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HARF Project 5/2稽古備忘録

ということで僕の稽古2回目でした。今回はのぶさんがお休みだったのでのびのび責任感を持って稽古に臨みました。ちょっとふざけちゃいましたがやっぱりのぶさんの稽古と乖離するとよくないのでその辺はよく考えてやりたいなと思ってます。

今回のテーマも前回同様「影響を受け、影響を与える」ということなんですが、一歩進めて「私とあなたの間に生まれるものを大切にする」ことに重きをおきました。
演劇でも日常でも、なにかうまくいかなくなるとつい自分のなかに入って自分だけでなんとかしようとしたり、自分だけで何かをひねり出そうとしてしまいがちですが、我々は何においても完全にひとりでやるってことはまず無いんですよね。その仕事そのものはひとりであっても関わってくれる人はいるし、社会で生きていたら他者のとのつながりはどうあがいても切れない。私ひとりではなく、「私とあなた」というふたりだから生み出せるもの、ふたりの間で生まれるものに注目してみよう、ということです。

ウォーミングアップ① ボックス

前回同様なのであんまり書くことないんですが、これゆくゆくは参加者のみなさんもセトリを考えてきたらいいんじゃないかと思いました。その方がいろんな曲が出てきて面白そう。

ウォーミングアップ② ポイホイ

今回は僕も参加。1分×3回の全力ポイホイは本当にキツイ。ぜーぜーいいながらやりました。やっぱり相手によって感覚が変わるのが面白く、そしてしんどくなるとつい自分のなかに入りそうになるので、この稽古はやはりすごく良いなと再確認しました。

ウォーミングアップ③ 赤いリンゴ・黒いリンゴ

これにも参加。いやーしんどい。このトレーニングは自分が逃げた瞬間がすごくよくわかるんですよね。手近にある単語をこれでいいやって出しちゃった時とか、単語を出せずにいるときに「ああ今自分休んでるな」とかね。
あと舞台本番での意識を鍛えるためにもいいトレーニングで、自分の番が終わるとちょっと休んじゃう自分を体感できる。セリフを言っていない時でも舞台上にいるんだからずっとエネルギーは保ち続ける、という基本的な感覚を養えますね。

トレーニング① ナンバーライン

前回もやったトレーニング。ウォーミングアップの続きのような感覚で。失敗した時や間違えた時につい失敗したことをアピールしてしまいたくなるけど、そこをぐっと我慢してエネルギーを保つ。崩れた時こそしっかりエネルギーを出す。

トレーニング② 「ねえ、なに、ねえ、いいよ」

A:ねえ
B:なに
A:ねえ
B:いいよ

ふたりで向かい合って立ち、エネルギーを出していっしょになる。そこで音楽をかけるので、音楽のイメージをもらってふたりの間で生まれたものを上のセリフに載せて会話する。上の4つのセリフが終わったら自由に会話を続ける。
ふたりの間に生まれるものを信じてそれをシーンに変えるトレーニング。なにかイメージが湧いたとしても、それを信じで表現するのは難しい。どうしても頭で考えてしまったり、正解を探してしまったりする。それにイメージが湧いたとしても表現しようか躊躇しているとすぐにタイミングを逃してしまうので、相手を信頼して勇気をもって出すことが大切。

このトレーニングは面白くて、見ている人の方が多くのイメージを得られるんですよね。お客さんの方が自由に想像力を働かせられている。普段ならできることが舞台に立つとできなくなってしまうことってたくさんあるんですが、この辺もそうだと思います。お客さんの想像力に負けないように、舞台に立っていても自分の感性を自由にさせておかなくちゃいけない。そのためには、とにかくエネルギーを出していっしょになり、相手のために表現する。それだけを意識することが大切です。

トレーニング③ 自由ボックス

天然工房Nシステムの基本稽古。音楽のなかで自由にボックスを踏む。お互いに影響を与え合い受け合いながら、バラバラでもいっしょにボックスを踏む。
自由ってなんだろう?とか、何を表現すればいいんだろう?ってつい考えてしまいがちだし、相手の意図を考えすぎて自分の足が出なくなってしまったりする。単純な稽古だからこそ思考の袋小路に入ってしまいがちだけど、結局はエネルギーを出すことが何よりも大切なことで、いつでもその家に帰れるようになるためにのぶさんも僕も口を酸っぱくして「エネルギーを出す、いっしょになる、相手のために」と繰り返しています。

ということで2回目も楽しく稽古できたと思います。「エネルギーを出すことがなにより大切」ってなかなかわかりづらいことだと思うんですよね。僕とかのぶさんは舞台に立った経験から身に染みてわかっていることなんだけど、稽古でそれを体感するのは大変。でもみなさんどんどんエネルギー出てきてるから、残りの期間でたくさん試して、たくさん失敗して、たくさん笑って、舞台の上で生きる感覚をつかんでもらいたいなと思います!

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