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全体最適のためには「リフレーミング」を促進する

会社や集団が行き詰まった時は「リフレーミング」、つまり全体を作っている枠を取り外して作り直します。

カメラのレンズのようにズームイン・ズームアウトで構図を決めるイメージを持つと、全体像がよく見えて変化が起こりだします。

今日のブログはリフレーミングのイメージの共有と実践のコツ、そしてうまくできない人のための対処法を考えてみました。  

部分だけ良くなっても全体は良くならない、ということは、会社や集団でみんなうすうすわかっていることだと思います。

自分の事務作業が効率的に早くなった! プレゼンが上手く行った! 加工の技術がアップした! 成約率がアップした! それぞれ素晴らしいことですね。

しかし成約率がアップしても、商品が完成していなかったら売れません。 事務作業が早くなっても、お客様に直接は価値は生んでいません。 一生懸命作っても、売ってきてくれる人がいないと給料は上がりません。

一つ一つの足し算ではなくて、掛け算で有機的にいいことがつながって、チームの好循環が起こって、お客様など集団の外部の人に価値を生み出していく。 これが本来の意味で「改善した」ってことになりますよね。

TOC(制約条件の理論)では、これを「全体最適」と言います。つまり全体を捉えることが大事なのです。

しかし、全体ってどうやったら捉えられるんでしょうか? そもそも全体って何なんでしょうか?

それを知るには、カメラと同じように「ズーム」のイメージを持てばいいと思います。  


見えている全体で行動は変わる


例えば、これは2013年のイギリス旅行で私が撮った白亜の海岸「セブン・シスターズ」の風景。いや〜、素晴らしい風景でした。

それを、ズームアウトとして、立っている位置からの全景が見えるように撮ったのがこれ。

人間の視線では見えない広範囲が映る、超広角レンズを使っています。 わたしは、この写真がこれまでの旅行で撮った写真の中でも一番好きなんです。たぶん、こういうふうに世界を見たいってことが表現されているんでしょうね。

よくプロカメラマンが「風景を切り取る」という言葉を使いますが「俺には世界はこんなふうに見えてるんだぜ!」っていう表現なのかも知れませんね😊 これはプロの話をお聞きしたいです。

一方、ズームアウトしすぎるとココロ動くポイントが全く見えませんね。これ以上遠景ががムリだったので、写真を小さくしてみましたが、セブンシスターズの魅力が見えません。

特徴が見えない、ウリが見えない、個性が見えないってなると「引きすぎ」ってことになるのでしょう。

そういう意味では、全体最適はズームアウト、ズームインというフレーミング、構図づくりと同じかも知れませんね。  

さて、このズームの使い方一つでは、自分の行動すら変わってくることがあります。

何とかお伝えしたいのですがいい写真がないので、自分の下手くそな絵を描いてみました!

これは、私が小学校の頃からノートに落書きしていた「たいくつ」。まあまあ力抜けるでしょ😊 しかしこれをズームアウトしてみると。。。

おお、たいくつ君は小魚を食べようとしていたのですね! じつは退屈じゃなくて仕事中? さらにズームアウトしてみると。。。

おお!たいくつ君が危ない!

多分、あなたがたいくつ君に語りかけるとしたら😊 1,2,3でかける言葉は変わっていたでしょう。

1.「お間抜けだね。」
2.「おお、君も仕事してるんだね〜。頑張って!」
3.「危ない!」

でも、全体の状況はたった1つ。みんな同じ状況なんです。見る全体が変わっただけです。 「部分」の切り取り方が変わると、こんなにもやることが違ってくるんですね。

このように枠組を変えて物事を捉えることは、心理学では「リフレーミング」と呼ばれます。

よく「コップに半分しか水が入っていない」と捉えるか、「コップには半分も水が入っている」と捉えるか、と言われる視点です。

ズームイン・ズームアウトのリフレーミングのイメージを持てると、全体最適がやりやすくなってきます。

そもそもどんな全体像を見て今の考えや行動になっているのか? 全体像が変わると、今まで使っていたルールや評価が全部無効になってしまうので、これを考え直すこともできます。

これがTOCの書籍にもある「チェンジ・ザ・ルール!」ですね(2023年ではザ・ゴール3)。


「何かうまく行かない時は、全体が間違っている。」

ズームイン・ズームアウトのイメージを採り入れて、全体の解像度を上げてみませんか?


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