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きょうの霊枢 衛気篇 第五十二 (1) 2021/6/17

本篇では衛気と営気の生理機能、十二経脈における「標」と「本」の区別や主治の範囲について述べています。さっそく見ていきましょう。
(経穴名などの補足は東洋学術出版社の『現代語訳 黄帝内経霊枢』に拠ります)

黃帝曰
五藏者 所以藏精神魂魄者也
六府者 所以受水谷而行化物者也
其氣內干五藏 而外絡肢節
其浮氣之不循經者 為衛氣
其精氣之行於經者 為營氣
陰陽相隨 外內相貫 如環之無端
亭亭淳淳乎 孰能竊之

然其分別陰陽 皆有標本虛實所離之處
能別陰陽十二經者 知病之所生
候虛實之所在者 能得病之高下
知六府之氣街者 能知解結契紹於門戶 ※1
能知虛石之堅軟者 知補寫之所在
能知六經標本者 可以無惑於天下

※1
「街」は区画された気の通り道
「結」は集まって動かなくなった状態
「契」刀で刻んだ目印
「紹」つなぐ
(参考訳)六府の気の通り道をよく知る者は、経絡上の経穴どうしの連絡を良くして、その詰まりを取ることが出来る

歧伯曰
博哉 聖帝之論
臣請盡意悉言之
足太陽之本 在限以上五寸中(跗陽) 標在兩絡命門(晴明)
命門者 目也
足少陽之本 在竅陰之間(足竅陰) 標在窗籠之前(聴宮)
窗籠者 耳也
足少陰之本 在內踝下上三寸中(復溜、交信) 標在背輸與舌下兩脈也(腎兪、廉泉)
足厥陰之本 在行間上五寸所(中封) 標在背腧也(肝兪)
足陽明之本 在厲兌 標在人迎(人迎) 頰挾頏顙也
足太陰之本 在中封前上四寸之中(三陰交) 標在背腧與舌本也(脾兪、廉泉)

※「標」と「本」についてはもう少し検討が必要ですが、「標」については経穴よりも顔色の変化や病証の表れやすい部位を示しているのではないか、という指摘があり、なるほどと思いました。
※次回に続きます

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