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優勝への望みを賭けた戦い【第2回お団子杯:対戦記録】

 12月4日開催の「第2回お団子杯」には、あまり表舞台に出ていない強豪リミテッダーが数多く参加している。例えば、これから取り上げる第5ラウンドの3-1同士の対戦「山辺カフカ  対  Mako」(敬称略)はそういった強豪リミテッダー同士の対戦になる。

 山辺カフカ氏の主な成績はArenaOpenの連続入賞。VOW・NEO・SNCの各環境で賞金をかっさらった実績があり、その実力が本物であることを示している。VTuberとしても活動されており、今大会の実況配信もされている

 一方でMako氏の主な成績はVOW環境ArenaOpenの入賞とCS神河出場が挙げられる。特にVOW環境では、青赤スペルのアーキタイプを突き詰めて言語化し、このアーキタイプを一早く世に知らしめたプレイヤーとして認識されている。


山辺カフカ氏のプール

カフカ氏のメインボード

 カフカ氏のメインボードは純正白緑。白の強力なスペル《カイラの命令》を採用し、緑の有力なカードと組み合わせたグッドスタッフ系のデッキとして構築されている。


Mako氏のプール

Mako氏のメインボード

 Mako氏のメインボードは緑白タッチ黒。黒の強力なレア《苦難の影》や、使い勝手の良い《空漁師の蜘蛛》をタッチし、豊富な除去で相手のレアを対処しながら押し込む構成になっている。

 どちらも白緑をベースにした構成になっており、少し無理をして色を足しているMako氏のデッキが回るかどうかが焦点になりそうだ。

 ここで勝ち上がったほうが優勝への望みを繋ぐ、大事な一戦の行方をこれから追いかけていこう。

Game1

 先手のカフカ氏が7枚キープ、後手のMako氏が1マリガンで6枚キープとなった。

 お互い2ターン目まで土地を伸ばし合う静かな立ち上がりからスタートし、ファーストアクションはカフカ氏の《穴掘り剃刀大口》。これに対し、Mako氏も《穴掘り剃刀大口》を返し、ボードに2体のビーストが向かい合う。

 ここで一瞬手を止めたカフカ氏は、手元でフルコントロール操作をしてインスタントの有無を悟らせないようにし、《穴掘り剃刀大口》をアタックさせる。同じカードのトレードなら特に問題無し、とMako氏はスムーズにこれをブロックし、お互いの大口のPIG能力が誘発。お互いのライブラリーが4枚切削され、Mako氏の墓地には蘇生持ちのフライヤー《修復された飛行機械》が落ちる。一方でカフカ氏の墓地にはレアの《カイラの命令》が落ちてしまい、1マリガン分の差がここで縮まる。

 戦闘後メインでカフカ氏は土地を伸ばし、さらにマナクリである《ガイアの眼、グウェナ》で次の展開に備える。

 対し、Mako氏は4/4/4という優れたスタッツを持つ《強情なベイロス》を着地させて、ライフと盤面の有利を取る。

 ここでカフカ氏の土地が止まる。《ブランチウッドのうろつくもの》を着地させるも切削した中に土地は無く、仕方なくフルタップで《大将軍の精鋭》を着地させて同じスタッツのベイロスを迎え撃つ。

 ここでMako氏はアーティファクト上陸持ちのレアワーム《生歯の子ワーム》を着地させた後、手動で沼2枚をタップさせた後に《エネルギー屈折体》をキャスト。ワームのサイズ上昇とライフゲインが誘発する。

 カフカ氏は4/4の精鋭で単騎アタックし、これはベイロスとのトレードになる。
 その後、2体目の《ブランチウッドのうろつくもの》で平地を回収した後、《ガイアの狩猟者》を着地させる。切削で既にクリーチャーが落ちていたこともあって、狩猟者の攻撃時誘発能力の条件は達成している状態だ。

 これに対しMako氏は《エネルギー屈折体》から白マナを捻り出し、脅威となっている《ガイアの狩猟者》を《服役》によって戦闘から除外する。占術は2枚ともトップを選んだ。

