ビジネス書って冗長じゃありませんか?

社会人になってビジネス書、あるいは自己啓発書を読む機会が増えました。そこから得られた言葉、知識、考え方は確かに実際のビジネスの現場に応用すれば利益になるようなことが書かれています。少なくとも、1000円だか、2000円だかの価値があるから売れているということでしょうし、それだけの投資をしてもよい、と考えている人が多いからこそ、アマゾンでもレコメンドされるし、書店でも並べられているのでしょう。

けど、どんなビジネス書も大抵は「時間は重要だ」なんて言っている割には、読みにくい本が多いように思います。ひどいのは「時間術」の本だったりすると、半分が「この時間術で私の生活はこう変わった」ということに当てられていて、もう半分(半分あれば良いほうで、本当に重要なページは2ページだったりしますね)にようやく「時間術」についての具体的な手法について書かれてあったりします。完全なページ数稼ぎが横行しているのはやめてほしい。

あと、海外の本に多いのは言い回しがくどい本で、いい加減にしてほしい。「何を言いたいんだ」ということが多くあります。10ページぐらい延々と頭がしびれてくるような、それっぽいことを言って、10ページ前に書いたことと同じことを繰り返すという手法です。後から読み返してみると「あれ、ここで言いたいことって、これだけ?」と、その時真面目に読んでいたことを後悔してしまうんですよね。

書いていて気がついたのですが、こういう「頭がしびれてくる」という感覚は非常に重要だと思います。同じ時間でも効率的に動いたほうが絶対に良いですよね。当たり前かもしれませんが、インプットをしながら発想ってなかなか出てこないし、他のことを考えることも難しい。そうなると、その時間は完全に無駄であって、得られるものは本当に少ないものです。(この部分はやや感情論です。すみません)

最近の本だと、読者に対して「ここを見ればよいですよ」とでも言いたげに下線を引いたり、太文字で重要なところが書かれてあったりします。だけど、例えば会社で上司に見せる資料を作っているときに、パワポに文字だけ貼り付けて「あ、重要なところだけは下線つけておいたんで」なんていう言い訳が通ると思いますか? 少なくとも私がそれをやったら普通に訂正を食らうだけで終わりです。実際にやる勇気もありません。

そうなってくるとそもそも、本という形式がよくないのかもしれない、と考え始めます。例えば論文のような形式が理想かもしれません。はじめに要約が書いてあって、それから具体的な内容が書かれていく、というスタイルです。書籍でこれができない理由は、もしも要約に力を入れてしまうと、多くの読者が優れた要約だけを立ち読みして本が売れなくなってしまう、と出版社が考えているからでしょう。

あるいはもしかしたら、「優れた情報だからあえて難しく書いたぜ。多くの人が読む気をなくして、少ない読んだ人だけが得をするように!」というフィルタの役目を果たしたいのかもしれません。でもそれって誰がなんのためにやっているんですかね…。

ただ、優れて、売れている本ほどすぐにブログだったりyoutubeだったりに要約が流れてしまうので逆に「要約だけ」を書く本が売れるかもしれない。なぜなら、本が短すぎると要約サイトの存在意義はなくなり、というか予約して紹介するようなことすら、著作権的に不可能になり、情報を仕入れるためには本を実際に買って読むしかないからです。

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