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EWC ApexAPACN予選、まさかの苦戦に終わったMMをファイト時ロール配置から考える Apex机上の卓論#3  

めっちゃガチやんな長い前書き

まるでマキバオー世界編。突然のぶちあげサウジアラビア(……だったけ?)にて行われる、オイルマネーじゃぶじゃぶなesportsの祭典。SP1世界出場チームは招待枠として予選を免除される中、一般予選枠(誰でも!)として二枠を用意。まさかまさかのコロコロコミックスタイル。見事予選突破を成し遂げた無名である主人公のチームが世界強豪へ挑む……!なんて展開があるわけも……。APACNで世界出場を惜しくも逃したり、ロースター再編で世界組だが権利がなくなったチームだって出場しているわけで……。

チーム組んで初日のチームが決めるって主人公すぎるだろおじさん興奮してきたよ。
さてはどんな予選だったのか。通しで全部を見届けることは叶いませんでしたが振り返っていく。予選初期ブロックの段階では粗さを見せていた状況でしたが、進行すればガチガチのガチ。上位8チームが不在なことを考えても、かなりレベルは高かったのでは。何せMMが決勝ラウンドへ上がることなく敗退してしまうほど。Apex競技おじさんサークルが(所属1人)咽び泣いたMMをロール配置から書きなぐり振り返っていきましょう。
繰り返しますが、選手への侮辱的な意味は含みません。実際にプレイするにあたってその場での判断が大きく影響するゲームであり、それは困難を極めます。結果論な一面が大きい

MMの選手配置

MMのロール配置、ファイト時の動きはスクリムから変わらず1-2からメルトステラが前へ上がる形。まずはクリーンに相手を圧倒したファイトを振り返る。

スペースが限定された場で、瞬間的な勝負を強いられた相手。

ラウンド1収縮中、Mia.Kが残りアンカーの二人が前へ出る形でスタートした3on3。

このワールズエッジでのファイトはカタリストウルトでの分断を狙った瞬間にフラッガーMia.Kが大きく削られてしまい、Mia.Kの指示により二人を前に出すことで始まった。ブラッドハウンドウルトによる圧倒的な優位性は失ってしまうが、Mia.Kのソロアンカーという配置となる。

数的優位ではなく同数ではあるが、メルトステラとハンマードリルは即座にダウンを奪う。
相手のスペースを限定し、フォーカスを合わせる驚異的な技術だ。
フラッガー数的優位を保ったまま、Mia.Kはアンカーで残りの相手と対峙。
別射線を確保しながら情報を取得できる位置へ移動する。
3on1の状況となったところで、後方から別チームの介入を受ける。アンカー位置で早期に情報を掴んだMia.kは次に備えることを判断。

結果的にこの後、介入PTは完全なファイトを選択せずMMは安置へ入ることができた。Mia.Kが浮いた相手をロックし続けることでフラッガーが余計なダメージを受けず、後方情報を確保することで介入を早期に察知でき、それに備えることのできるポジションを適切に支持できるアンカーの位置へ結果的に配置されたことが大きい。追記だが家屋を使わせる指示を飛ばしたMia.Kは家屋ではなく、その一つ奥の高台へ位置することを選択し情報を取得しながら別射線を確保している。きわめて理想的なアンカープレイだと言えるだろう。

カタリストソロアンカーが厳しいと考える象徴的なファイト

次にうまくいかず部隊全滅へ繋がってしまったストームポイントのファイトだ。構成は同じくである。アーマー状況においては有利であった。大きくはないが微有利ファイトだ。

トレードで優位にたったMMは、後方よりメルトステラが上がる形からファイトを仕掛ける。

先ほどの状況と違うのは、Mia.Kがその二人を追い越すこと。ブラッドハウンドのウルトを使用中であり、前へ出ることで相手に大きなダメージを与えたい。フラッガーのブラッドハウンドとして一番求められる動きであり当然である。だがそれにより大きな問題が生まれる。

前へ駆け上がるMia.K。現状敵の位置は完全に把握できてはいない。

この状況ではアンカーを務めているハンマードリルもウルトを効果的に使うために前へ出る必要があるのだ。そもそもメルトステラをアンカー位置から前へ押し出すという動きからファイトを始めるMMはアンカー不在、全員が横並びの状況となってしまう。これがカタリストのソロアンカー配置で再現性の高い問題点であると考えている。

