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Photo story

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猿払村に纏わる写真から綴る物語。
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#写真日記

Photo story No.084 刻々と表情を変えるエサヌカ線の夕景。

どこまでも続くような錯覚を覚えるエサヌカ線。ライダーやチャリダーをはじめ、観光で訪れる方も多く足を運ぶ。 一度来たら満足という風には思わず、ぜひ何度でも足を運んでほしい。 というのも、季節や天気や時刻によって、様々な顔を見せることから、観る者を飽きさせないのがエサヌカ線。 中でも、刻々とその様子が変化していく夕景は一見の価値がある。 雲がない、空も綺麗だが、雲と夕陽がもたらす豊かな表情はなんとも言えない。 この日も、当初は雲が多く味気ない写真になるかなと思っていたが

Photo story No.082 流氷がやってきた。

流氷は風向きによっては、一気に接岸するし、逆に離れることもある気まぐれな奴。予想はできるも、外れることもそれはある。 実際に16日の気象庁による予報では、24日に接岸するという予想がされていた。 そこに、1月19日金曜日、猿払沖に流氷が見えてきたという報せが家族のグループLINEに入る。 風向きと強さによっては、翌朝に流氷と朝陽の写真が撮影できるかもしれない。 ということで、土曜日の朝は早起き。日の出は7時過ぎなので、6時30分には家を出る。 浜鬼志別に出ても、流氷

Photo story No.081 朝陽と秋の味覚と。

秋の味覚、秋鮭。この時期、猿払の海岸沿いには秋鮭を狙って、釣り人が全国各地からやってくる。 大物がかかると、大きな手応えで豪快な釣りが楽しめる。秋鮭は釣る楽しさの他にも、食べる楽しさも持ち合わせている。 北海道の秋の味覚の代表格と言っても、過言ではないだろう。 ちゃんちゃん焼きは、味噌味で魚と野菜を楽しめる北海道の郷土料理。私の住む地域では、ポピュラーな食べ方。 冷凍保存しておけば、一年を通じて楽しめる。北海道外からお客様が来た時に振る舞うことも多い。 続いて、多く

Photo story No.075 私にとっては日常も。

私にとっては日常的なことだとしても、多くの人にとっては非日常ということもある。キタキツネの存在もそうだろう。猿払村で暮らしていると、よく見かける動物のひとつ。それ以上でも、それ以下でもない。 しかし、人ぞれぞれによって感動する、関心を寄せるベクトルは大きく違う。自分の目線だけで考えるの危険。 何を創造し、誰に届けるのか。改めて考えなければと思った、週末だった。 ■ 本日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。また、次の記事でお会いしましょう。 わたくし

Photo story No.074 神奈川県と気温差10°の夏を過ごす田舎暮らし。

猿払にしては蒸し暑い日が続いている。あくまでも猿払にしてはだ。 調べてみると、過去5日間の最高気温は26.4°、27.0°、26.7°、23.3°、26.9°、27.1°といった具合だ。 これをみて、それで蒸し暑い?と笑ったひともいるだろうw 友人が住む神奈川県の過去5日間の最高気温も調べてみた。低くて32.6°、一番高い時は37.1°と大体10°も違う。 でも、こちらは大真面目で25°を超えると夏を感じることができる。夏へのハードルが最も低い地域とも言える。 実際

Photo story No.073 いつもの景色が違った見え方に。

見慣れた風景、普段は気にも留めない風景も視座が変われば全く違った風景が広がる。 そんな視座を人間にもたらしてくれたのがドローン。ここ10年で、とても身近なアイテムになった。 私も、4年前に手に入れて撮影できる写真の幅が大きく広がることに。 普段の暮らしの中では、絶対に目にすることができない。正に鳥になった気分で、景色を楽しめる。 一般的なカメラと違って、風が強いと危険なのでいつでも飛ばせるわけではない。自分が撮影するのは、休日や平日の早朝など。 風の強い地域の猿払村

Photo story No.071 朝焼けに巡り会えない朝も。

猿払で朝陽といえば、海から昇るシーンを撮影することが多い。 例えば、こんなのとか こんなのとか。 朝陽は、とても好きな風景の一つだ。 そして、この日もそんな朝陽が撮影したいと思って、3時過ぎに起床。4時前の日の出に向けて準備。ただ、まだ暗い中だが低く雲が広がっているように見えたので、期待はせずに出発。 いつもの海岸沿いに到着すると、案の定空の低い位置に雲が立ち込め。陽が見えるような感じではない。 早々にあきらめて後にすることに・・・・。 それでも、家に車を走らせ

