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柴犬ゆずの日記 2020.04.25 みんなのあいだ

最近はずっと家に居るご主人が、毎日散歩してくれるから嬉しいわ。

今日もええ天気やから、いつも人がおらん穴場の丘に連れて行ってくれたわ。

「ご主人、最近空が青いね〜。」
「僕の友達もみんな、空が綺麗になったって言うてるわ。」

「世界中、みんな綺麗になってるみたいやね。」
「ほんまやな。。。昔おったニュージーランドの真っ青な空を思い出すわ。」

「私がまだ生まれてない頃やね。ご主人、あっちでも仕事しとったん?」
「一応、会社作っとたんやで。Beyond the Border って名前やったわ。」

「なんていう意味?」
「境界を越えるって意味やな。」

「境界って何なん? どこにあるのん?」
「そやな〜。。。国境っていうのがあるんやけど。。。」

「ゆずに言われてみたら、そんなんないかも知れへんな。」

ご主人は黙って空を見て、奥さんとしばらく歩いとったわ。


ほんで、陽当たりのええ芝生に座り込んでん。ご主人はポテトチップ食べ始めた。

「ぼくらは空でつながっている、って言った友達がおるねん。」

落ち着いたら、またご主人が話しはじめたわ。

「ええ言葉やね〜。」

「つながってるってええな。僕とゆずもやな。」
「にんげんと犬でもこうやって分かり合えるもんね。」

「ゆずはよく、にんげんって言葉を使うやろ。」
「うん。」

「にんげんって、ひとのあいだって書くんや。」
「へー、そうなんや。何であいだっていう字になったん?」

「僕もようわからんけど、人と人とのあいだ、つながりが大事なんやろな。」

ゆずにも何となくわかる。

わたしとご夫婦も、つながって助け合ってるから生きられるもんね。わたし一頭だけでは生きられへんもん。

「空は、みんなのあいだやな〜。」

ご主人はまた空を見上げて言いはったわ。

みんな空を見上げて話してたら、わたしがわからんかった「境界」とかいうのも、いらんのかも知れへんね。

わたしはご夫婦とこの綺麗な空があれば十分。また連れてきてね。

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