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「いい大人」から学べ!明星大学でのゲスト講義を振り返る

 大学生にとって最も必要な学びとは何でしょうか。これから説明しますが、私は「人から人」の直接の学び、そして現場に近い学びが大学生にとってとても重要なことだと感じています。そして普段交わることの少ない、大人、なおかつ「いい大人」から多くを学ぶことが特に大切だと思います。私自身、特に高校生の頃から、この「いい大人」との出会いから様々な学びをさせていただいてきました。この「いい大人」とは、一緒にいて学びが多い、また、成長することを助けてくれる(とりわけ利他的な)大人のことと捉えてください。社会の実際の姿や、行動することの重要性、現実的な方法、多様な働き方、人生の意味など、多くのことを「いい大人」から教わりました。特に大学生の間は、この「いい大人」との出会いが成長を大きく左右すると言っても過言ではないでしょう。
 このような思いを、明星大学の経営学部の講義の中の30分をお借りして、「いい大人」と繋がる重要性というタイトルのもと、お話させていただきました。今年の5月30日です。大講義で、学部3年生が主対象です。講義の内容は後半で紹介します。前半は、講義を終えて時がたち、このテーマに対して私がどう思っているかを語りたいと思います。

学びの基本は”人から人”

 「いい大人」と繋がる重要性というテーマの背景には、私の学びの本質に関する考えがあります。
 人は学ぶ生き物です。人は子どもの時から、(いわゆる)母親からごはんの食べ方を学び、幼稚園の先生に折り紙を教わり、友達にポケモンカードのやり方を教わります。これらはすべて広い意味で学びです。
 今挙げた例はすべて、人から人に直接与えられる学びです。私は、この人から教わる直接の学びがとても大切だと考えています。確かに、教科書や本からの学びも有効で効率的です。一度に多くの情報を取り入れることができます。しかし、次のような理由から、人から直接学ぶことはとても大切だと考えます。

  1. より正確な理解に繋がる。本を読んで学ぶとどうしても読者の解釈が加わります。また、よく理解せずに読み進めてしまうことも多々あります。

  2. 感情の文脈がわかる。その人がどのような感情の移り変わりの中で教えてくれるのかを、学ぶ方も感じ取ります。そして、その知識が持つ人間の感情への影響力をリアルに知ることができます。

  3. その人との関係性が学びの持続を支える。教えてくれる人との関係が続いている限り、そのことを容易に学び続けることができます。ポケモンのカートが強い友達がいれば容易に強くなれますよね。また、その人と記憶が結びつきより強固な記憶となります。

 このように、人から直接学ぶ場合、その学びはリアルで、温かく、頑丈なものとなります。そしてより多様な知識をこの方法で手に入れようとする時、「いい大人」と繋がることがとても有効になります。

そもそも、学問はリアルに裏打ちされなければ意味がない

 少し遠回りになりますが、「学び」と「人との出会い」に関連してもう一つ話させてください。
 まず、一つ考えてほしいことがあります。それは、「大学生はどうして学問を学ぶのか」ということです。学者や専門家になるためですか?ほとんどの学生はそのような願望は持っていないでしょう。私は、大学生が学問を学ぶのは自分の次の(将来の)行動を変えるためだと思っています。例えば、貧困について学んだ学生がNGOでボランティアをする。経済学を学んだ学生が投資をしてみる。薬学を学び薬剤師になる。このように明確でない場合でも、AとBを関連付けさせる考え方を学んだらそれを日々の生活で応用してみる、なども含まれます。このように、学びは次の行動に繋がって初めてその意味を持ちます。

学びの「行動変化力」

 しかし、ある学びは学生の次の行動を大きく変え、また別の学びはあまり変えないという場合が多々あると思います。このように、それぞれの学びの「行動変化力」とでも言いましょうか、は大きく異なります。では、その強弱を規定するものは何か。それは、どれほど現場に近いかではないかと思います。実際の現場に近い場所から学ぶほど、その学びに行動変化力は高くなる。私はそう思っています。そして、その現場で働いているのは大人です。そのため、大学生は「いい大人」に接近し、そこから学ぶことで行動変化力の高い学びを得ることができるのです。

講義の構成

 私は今回行った「いい大人」と繋がる重要性というテーマの背景は上記のようなものです。
 実際の授業では、欲を言えばアクティブラーニングばりばりで行いたかったのですが、30分という時間や200人規模の受講者という制約から、あまりディスカッションなどは取り入れず、アクティブラーニングの要素は挙手・問いかけ・オープンチャットによるQ&Aなどとなりました。
 内容としては、吉野匠人がどのような出会いでどのような恩恵を受けてきたのか、またそれはどうして実現したのかをはじめに説明。そこから、「いい大人」と出会う重要性を解説。また、どうやったら「いい大人」に出会えるか、その方法を実演などを交えて解説。加えて、(マルチ商法や悪質な宗教勧誘をするような)「悪い大人」に対する注意喚起も行いました。

Part1: 講義の目的伝達(5分)
Part2: 吉野匠人の人生から学ぶ(5分)
Part3: 「いい大人」と繋がるメリットとメソッド(12分)
Part4: オープンチャットを用いたQ&A(8分)

振り返り

 では、私の話からどのように学生の次の行動が変わったのか。講義を評価する基準はそれでしかありません。学生からはこのような感想をいただいています。

「私は人見知りだから、繋がることの大切さを知ることが出来ました。私も勇気を出してたくさんの繋がりを見つけたいと思います。」

「いろいろな人に会って話を聞くことが大切だと思った。そのために自分からアクションを起こしていかなくてはならないと感じた。」

とても嬉しい感想です。また、今回学生のみなさんから私も多くを学びました。そこから私もアクションを起こしていきたいと思います。

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