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ミキミキツンパカルテイハ、イエスかノーか半分か?

かなりどうでもいいことだけど、パンツについてずっと気にかかっていたことがあるので備忘録として書いておく。

冒頭のタイトルは小学校低学年の頃に流行ったジョークだけど、日本でパンツと言えばまずは下着のことを指す。英語のパンツとはフランス語のパンタロンが語源で、スラックスやトラウザーズなど広くボトムス一般を意味する単語だ。正確にはアンダーパンツ、もしくは単に下着と言えばいいのだけれど、自分も含めて多くの男性がいまだに混同している。

そこで本稿では、ボトムスを意味するパンツをズボンと表記し、下着を意味するパンツの場合はそのまま下着と区別して表記する。ちなみに、ズボンも出所不明のまま広まった日本独自の単語(ジーパンとかワイシャツもそうだけど)であるが、ややこしい言葉の定義はこれくらいにして、話を先に進めよう。

現代の男性の半数近くがいわゆるボクサー型の下着を愛用しており、ユニクロや無印良品の下着売り場でもボクサー型が他を圧倒している。蒸れるブリーフと局部が安定しないトランクスの弱点を補い、いかにも下着っぽく見えないボクサー型は、今後も男性用下着の定番として君臨し続けるだろう。自分も高校生の頃からずっとボクサー型だし、今のところボクサー型を超える男性用下着はないと思う。しかし、ここでちょっと気になることがある。それが「前開き」か「前閉じ」か問題である。

「前開き」は、小便をするときに素早く竿を出せるデザインというか仕様なのだが、実際に毎回使うかと問われるとそうではない。スーツやスラックスなどきちんとした服装で外出したときにはたしかに便利なのだが、それ以外のときはほとんど使わない。実際、オフィスビルやデパートのトイレでは、スボンをずるりと下げて用を足している男性をよく見かけるし、前開きから竿を取り出す光景がレアになってきているとさえ感じる。

さらに自宅では前開きはほとんど使わない。立ったままおしっこをすると便器の外に尿が飛散してしまうことから、いわゆる“座りション”が普及しているからだ。今や世の男性のほとんどが女性たちから座りションを求められるし、それに従わざるを得ないのだろう。かくいう自分もそうしている。同時にイージーパンツなど、サッと脱ぎ履きできるズボンが人気なことも座りションの普及を後押ししていると思う。

「前閉じ」が登場したのは、自分の記憶にある限り20年前くらいであって、基本的に男性用の下着は前開きが前提だった。それは、スーツやスラックスを着用して立ったままおしっこするという前提があったからであり、ズボンをずり下げておしっこをする、もしくは座りションをすることなど想定していなかったからである。シンプルな前閉じが徐々に支持されるようになったのは、男性の小便スタイルが変化したことに起因している。

このように生活様式と服装の変化が、下着のデザインにも大きく影響していることが分かる。今後も前開きのボクサー型はそれなりのシェアを維持するだろうが、それ以上に前閉じのボクサー型が増えていくことが予想されている。スラックスのほとんどがイージー型となり、座りションが世の常識として完全に定着したとき、そのシェアが逆転するのだろう。

「ミキミキツンパカルテイハ、開きか閉じか半分か?」。将来の子供たちはこんな風に言うのかも知れない。たぶん、言わないと思うけど。


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