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桝さんの本への意見について

アナウンサーからサイエンスコミュニケーターに転身された桝さんが、「科学の伝え方」に関するトップ研究者へのインタビューをまとめた本を出版するというツイートがありました。

伝え方ってなんぞという方はサイエンスコミュニケーションの定義をご参照ください。

先ほどのツイートに対して以下のような反応がありました。

彼らはインタビューされた方がシニアの男性研究者しかいないことに違和感を感じているようですね。

個人的には彼らの意見は少し差別的であるように思います。内容ではなく、属性で批判しているからです。

科学のおもしろさをどう伝えるかという観点で女性や若手がいないことでどのような観点が抜け落ちることを危惧しているのでしょうか。

例えば、「アカデミア研究者のキャリア形成」というようなテーマなら彼らの心情も理解できます。シニア男性だけを選べば、出産子育てとの両立という観点や任期有ポジションばかりの状況でどう生き残るかといった観点が抜け落ちることが容易に想像できるからです。

今回の題材においては、内容を無視してシニア男性しかいないということだけで批判するのはいきすぎているように思います。

このようなことを言うと、内容に関わらず様々な属性の人間を入れるべきと反論されるかもしれません。

ただ、それを言い出すとキリがないですよね?外国人がいるか、白人か黒人か、アメリカかヨーロッパか、ラテン系かユダヤ系か、出身大学など。いくらでも批判できると思います。

そのため、あくまで内容ベースで、このような観点をカバーするためにこういう人にもインタビューすべきといった批判をすべきではないでしょうか。

内容がわからなくても抜け落ちる観点を挙げればよいのかなと思います。例えば、上記の研究者は比較的化学系と生物系に偏っているので数学系、物理系、情報系の研究者も入れた方が分野による課題感の違いも見えてくるのではないか、といった意見ですね。

この本が発売されましたら、シニア男性しかいなかったことでどういう観点が抜け落ちたか、上記ツイートをされた方々も含めてどのような意見がでるのか期待したいと思います。

あくまで個人的ですが、私は化学系専門のため、藤田先生や山本先生のようなトップ研究者がどう考えているか、また有機化学のサイエンスコミュニケーターのパイオニアである佐藤さんがどのように語られるのか楽しみにしております。

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