あらゆるものがオープンソース化される社会

ネットの発展により、あらゆるものがオープンソース化しました。もっと言うとタダになりました。地図はもちろん、教育はオンラインの動画で良いし、料理のレシピはクックパッドに上がっているし、服の作り方だったり、絵の書き方だったり、家庭菜園の方法だったり、もっと言えば家の作り方でさえ、ネット上には上がっています。

それに、最新研究の論文でさえ、多くは(すべてが無料ではありませんが)見ることができます。それを日本語に翻訳する翻訳機も無料で手に入ります(オープンソースではありませんが)そうそう、英単語の意味もネットを調べれば出てきます。

今は、あまりに情報が乱立しすぎていて、「価値ある情報を知りたいのならなら本を読むべきだ」というふうに言われるようになっていますが、いずれ「価値のある情報のみをまとめたサイト」が出てくるでしょう。(もっとも、本はその価値に比べて値段が格段に安いものですが)

私は今後、教師はほとんど不要になると考えています。学校の授業よりも、わかりやすい先生の動画のほうが分かりやすいからです。もっと言えば、賢い子供であればあるほど、動画で先へ先へと学んでいき、大人顔負けの知識を身につけるようになるでしょう。これまでも図書館に行ったりすることでそれは可能でしたが、動画での授業はわかりやすく、面白く、飽きにくいため、より多くの子どもたちがネットのコンテンツから学ぶようになり、子供の知識水準自体が向上するはずです。

塾に行って高い月謝を払う必要もなくなります。部活動も、その分野のプロがレベルに応じて適切なアドバイスをするコンテンツが生まれるはずです。直接、プロにアドバイスを貰えなくても、同レベルの人に対するアドバイスを見ることで、成長の糧とできるはずです。そうなると、これまでは一対一でしかアドバイスを貰えなかったことに比べると格段のスピードで成長することができます。このようなサービスは各所で見受けられます。

情報の共有化が進むことによって、製造プロセスもより構築しやすくなり、結果、物質も安くなりました。実際、中国から安くて高品質な部材も多く手に入ります。例えば昔は高価だったフィギュアも、中国の安い部品を使った3Dプリンタで、無料で上がっている3Dデータをもとに格安で簡単に手に入るようになりました。

これと同じことが将来、様々な製造業で起こるのではないかと考えています。建築の分野でも随所で3Dプリンタを使って家を作るようなプロジェクトが立ち上がっています。この技術の低価格化が進めば、300万円程度で、必要十分な家を持つことができるでしょう。さらに将来は、自動運転が発達し、リモートワーク環境が充実することで、住む場所の価値観が今とは全く異なるものになるはずです。自動運転キャンピングカーが発売されれば、住む場所を選ばず、眠っている間にすきなところに移動できます。土地を所有する必要はありません。

このように、今後、ネットワーク、人工知能技術、センサ技術の発展により、交通業界、それから私達の生活を支える衣食住の業界で、ロボットによる無料化が進む未来を夢見て、その時、私達は何にお金を払い、どうやってお金を稼ぎ、また、お金がどのような価値を持つのかを考えていますが、そちらについての答えはなかなか出ないままです。

人工知能に仕事を奪われるかどうか、という話が随所であがっていますが、そのような議論をするよりも、「お金を稼がなくても良い社会でどう生きるか」を考えるべきではないでしょうか。言ってしまえばそれは、クリアデータが入ったゲームのようなもので、すでに「生存」と「仕事」という人生の大きな目標は達成されたものです。物質的にもみんなが裕福な社会です。その社会で、私達は何を幸福に思い、何をめざすべきでしょうか。おそらくその答えこそが次世代の人類が「お金」と交換するものになるはずです。

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