 カフカ氏はワームのサイズが未だに2/2である隙にと、《ガイアの眼、グウェナ》と2/2の《ブランチウッドのうろつくもの》でアタックし、ここでこのゲーム初めてのプレイヤーダメージが入る。Mako氏の残りライフは21。
 戦闘後メインで《空輸する従軍牧師》の切削からリソースの追加を狙うも、何も貰えず盤面に3/2/2飛行が出現する。

 そして、Mako氏が占術で上に置いていたのは《平地》だった。待望の5枚目の土地をセットし、お返しとばかりに《ガイアの狩猟者》を着地させて地上が固まる。

 しかし、カフカ氏も負けておらず、瞬速フライヤーの《待ち伏せの降下兵》がエンドフェイズに飛び出し、カフカ氏の空から攻める形が徐々に出来上がる。

 カフカ氏はフライヤー2体でアタックし、そのまま何もせずターンエンド。対戦相手の《ガイアの狩猟者》に対して、全体強化を含めて迎え撃つ構えを取った。

 この構えに対しMako氏は《ガイアの狩猟者》をスムーズにアタックさせる。攻撃誘発の条件達成の1ドローの後、ブロック指定権をカフカ氏に渡す。明らかに違和感のあるアタックだが、綺麗な回答を持たないカフカ氏は恐る恐る地上の1/1と2/2でブロックし、《待ち伏せの降下兵》が持つ全体+1/+1修整の能力を起動する。

 しかし、Mako氏の手札には今環境最有力と目されるコンバットトリック《ガイアの贈り物》が存在していた! 

 これによって、《ガイアの狩猟者》は5/6にサイズ上昇し、2/2と3/3を一方的に討ち取ることに成功する。

 さらに、Mako氏は土地を伸ばし、《撃ち落とし》で《空輸する従軍牧師》も除去して盤面を掌握する。

 カフカ氏はブロックに回ることもできない状態であるため、《ガイアの眼、グウェナ》と《待ち伏せの降下兵》の2体でアタックしてライフを削るが、残りライフは16と倒しきるにはまだ遠い。
 戦闘後、4/2/3の《飛行機械の設計家》を着地させるのみでターンを終える。

 Mako氏はこれに対し、5/4/4の《トカシアのオニュレット》を着地させてワームのサイズを3/3に上げ、+1/+1カウンターで強化された《ガイアの狩猟者》とのダブルアタックでカフカ氏のライフを12まで落とす。完全に盤面有利を取った状態だ。

 ライフレースもできない状態になってしまったカフカ氏は、土地を伸ばすのみでターンを終え、全体強化を構えて相手の攻撃に備える。

 しかし、Mako氏はここで旧枠アーティファクトの《街の鍵》を着地させる! ワームのサイズは4/4になり、アーティファクトが3つ戦場に並んだことで接死を獲得。

 そのまま攻め込むことも可能な状態だったが、Mako氏は《街の鍵》でブロック不可を与えた《ガイアの狩猟者》をアタックさせ、1ドローに加えカフカ氏のライフを7まで削る。

 追い詰められたカフカ氏は、これまでずっと手札に握りしめていた《白金の天使》をここでキャストする!
 これが除去されない限りは負けない、という状態で飛行を付与しながら相手のライフを削る。

 しかし、ここまでドローを繰り返していたMako氏の手には既に回答が握られていた。《撃ち落とし》が比較的早い段階で唱えられていたことも予兆だったのだろう。エンドフェイズに《解呪》で天使が落とされ、これ以上ライフを守ることができずカフカ氏は投了を選んだ。

Mako 1-0


Game2

 2ゲーム目は両者マリガン無しの7枚キープからのスタートとなった。

 カフカ氏は《進化する未開地》をセットし、ターンを渡す。そして、相手の《平地》セットを見た後に持ってきたのは《沼》! カフカ氏はサイドチェンジで白緑から黒を含むデッキへの色変えを実施していたのだ。

