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こぼれ落ちてしまったあなたと過ごした日々。確証などどこにも存在しないのに、理想の未来に耽ってなおざりになった今。懸命に求めるほどに離れていくあなたとの距離を懐かしむ。もう触れられない温もりは、追憶の向こう側。 詩集『追憶』
こんにちは いい天気ですね 気づいたら微笑んでいた そんなひとことで心がほぐれる
もう大丈夫 痛くはないよ 寄せては返す波のリズム 他愛もないことさえ愛おしいんだ 波打ち際で揺蕩って
ガラクタばかり拾い集める日々に飽き飽き 遺されたメッセージが導いてくれる 雲海の切れ間か彗星の瞬きか 私だけの宝物が見つかるって信じてる
ドアを後ろ手に閉めて 突き刺す冷気に目が冴える
あったかい方がいいからって言ってた君に かっこいいよ 似合ってる とか ちょっと見ないうちに大人びた はにかむ君は一歩遠く
編み物が好きな君に ねだった手編みのマフラー ベタでも重くてもいいんだ いつでも近くに想えるから
初めて連れていったバーの隅 僕が勧めたグラスホッパー 怖くないから飲んでごらん 跳ねる横顔を眺めていた
言葉なんて過ぎれば嘘になる 身体なんて朽ちたらお仕舞い 意味なんて初めから何も無い どうだっていい 快だけが解だ
内容は何だっていいんだ 僕が喋る 君が笑う たまに君が喋る 僕も笑う そうやって同じ時を過ごしたね
変わる環境 駒を進める 子供ではいられない 飲み込めない 虚ろな夜 欠けた心に符合する 視界の端 月にため息 贅沢だって言うのかい 愛しい人 あなたの声さえ 反響して回る回る
銃を構えて正義のために戦った 路面電車で細ささやかな昔話を聞いた あったかもしれない世界 彼女が教えてくれた可能性
週末は君のお家で一緒に晩ごはん レシピを調べてスーパーで買い物 うまく詰められない日もあるさ お腹空いたから早く帰ろう