲームブレイクダウン【第2回お団子杯】

 兄弟戦争(以下BRO)環境シールドフォーマットで開催されているオンライン競技リミテッドイベント「第2回お団子杯」は、現在55名の方が賞金獲得目指して競っている。
 彼らのデッキの分布から、BRO環境のシールド構築の傾向を確認してみたいと思う。

 まず、デッキを色別集計した結果は以下のとおりである。

メインカラー採用率

 最大勢力は白青の18.2%。BRO環境のおいて白青は「兵士」のアーキタイプの色になっているが、実際のデッキを確認してみると兵士に寄せていないデッキも多い。白青という色はアーティファクト軸に組むことも可能で、かつ回避能力持ちを多く採用しやすいということで数を伸ばしているようだった。

 第2勢力は青黒の14.5%。青黒はBRO環境において「セカンドドロー」のアーキタイプの色だが、実際のデッキを確認してみると、それほどセカンドドローを意識したものになっていない。青の回避能力持ちや打ち消しと、黒の除去の構成になっているものが多く、相手のボムレアに対処する意識がかなり強い構成になっているものが多かった。

色配分

 続いて上図は、デッキが純正2色か、それともタッチ・多色化しているかを示した集計結果である。約半数が純正2色であり、多色化が難しい環境であるということが読み取れる。今環境では《進化する未開地》や《エネルギー屈折体》といったマナサポートが用意されているものの、数は少なく、色事故で負けないために純正2色で組むことが求められるのだろうということが読み取れる。

色別使用率

 最後に色単体で見た時の使用率を確認してみよう。
 メインカラーの使用率は「青 > 白 >> 赤 > 黒 > 緑」となっている。最大勢力の白青が数を伸ばしており、それ以外の3色は横並びの状態だ。

 特に青のメイン使用率が多い理由としては、
1. シールドで重要な回避能力持ちを多く採用できる点
2. デッキリスト公開制なのでカウンターの合わせやすい点
 これら2つが大きく影響を与えていると考えられる。

 逆に緑のメイン使用率が低い理由としては、
1. 回避能力持ちが少ない点
2. 除去の質が若干低い点
3. ドラフトで弱カラーと捉えられている点
 これら3つが影響を与えていると考えられる。ただし、多くのプレイヤーが青の回避能力持ちを重視したことで、緑の到達持ちが機能することも予想できるため、少数派の緑が青に対して有利な選択になっているということも考えられる。

 また、サイドカラ―の使用数は「黒 >> 白=赤 > 青 > 緑」となっており、黒が圧倒的に多くなっている。黒の内訳としては、レアや除去のタッチが特に多く、加えて《砂丘の英雄》や《空漁師の蜘蛛》といったマルチカラーのアンコモンをタッチしている形も見て取れた。

《砂丘の英雄》《空漁師の蜘蛛》

 今環境はボムレアによって負けるゲームも多く発生するため、黒が保有している確定除去が必要になってくるシーンも多く、そのため黒のタッチを実施しているプレイヤーが多いのだろうと考えられる。

 全体を確認してみて、シナジーデッキの構築の難しさを感じ取ることができた。ただし、どのデッキもレアを対処しようとする意識が強く、今環境におけるレアの脅威度を確認できる形になった。ボムレアを引いたプレイヤーが単純に勝つのか、それらを華麗に対処したプレイヤーが勝ち上がるのか、今後の結果が楽しみである。


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