 続く2ターン目で《森》セットから《ブランチウッドのうろつくもの》を着地させるものの、クリーチャー3枚が切削されて、+1/+1カウンターが乗る。

 そして、ここで返しにMako氏がセットしたのは《島》!
メインボードは白緑黒のアブザンカラーだったはずが、Mako氏もまたサイドボードで色変えを実施していたのだ。
 《ファラジの考古学者》で切削した中から《服役》を回収し、盤面を固めながら次の脅威に備える。

 カフカ氏は土地を伸ばすのみでターンを返し、Mako氏も《エネルギー屈折体》でドロー、《島》のセットのみで静かにターンを終える。

 カフカ氏は土地を置いた後、緑神話レアのXマナ呪文《森林の目覚め》によって、2体の1/1森・ドライアド・土地クリーチャートークンを盤面に並べる。

 一方のMako氏は1ゲーム目を決めた《街の鍵》を設置し、《平地》セットの2マナ構えの状態でターンを渡す。

 カフカ氏は土地を置き、2/2、1/1、1/1の3体でフルパンチ。2/2は0/3にキャッチされ、Mako氏のライフが18となる。
 さらに戦闘後メインで、邪魔な0/3に《見栄え損ない》が撃ち込まれ、次のターンの4点パンチが予約される。

 Mako氏は手札に溢れていたであろう《島》を捨てながら《街の鍵》をタップ。そして、《街の鍵》のアンタップ時の能力でドローを進める。残り少ないマナで《ウィークストーンの支配力》を2/2の《ブランチウッドのうろつくもの》に貼り、次の打点を減らすことを試みる。

 ここでカフカ氏は、土地セットから《ギックスの愛撫》!
Mako氏の手札が、《マイトストーンの稼動力》、《服役》、《解呪》、《島》というであることを確認し、先ほどの切削で回収されていた《服役》を再び墓地に叩き落とす。
 そして、安全を確認した後に《ガイアの狩猟者》を着地させ、次ターンにドローしながらのアタックを狙う。

 Mako氏はこれを受けて、エンドに不要な《島》を捨ててさらに手札を回す。《再稼働》で《ファラジの考古学者》をリアニメイトし、《修復された飛行機械》や《変容の軍勢》を墓地に落としながら2/5の壁を立たせる。加えて、既に手札が透けていることもあって《ゴブリンの焼夷弾》を設置する。

 しかし、カフカ氏は生成しておいたパワーストーンを生贄に捧げ、《パワーストーン破砕》でブロッカーを除去し、3体パンチ。ドローしながら相手のライフを12まで削る。
 加えて、残ったマナで《翡翠細工師の仮面》を設置し、次ターンのゴーレム生成に備える。

 Mako氏は《街の鍵》に《マイトストーンの稼動力》を貼るというコンボを実現するが、盤面は止まっておらず、仕方なく殴った後に次ターンのドローに備える。

 カフカ氏はさらに《ギックスの愛撫》を撃ち、盤面を巻き返すことを許さない。Mako氏は対応して《解呪》によって《翡翠細工師の仮面》を破壊するが、3/1/4絆魂の《ヨーティアの衛生兵》と《散乱光》の2枚が公開され、ボードに干渉可能な《ヨーティアの衛生兵》が落とされてしまう。
 その後のフルパンチでMako氏のライフを6まで削り、さらに切削によって墓地に落ちていた《アルゴスのスプライト》を《誰も置き去りにしない》によってリアニメイトする。

 Mako氏は《街の鍵》のアンタップによってドローを進め、2枚目の《マイトストーンの稼動力》を《エネルギー屈折体》に貼ることで盤面に4/4のクリーチャー2体を展開する。

 返しにカフカ氏は1/1、1/1、4/5、2/2のフルパンチでMako氏の残りライフ6点を削り切りにいこうとする。1/1と4/5がそれぞれ4/4にブロックされ、アーティファクトにブロックされない《アルゴスのスプライト》の能力起動でMako氏の残りライフはついに1になる。

