マガジンのカバー画像

Photo story

84
猿払村に纏わる写真から綴る物語。
運営しているクリエイター

#カメラ

Photo story No.083 ホタテと毛ガニシーズンの幕開け。

猿払の漁業は3月にホタテ漁と毛ガニ漁がスタートするのが通例。例年、私はその特別な日は出港の様子を撮影しに足を運ぶ。 3月は春というのが全国的な相場だろうが、北海道北部の3月は春とは程遠い姿で、漁船が出港する明け方には、氷点下というとことがザラだ。 今年の海明けは、3月13日で日の出の時間を確認すると、6時過ぎ。行くなら自分にとっては早起きの類。 撮影に行こうか、行かまいか考えるでもなく、アラームをセットするわけでもなく。この日ばかりは、目が覚める。 この日も、絶対に行

Photo story No.082 流氷がやってきた。

流氷は風向きによっては、一気に接岸するし、逆に離れることもある気まぐれな奴。予想はできるも、外れることもそれはある。 実際に16日の気象庁による予報では、24日に接岸するという予想がされていた。 そこに、1月19日金曜日、猿払沖に流氷が見えてきたという報せが家族のグループLINEに入る。 風向きと強さによっては、翌朝に流氷と朝陽の写真が撮影できるかもしれない。 ということで、土曜日の朝は早起き。日の出は7時過ぎなので、6時30分には家を出る。 浜鬼志別に出ても、流氷

Photo story No.075 私にとっては日常も。

私にとっては日常的なことだとしても、多くの人にとっては非日常ということもある。キタキツネの存在もそうだろう。猿払村で暮らしていると、よく見かける動物のひとつ。それ以上でも、それ以下でもない。 しかし、人ぞれぞれによって感動する、関心を寄せるベクトルは大きく違う。自分の目線だけで考えるの危険。 何を創造し、誰に届けるのか。改めて考えなければと思った、週末だった。 ■ 本日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。また、次の記事でお会いしましょう。 わたくし

Photo story No.074 神奈川県と気温差10°の夏を過ごす田舎暮らし。

猿払にしては蒸し暑い日が続いている。あくまでも猿払にしてはだ。 調べてみると、過去5日間の最高気温は26.4°、27.0°、26.7°、23.3°、26.9°、27.1°といった具合だ。 これをみて、それで蒸し暑い?と笑ったひともいるだろうw 友人が住む神奈川県の過去5日間の最高気温も調べてみた。低くて32.6°、一番高い時は37.1°と大体10°も違う。 でも、こちらは大真面目で25°を超えると夏を感じることができる。夏へのハードルが最も低い地域とも言える。 実際

Photo story No.073 いつもの景色が違った見え方に。

見慣れた風景、普段は気にも留めない風景も視座が変われば全く違った風景が広がる。 そんな視座を人間にもたらしてくれたのがドローン。ここ10年で、とても身近なアイテムになった。 私も、4年前に手に入れて撮影できる写真の幅が大きく広がることに。 普段の暮らしの中では、絶対に目にすることができない。正に鳥になった気分で、景色を楽しめる。 一般的なカメラと違って、風が強いと危険なのでいつでも飛ばせるわけではない。自分が撮影するのは、休日や平日の早朝など。 風の強い地域の猿払村

Photo story No.071 朝焼けに巡り会えない朝も。

猿払で朝陽といえば、海から昇るシーンを撮影することが多い。 例えば、こんなのとか こんなのとか。 朝陽は、とても好きな風景の一つだ。 そして、この日もそんな朝陽が撮影したいと思って、3時過ぎに起床。4時前の日の出に向けて準備。ただ、まだ暗い中だが低く雲が広がっているように見えたので、期待はせずに出発。 いつもの海岸沿いに到着すると、案の定空の低い位置に雲が立ち込め。陽が見えるような感じではない。 早々にあきらめて後にすることに・・・・。 それでも、家に車を走らせ

Photo story No.070 酪農の風物詩と誇り

猿払の基幹産業の一つ酪農。乳牛を育てていくには、飼料が欠かせない。そして、猿払村の広大な大地では牧草畑が広がる。東京23区に劣らない面積はこうして生かされる。 ライダーに人気のエサヌカ線も、牧草畑を両脇に抱える農道だ。夏季しか使用しないため、冬には閉ざされる道。 人の手だけでは到底できそうもない作業を、様々な機械等を駆使してこなしていく。遠目にみると、それほど大きくは見えないわけだが・・・。 実際に機械が近づいてくると、圧倒的な大きさに驚く方も多いだろう。とにかくパワフ

