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大学で音楽に挫折する音大生に欠けているたった一つのこと

するヴィオリストの、のざわです。初投稿になります!東京藝術大学同大学院を卒業し、演奏活動を続けながらスイスに留学しています。

これからヴァイオリン・ヴィオラを真剣に学んでいきたい人たちのための様々な情報を発信していきます。どうぞよろしくお願い致します!

今回は大学4年間で音楽に挫折する音大生に欠けているたった一つのことについて話します。

この記事を読むことであなたは、挫折という言葉とは無縁の充実した音大生活が必ず送れるようになります。たった一つだけ、意識をして日々の練習を行うことで大学4年間の質を劇的に上げることができます。それは自分専攻しているものだけでなく、生活全てに関わってきます。私が実体験を踏まえてお話しします!

音大生にとって大学での4年間はその後の人生を大きく左右する貴重な時間です。その4年間で何を積み上げたかで音楽家としての価値が決まり、その価値で職が決まり、所得までが決まってきてしまいます。大学院に進む予定の人でも、たった2年でその差を埋めるのは至難の技です。

しかし中には自分の勉強している楽器や音楽そのものに挫折し、その貴重な4年間を無駄にしてしまう人たちもいます。なんとなくやる気が出ない、そう思いながらダラダラとただ過ごしてしまい、4年が過ぎてから自分が何もできていなかった、大切な時間を無駄にしてしまっていたことに気づくんです。怖いですよね。。

私も音楽に挫折し大学4年間を無駄にしてしまった音大生の一人です。

東京藝術大学東京藝術大学にヴァイオリンで入学したものの、思うようにいかずにやるべきことから逃げ続け、気がついたら4年が過ぎ去っていました。同級生が華々しい結果を残していく中で、何もできずにただ時間を無駄にしてしまったと気づいた時の悔しさは今でも忘れられません。

幸い私にはヴィオラという別の選択肢がありました。同大学院でヴィオラに転科してからはヴァイオリン時代とは180度変わって、とても充実した大学生活を送ることができ、卒業時には大学院アカンサス賞を受賞することができたんです。(東京藝術大学には「首席卒業」というものがありません。代わりにアカンサス賞が優秀な生徒に贈られます。)

何が違ったんだろう....考えました私。そして気づきました私。

一つだけ、変わったことがあったんです。(楽器以外に笑)それが....

『練習することが上達するための練習をする。』

は???と思った人、待って!待ってください!これ本当に大事なんです!普段私たちは一つの曲を弾けるようになるために練習をしますよね。それが積み重なってうまくなっていく...と通常思っている人が多いのですが、実はとっても非効率的で挫折してしまいやすい、危険な上達法なんです。なぜならただ目の前の曲をこなすだけでは、その場しのぎのテクニックしか得られないだけでなく、音楽家にとって一番大事な「自分を向上させる能力」がいつまでたってもが得られないからです。だから練習すること自体がうまくなることを頭に入れておかなければいけません。常に私たちは「どうやって練習すれば効率よくうまくなるだろう?」ということを曲を仕上げること以上に考える必要があります。

ただ曲をこなすだけの方法は、例えるなら目的地までひたすら徒歩で歩いていくようなものです。確かに目的地には少しずつですが近づきます。しかしその速度はいつまでも変わりません。目的地はいつまでたっても見えないでしょう。そうしてやがて挫折してしまいます。

では一方、練習すること自体を上達させていった場合はどうでしょう。こちらも最初のスピードは前者と同じです。もしかしたら最初は前者より遅れるかもしれません。しかし目的地へと進むスピードだんだん上がってきます。目的地へ進むスピードが上がることで、あなたは確実に前進しているという充実感を得られるはずです。それがモチベーションになりそのエネルギーでさらにスピードは上がり続けます。このスピードの差が、楽器の上手い人と下手な人を決めていると思っても過言ではないと思います。

このスピードとモチベーションが相乗効果で上がり続けるサイクルに入ってしまえば、あなたの音楽生活は日々発見と進歩に満ちた、この上なく充実したものになっているはずです。そうすればオイシイ演奏の機会も倍増するでしょうし、そうした中で自分のペースを守りながら友達とうまく付き合っていくこともできてきます。

ここが一番大事なところなのですが、つまり自分にとって一番の先生は自分であるべきなんです。練習がうまくなるとはそういうことです。レッスンの後、「毎日先生が横にいてくれたらうまくなるんだろうな」なんて思ったことありません?たくさん練習しても結果が得られずに挫折してしまう人は、自分自身が自分の良き先生に慣れていないということです。大学を卒業してしまえば、あなたに先生はいません。良い音楽家を目指すなら、大学生のうちに一人で自分を高めることができるようになっておく必要があると私は思います。

しかしどのような練習法が効果的かは、まさに十人十色。人によって全く違いますから、自分で見つけていくしかありません。なので今回は練習を上達させるきっかけが掴むことができる練習法をシェアします!(ヴァイオリンとヴィオラのものですが、管楽器にも応用できると思います。)

方法はいたってシンプル、普段勉強している曲をゆっくり弾くだけなのですが、特別なルールをいくつか設けます。

1. 左指が指板に触れるとき、決して音を立てない。

2. デタッシェで音が変わる際、弓を返すタイミングと左指が指板に触れるタイミングを必ずぴったり合わせる。

3. スラーがかかっている場合、左各指が指板に触れたときの弓の位置を常に把握し、コントロールする。

この3つを意識して、本当にゆっっっっくり練習してください。最初はルール1の指板に全く音を立てずに指を置くことだけでも難しいはずです。。

この練習では、自分の身体の細かい動きに集中してそれを極限まで把握する力をつけることができます。自分の細かい動きを把握しようとすることに慣れれば自分の演奏から気がつくことが今までの何倍も出てくると思います。その気づきがやがて自分なりの上達法や演奏技術を生み出します。やみくもに仕上げた曲数ではなく、こういったものを積み重ねていく日々は私に言わせれば、最高に充実していて、おもしろい音大生ライフです。その先にはきっと輝いた音楽家としての道が続いているはずです。


いかがでしたか?少しでもお役に立てれば嬉しいです!これからもちょくちょく投稿して行こうと思っています。是非是非フォローよろしくお願い致します!


では、あなたも私も、頑張っていきましょう!でしたでした!



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