2024年は「株選びの年」:ゴールドマン・サックス
まとめ
Goldman Sachsは、2024年が「ストックピッカーの年」となることを示唆する新しいレポートを発表しました。このレポートは、今後の決算シーズンに向けたトップ25の戦術的取引について言及しており、その背後にある一人、デリバティブリサーチの責任者であるジョン・マーシャル氏がその詳細を解説しています。
マーシャル氏は、株式市場における2つの大きなテーマについて語っています。まず、株式間の相関が非常に低いことです。特に「マグ7」と呼ばれる主要7銘柄とその他の493銘柄の相関が大きく崩れていることが指摘されています。S&P 500全体の相関は通常の1/3であり、これはほぼ史上最低水準です。オプション市場は、今年残りの期間もこの低相関の環境が続くと示唆しています。
この相関の低さが生む結果として、VIX指数が12と非常に低い水準にある一方、単一株の決算発表日の変動は4.8%と14年ぶりの高水準です。このため、決算周りの株式選択が非常に重要になっています。
Goldman Sachsは、数多くの銘柄から定量的な方法で絞り込み、アナリストとの議論を通じて25の銘柄リストを作成しました。リストには、Chipotle、Starbucks、Enphase Energy、Bank of New York Mellon、Microsoftなど、多岐にわたる企業が含まれています。
マーシャル氏は、インフレによる企業のコスト増と価格上昇のタイミングのギャップが、特定の銘柄に対して一時的なチャンスを提供していると述べています。例えば、Allstateは、車両修理や不動産の交換費用が上昇する中で、保険料の引き上げが追いつきつつある状況が見られます。同様に、ChipotleやStarbucksでも成長の復活が期待されています。
さらに、マーシャル氏は、個別株オプションの取引が小売投資家やヘッジファンドの熱意レベルを示す有力な指標であると述べています。最近の小売投資家の熱意は高まっており、これが弱いファンダメンタルズを持つ株式や高レバレッジの株式に対する空売りの動機を強化する要因となっています。
最後に、マーシャル氏は、このレポートが過去12年間にわたり一貫して発行されており、S&P 500を数%上回る年率リターンを達成していると述べています。
このレポートは、2024年の株式市場における投資戦略を検討する上で、非常に有益な情報を提供しています。
銘柄リスト
Goldman Sachsの2024年のトップ25戦術的取引リストには、以下のようなポジティブな予測の銘柄が含まれています:
Meta Platforms (META)
Maravai LifeSciences (MRVI)
Payoneer Global (PAYO)
Post Holdings (POST)
Raymond James Financial (RJF)
Snowflake (SNOW)
KBR (KBR)
Mattel (MAT)
Pioneer Natural Resources (PXD)
CrowdStrike (CRWD)
Atlassian (TEAM)
Datadog (DDOG)
これらの企業は、Goldman Sachsのアナリストがコンセンサス予想を上回ると見込んでいる銘柄です。各銘柄について、アナリストは業績修正の可能性が高く、決算発表日に株価が上昇することが期待されています。
さらに詳しい情報は、Investing.comのこちらのページから確認できます。
Goldman SachsのETF
Goldman SachsのETFの中で、過去1年間の成績がSPYを上回るものがあります。以下のETFがSPYのリターンを上回っています:
Goldman Sachs Hedge Industry VIP ETF (GVIP) - 1年リターン: 30.73%
Goldman Sachs MarketBeta U.S. Equity ETF (GSUS) - 1年リターン: 26.09%
Goldman Sachs ActiveBeta U.S. Large Cap Equity ETF (GSLC) - 1年リターン: 25.09%
これに対して、SPYの1年リターンは15.23%です。これらのETFは、SPYを上回るパフォーマンスを示しています。