相手はアンカーによるカバーが常時受けられる。
前で射線を作ろうとしたMia.Kが数的優位を作られてしまいダウン。
ダウン後下がることを選択するも、別PTの介入を受け全滅した。

このファイトが敗北へ繋がったのはMia.Kのファーストダウンが要因ではるが、ファーストダウンに繋がった原因は相手に数的優位を作られてしまったこと。別射線よりダメージを受けず常にカバーを行えるアンカーが不在で、一時的に数的優位を作られてしまった。つまりロール配置の問題だろう。
当然全員が前へ上がることのメリットもある。チーム全員の火力によりファイトを押し切ることができること。トレードで圧倒的に優位へ立ったという状況を一気に押し切るための選択として正しい判断となる場面も存在しており、間違った選択ではない
デメリットとして確保されたポジションはなく、その他の情報を早期に掴むこともできない。仮にファイトを諦める判断となった時には下がる場所が運頼み、相手によるフォーカスダウンで介入に気づいてGG。第一のファイトと比較すれば状況の差異は明らかだ。ファイト時の問題点は、常にカバーを行える位置に選手がいないことで一時的な数的有利を相手へ与える危険があること。今回のファイトにおいても3on3のフラットなファイトに見えて、バッテリー回復のタイミングで数的有利を作られている。このようなファイトには再現性がある。スクリム等において介入(ば〇凸や脳〇凸などと叫ぶ突撃介入をしたチームがさらなる介入で即時に崩壊する場面)を受けて全滅するシーンが目立つが、恐らくそれもこの部分に繋がっていると考えている。アンカーを配置せずの突撃による弊害だ。これはカタリスト採用だからという話でもないが、カタリストを採用することでの大きな罠だろう。なにせカタリストはウルトを効果的に使用するために前へ出る必要があり、意識して別にアンカーを配置していなければ配置が崩れるのだから。
ファイトを仕掛けに行くという判断が間違っていたか、という部分は私にはわかりかねる。そこは一人者にお任せしたい。

ブラッドハウンドメタゲームによりフラッガーとなった選手たちの苦悩とあとがき

以前カタリストorヒューズで書きなぐった通り、カタリストはフラッガーとして特別な仕事ができるレジェンドではない。ウルトにより敵を分断したり、スペースを限定することで有利に持ち込めることはできてもその後はプレーンなコーンフレーク。そのウルトを効果的に使用するために前へ出る必要がある決して万能ではないレジェンドだ。このようなファイト形は決してMMだけではなく、多くのAPACNや他リージョンのプロチームが見せている現状においての大きな問題点であり、修正が求められる点だろう。このファイト形によって引き起こされる戦闘により”ファイト環境”という一変したかのようにも思える状況が引き起こされているのではとすら考える。その中で優位に試合を運んでいるチームと運べていないチームの差異がハッキリとしているのは、配置の差なのかもしれない。
個人的な印象としてアンカー適正が非常に高い選手が、ブラッドハウンドとバンガロールが必須になったことでフラッガーへ転向しているチームにてこのような問題が出ているのではないか。Mia.K選手ばかり例に挙げて申し訳ないが(私は彼の大ファンだ)ポカなプレイで”こんたぴ””こんめる”とどこか抜けた印象を持たれている彼。それはフラッガーとして無理をして出た際のプレイが多く、アンカーでプレイしているときの彼は徹底した射線管理意識を発揮しながら火力をたたき出す優秀なプレイヤーだ。ヴァルキリーを使いチャージライフルを片手に握っていた彼は脳〇PAD突撃プレイヤーなどと言われるようなプレイヤーではなかった。この苦悩は多くのフラッガーが種としているものだろう。
多くのチームにおいてDZやFNCの配置は正解の一つとして参考になるかもしれない。コメデターの立場で申し訳がないが、配置があってこそのDZであり、FNCだと配置に注目しているおじさんは考えている。かねてよりアイディアを積み重ね実践し、自らがアンカーになることを選択したYukaFを多大に評価する所以でもある。
各チームが解決策を考えることで、そこに新しい形が生まれるかもしれない。その形を是非に見てみたい。




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