 盤面が止まっていない状況であるためMako氏は《街の鍵》のドローを諦め、これまで見えていなかった《沼》を設置した後、ブロックできない《アルゴスのスプライト》を《服役》によって除去する。そして、切削によって墓地に落ちていた《屑鉄造りの軍勢》を蘇生し、カフカ氏のライフを13まで削りながら1/1のブロッカーを確保する。

 カフカ氏は1/1と4/5でアタックし、それぞれ4/4と1/1でブロックされる。盤面が整理されてきた状態で、カフカ氏はついに《白金の天使》を盤面に出現させる。

 Mako氏はこれを対処しないと負けてしまうため、自分のターンのうちに《ゴブリンの焼夷弾》で 《白金の天使》を除去するも、次ターンの4/5アタックには4/4をチャンプブロックに回すしか手が無い。

 カフカ氏は4/4を討ち取った後、《ガイアの眼、グウェナ》を着地させ、さらに《翡翠細工師の仮面》の蘇生から3/3のゴーレムを着地させる。こうなってしまうと、Mako氏にライフを守り切る術は残されていなかった。

山辺カフカ 1-1


Game3

 2ゲーム目はお互いに色替えをし、カフカ氏が黒緑、Mako氏が白青タッチ黒に変更するという展開になった。

 そして通常だと負けた側が先手になるはずが、ここでMako氏が選択したのは後手。お互いに1マリガンして、カフカ氏の先手で第3ゲームが始まった。

 カフカ氏が《森》、《沼》と設置してターンを返す一方、Mako氏は《島》、《島》、《ファラジの考古学者》から《マイトストーンの稼動力》を回収するといった動きで差をつける。

 これを見て、カフカ氏は《ガイアの眼、グウェナ》を着地させるが、返しのMako氏のアクションは《熟練の魔術師、ハーキル》!

 カフカ氏は5/4/5の《ガイアの狩猟者》を着地させるものの、これは《ウィークストーンの支配力》で除去されてしまう。ハーキルが対戦相手のライフを2点削った後、能力によってエンチャントの《服役》が手札に追加される。

 カフカ氏は土地セットから《森林の目覚め》によって、3体の1/1土地クリーチャートークンを生成するが、盤面状況はあまり芳しくない。

 Mako氏は《平地》をセットした後、導火線が見えるまで長考し、盤面的に少し邪魔な《ガイアの眼、グウェナ》を《服役》によって除去する。再びハーキルの能力が誘発するも、今回の当たりは無し。

 カフカ氏はこの状況を良しとせず、第2メインで《ガイアの狩猟者》を着地させるが、これは既に見えている《服役》で除去されてしまう。
 さらにMako氏は強力な《苦難の影》を着地させ、ハーキルの誘発能力で《マイトストーンの稼動力》を手札に加える!

 カフカ氏は土地を伸ばすのみでターンを返し、残りの手札も土地なのか「GG」とエモートを飛ばす。Mako氏もこれに「GG」と応じる。

 Mako氏はハーキルと影の2体でアタックし、大量のマナがある状態での影のアタックはスルーできないと、カフカ氏は影をチャンプブロックする。残りライフは12。

 カフカ氏は盤面に影響を与えるカードを引きたかったものの、トップはハンデスの《ギックスの愛撫》で、これを仕方なくキャスト。見えたのは、《再稼働》、《解呪》、《マイトストーンの稼動力》で、次の脅威を排除するために《再稼働》を落とす。

 Mako氏は前のターンと同様に2体でアタックし、カフカ氏も同様に影をチャンプブロックで対応。残りライフは10。

 カフカ氏は追加のスペルを引けず土地をセットし、同様のやり取りが行われてライフは8となる。ついに盤面のチャンプブロッカーも居なくなってしまった。

 トップした《抵抗の時》で強引にドローを進め、引き込んだ《戦闘の打破者》を着地させるものの、Mako氏の手札には1ゲーム目と同様《解呪》が握られていた。

Mako 2-1


 これにより、Mako氏が5ラウンド目終了時点で4-1となり、全勝者1名の次の対戦結果次第では優勝もあり得るという望みを繋ぐことになった。

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