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写真と小節『人は誰憚らず歴史学の陣営に下るがいいと思う。』

文学研究というものは煮つめてみれば歴史学か、
あるいは哲学である。
そして哲学の、魅力ある、
しかし危険な自由を少しでも恐れたならば、
人は誰憚らず歴史学の陣営に下るがいいと思う。

歴史学、つまり実証を旨とする文献学、伝記学である。
しかし、世間の「文学研究家」は、どういうものか
歴史学と哲学の間を往反して、
それが文学研究だと思っているようである。

ところが本当に自律的な
「文学研究」などというものはあり得ないのである。
精々のところ、文学作品あるいは作家を研究材料にした
応用歴史学あるのみだろう、方法論的に厳密にいうならば。

『粋と野暮のあいだ』 written By 高橋義孝

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