震災遺構 双葉警察署 双葉31号車

2011年3月11日の東日本大震災の津波で被害を受けて原型をとどめられないほどに姿が変わってしまった一台のパトカー。
平成26年の12月に開かれた富岡町の定例会議で宮本皓一町長によって仏浜地区に残されることが決定されました。

このパトカーは現在、福島県双葉郡にある双葉警察署内にて保管されています。
当時パトカーに乗車していたのは増子洋一警視(震災当時41歳)と、佐藤雄太警部補(震災当時24歳)の二人の警察官で、住民の避難誘導中にパトカーと共に津波に襲われたとみられています。

増子警視と佐藤警部補は地震発生後、避難誘導の為、このパトカーに乗車して行っており、富岡町仏浜地区を走って必死に避難の呼びかけをしていた時に津波にパトカー毎呑み込まれれたそうです。
震災後1か月ほどして、陸地より30Km以上も離れた沖合で、増子警視の遺体が発見されていますが、佐藤警部補は現在も行方不明のままです。
自然の猛威になすすべなく、多くの人々が人生を大きく変える事となってしまいました。
現在でもまだまだ復興の途中であり、中には手つかずの地区も多く残されています。

津波が押し迫って緊迫している中、警察官としての使命感と勇気ある行動によって多くの住民を守るために、自らの命をも顧みずに職務を全うした人たちがいたということを忘れてはいけないと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?