Photo story No.069 長き陽。

冬には夕方4時には暗くなる猿払も、この時期の日の入りは遅く、陽が長い。 この写真を撮影した2023年6月25日の日の入りは19:24。実に3時間も差があるので、時間の感覚も多少おかしくもなる。 この写真は日の入りから30分ほど経過した時に撮影したもので、20時過ぎ。 流れのある川のはずなのに、まるで時も流れも止まっているかのような様子が目に止まった。鏡のように空が、川面に反射している。 リフレクション好きとしては、素通りすることができず。思わず車を止めて撮影した一枚。

Photo story No.066 猛吹雪から守ってくれるのは。

猿払村を縦断している、国道238号線。冬には、猛吹雪で一寸先は闇という厳しい状況にもなる。そんな過酷な環境から、一時的避難場所として運転手とドライバーを守ってくれる存在。それが、北海道開発局が建設した猿払パーキングシェルター。トイレ・公衆電話・飲料水自動販売機が設置されている。使わないに越したことはないものの、いつやってくるか分からない、そして必ずやってくる暴風雪・ブリザードへの備えとして欠かせない存在だ。 コンクリート剥き出しで無骨に感じられる中にも、美しくも感じられる構

Photo story No.065 出会いの春。

出会いは人だけではない。道具とも出会いと別れがある。 カメラとレンズも出会いと別れを繰り返して来た。そして、最近また一本仲間入り。 レンズを替えたり、カメラを替えるということはそれなりの目的や理由がある。 今回は、撮影との向き合い方。どちらかというと、精神論の文脈。 この向き合い方に失敗することがあれば、また入れ替えるということも大いにあり得る。 そんなレンズで、初めての撮影にでかけた。淡くブルーに染まる空が印象的な土曜日だった。 ■ 本日も最後までお読みいただ

Photo story No.064 氷点下の春。

氷点下3度の4月を想像できるだろうか。 4月15日、パッと目が覚めると夜明け前。本能的に朝陽が撮影できるかどうかが気になった。スマホで確認すると、どうやら朝陽が拝めそう。どう良く見積もっても、気温は一桁だろう。となると、着るモノもそこそこの装備が必要だ。そこは、ある意味カメラよりも重要。寒さに耐えられなければ、撮影どころではない。上下しっかり着込んで、上にはダウンを、下には起毛素材のパンツも履きこむ。ここまでの所要時間は、3分ほどか。あとは、歯を磨いて出発だ。車に乗り込むと

Photo story No.057 自然界の強者を見た。

食物連鎖の頂点に位置するタカ、ワシなどの大型鳥獣がいるということは、その地域の生態系の質と量が豊かなことを示すそうだ。 あまり意識してこなかったが、そういう意味では猿払でも見られることができて嬉しい。 遠目から肉眼では、ほんの小さくしか見えないのでレンズをとおして大きく見られるのはカメラならではの良さ。写真では伝わりにくいが、とても大きい。 夕陽に照らされ、遠くを見つめる姿は姿勢が良くも見え、その佇まいに美しささえ覚えた。視線の先に何を見ていたのだろう。 ワシは1km

Photo story No.047 田舎ならではランニングのしやすさとご褒美。

ランニングを最近再開して、都会の風景を思い出した。どんな風景かというと、ランニング中の人が信号待ちをする姿だ。私が住む猿払では信号に到達する方が難しいほど。私の暮らすエリアでは信号は2箇所しかない。だから、ランニング中に信号待ちで止まるなんて体験はしたことがないのだ。そして、道路も早朝はほとんど車が走らない。本当に快適にランニングができる。さらに、8月も末となるともはや秋に突入。私が走っていた、6時から7時くらいは気温15度ほど、スタートする時は肌寒く、ゴールの時にはじっとり

Photo story No.044 7月初めての夏日と涼しさの活かし方。

7月のエサヌカ線。牧草収穫の作業も盛んに行われたり、ライダーが走り抜けるなど一年の中でも活気のある時期だ。そんな風景を眺めながら、今年の7月と去年の7月の違いに思いを馳せた。 猿払では、昨日7月30日は6月25日以来の夏日。しかも今年2回目というある意味、貴重な夏日だった。去年の7月があまりにも暑かったので、ある程度覚悟して迎えた7月だったが気温の低さに拍子抜けしていたところだった。 数えてみると、昨年の7月は30度以上を記録する真夏日が3日、25度以上を記録する夏日は1