Photo story No.070 酪農の風物詩と誇り

猿払の基幹産業の一つ酪農。乳牛を育てていくには、飼料が欠かせない。そして、猿払村の広大な大地では牧草畑が広がる。東京23区に劣らない面積はこうして生かされる。 ライダーに人気のエサヌカ線も、牧草畑を両脇に抱える農道だ。夏季しか使用しないため、冬には閉ざされる道。 人の手だけでは到底できそうもない作業を、様々な機械等を駆使してこなしていく。遠目にみると、それほど大きくは見えないわけだが・・・。 実際に機械が近づいてくると、圧倒的な大きさに驚く方も多いだろう。とにかくパワフ

Photo story No.069 長き陽。

冬には夕方4時には暗くなる猿払も、この時期の日の入りは遅く、陽が長い。 この写真を撮影した2023年6月25日の日の入りは19:24。実に3時間も差があるので、時間の感覚も多少おかしくもなる。 この写真は日の入りから30分ほど経過した時に撮影したもので、20時過ぎ。 流れのある川のはずなのに、まるで時も流れも止まっているかのような様子が目に止まった。鏡のように空が、川面に反射している。 リフレクション好きとしては、素通りすることができず。思わず車を止めて撮影した一枚。

Photo story No.068 グラデーション

猿払の5月も終わろうとしている。5月は桜が咲いて、散って。自然の色が濃くなっていく時期だ。 写真を撮影する意欲も自然と湧いてくる。それもそうだ、12月から3月は白き世界。 陽が彩る時間は豊かだ。 訪れる日、時間、視点によって全く見え方も変わってくる。だから、何度訪れても楽しめるし、何度撮影してもワクワクする。 なかでも日の入り後のグラデーションはなんとも言えず。刻々と変化する様子は、眺めていて飽きがこない。 風景だけだと単調になりがちだが、愛車を入れることで多少ドラ

Photo story No.067 平日でも撮影できる夕景。

この時期は、平日でも早く仕事を切り上げられたら夕刻の猿払の風景を撮影することができる。この日は、エサヌカ線まで足を伸ばした。 まず、目に入ったのは自分の影。陽が落ち始めていたから、異様に長くて思わず撮影したくなってしまう。 なかなか、道路の中で収まる位置を見つけられず右往左往。ようやく、頭まで収まる場所を見つけてようやくシャッターを切る。 振り返ると、眩しくも綺麗な夕陽。草を照らし、輝きに輝いている。ココに来ると本当に時間の流れをゆったりと感じる。自然って、本当にいい。

Photo story No.066 猛吹雪から守ってくれるのは。

猿払村を縦断している、国道238号線。冬には、猛吹雪で一寸先は闇という厳しい状況にもなる。そんな過酷な環境から、一時的避難場所として運転手とドライバーを守ってくれる存在。それが、北海道開発局が建設した猿払パーキングシェルター。トイレ・公衆電話・飲料水自動販売機が設置されている。使わないに越したことはないものの、いつやってくるか分からない、そして必ずやってくる暴風雪・ブリザードへの備えとして欠かせない存在だ。 コンクリート剥き出しで無骨に感じられる中にも、美しくも感じられる構

Photo story No.065 出会いの春。

出会いは人だけではない。道具とも出会いと別れがある。 カメラとレンズも出会いと別れを繰り返して来た。そして、最近また一本仲間入り。 レンズを替えたり、カメラを替えるということはそれなりの目的や理由がある。 今回は、撮影との向き合い方。どちらかというと、精神論の文脈。 この向き合い方に失敗することがあれば、また入れ替えるということも大いにあり得る。 そんなレンズで、初めての撮影にでかけた。淡くブルーに染まる空が印象的な土曜日だった。 ■ 本日も最後までお読みいただ

Photo story No.055 深まりし秋色

今朝8時の気温が3.2℃だった猿払。外に出た瞬間「さむっ」と思わず声が出るほど。気づけば足早に秋が過ぎて冬へ片足を踏み込んだかのよう。これを見越したかのように、すでに自動車のタイヤを冬用に交換する人も。日に日に冬が近づいてくることを実感する季節となった。 雨上がりの午後、郵便局に用事があったので、昼休みに車で向かうと道中のあちらこちらで色づく木々を発見。赤から、黄色から、オレンジから鮮やかだ。雨上がりという事も相まって、一面渋い色合いが広がっていた。お腹もすいていたし、普段