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きょうの霊枢 口問篇 第二十八 (3) 2021/8/5

今回は、嚏(テイ、くしゃみ)、嚲(タ、たれさがる)、泣涕(キュウテイ、涙と鼻水)、太息(タイソク、ため息)のそれぞれの原因と治療法について述べられています。

黃帝曰 人之嚏者 何氣使然
歧伯曰 陽氣和利 滿於心 出於鼻 故為嚏
補足太陽榮眉本 一曰眉上也

※「滿於心」は心ではなくて胸である、という説があります
※ 榮(エイ)よりも滎(ケイ、ちょろちょろ流れる水)の方が、「井、栄、兪、経、合」の流れに合致しそうです。ここでは足通谷。
※「補足太陽榮眉本」は攅竹穴を指す

黃帝曰 人之嚲者 何氣使然
歧伯曰 胃不實則諸脈虛
諸脈虛則筋脈懈惰
筋脈懈惰則行陰用力 氣不能復 故為嚲
因其所在 補分肉間

※ 嚲 は疲労困憊し、全身力なくだらんとした状態
※ 分肉 ①肌肉のこと。肌肉の外層を白肉、内層を赤肉といって分けた。あるいは肌と肉の間隙のこと。②皮内の骨に近い肉。③陽輔穴のこと。

黃帝曰 人之哀而泣涕出者 何氣使然
歧伯曰 心者 五藏六府之主也
目者 宗脈之所聚也 上液之道也
口鼻者 氣之門戶也
故悲哀愁憂則心動 心動則五藏六府皆搖
搖則宗脈感 宗脈感則液道開 液道開 故泣涕出焉
液者 所以灌精濡空竅者也
故上液之道開則泣 泣不止則液竭
液竭則精不灌 精不灌則目無所見矣
故命曰奪精
補天柱經俠頸

※宗脈 ここでは複数の種類の経脈をまとめた表現か。
※奪精 ①精神の喪失 ②目などの空竅を潤す精を失う事 ③脈が一呼吸の間に4回あるいは1回うつ脈象(難経十四難)

黃帝曰 人之太息者 何氣使然
歧伯曰 憂思則心系急 心系急則氣道約 約則不利
故太息以伸出之 補手少陰心主 足少陽留之也

※馬蒔の注
此れ人の太息する所以と之を刺すの法あるを言うなり。
人の心には皆系あり。唯、憂思するときは則ち心系緊急して気道斂約す。
約するときは則ち気出づること不利。
故に太息して以て之を伸出す。

今回はここまでになります。
続きは次週。



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