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色褪せてついに穴あくくつしたに 感謝をのべて端に寄せおく
知っている「なんでもない」と言う君の 眼は私を見ていないこと
嘘つきが吐いた煙が空中に 散っていくのを見る六畳間
春過ぎて出逢い別れはタイミング 玄関前ではずす合鍵
近道をすればするほど遠ざかる ものはなにかと問われてみれば
「またいつか」手を振る君にほほえんで 振り返そうとしてはみたけど
寝て起きて食って働き夜がきて もてあましてる生きてる時間
いつもより音量一つ二つ上げ 雪崩れ込む音刻む前進
美しい言葉を借りてあてはめる なぞる稜線だれかの轍 ・ 靄に手を突っ込んでみて本当の ことだけ掴み引っこ抜きたい ・ 繰り返す有限回の組み合わせ 地平に在ると思い詠わん
ぶつくさと文句を垂れる6歳児 二戦完勝泣けや喚けや
25時荒れるリズムも愛してるぜ 止まらぬ獅子よまあ寝とけって
カンザシを差してしゅるりら残り香に 求むアイロニあゝ夏の虫
十六夜に懺悔したって無責任 ならば情すら彼方へ消えろ
片手間に叩き潰した羽虫にも 五分の魂だからどうした