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SF少年だったカズおじいが語る現代物理学(ビッグバン)

ところであなたはビッグバンって知ってますか?
138億年前に宇宙の始まりがあって、それがビッグバンです。こんな話をきっと聞いたことあるでしょう。
そう宇宙の始まりです。この世です。あの世ではなくこの世の始まりです。

20世紀前半まで、「宇宙には始まりがある」という考えの天文学者は皆無でした。それが長い論争の末、20世紀半ばにはビッグバン理論(つまり定常ではなく膨張宇宙論)が、多数派を占めるようになっていました。

1922年にソ連天文学者・フリードマンが膨張宇宙のモデルを発表。
1927年にはルメートルがアインシュタインの一般相対性理論から、宇宙は「爆発」で生まれた説を提唱。
1929年にハッブルが、遠方銀河の赤方偏移の発見をしています。
この頃ガモフは、ルメートルが提唱したビッグバン理論を発展させ、大衆向けに科学や宇宙論の本を書き、子供たちに影響を与えています。ぼくも子供の頃、「ガモフの宇宙論」は夢中になって読んでいました。

宇宙は最初小さい風船のようなもので、それが膨張したと喩えましたが、実は桁違いに小さかった。これを忘れないでください。
現在、数百億光年の規模をもつ宇宙が、限りなくゼロから生まれた、その事象は人間には理解できません。
でも、現代宇宙論とは、そういう話なんです。

138億年前から膨張を始めたのだから、最速で膨張したとしても、現在の宇宙の半径は138億光年だ、と思うかも知れません。(この宇宙での最高速度は光速です)
でもとあるデータで現在宇宙の半径は、約457億光年だといわれています。
空間自体が膨張するのは、光速をオーバーしてもOK。実体が移動する速度の制限が光速です。

つまり膨張したその空間は、光速で追っても二度と出会えない空間なのです。
光よりも速く遠ざかっている領域なのですから。
この話し方も素人には、キツネにつままれてポカンとします。
何度も言いますが、現代宇宙論とは、そういう話なんです。

ところでビッグバンは、何処で起こったのでしょう?
専門家の答えは、「何処ではなく何処でも」なんて答え方です。「はぐらかし」に聞こえますよね。
でも一般的に、彼らはそう答えてます。

そして話を続けます。何もないゼロの場所に、ポンっと「それ」が生まれました。
「それ」が生まれたり消えたりする場所、いままで「無/ゼロ」と呼んでいた場所が「空間」だと彼らは言います。そ~です、宇宙は無から生まれました。大きさは10のマイナス35乗mm。

以前YouTube動画で「**大学・宇宙物理学講座」を見てました。講座が終わり質疑応答のコーナーで、とあるご老人が「膨張は分かった。それでもそれは地球から見てどっち方向で起こったんだ?」と
一所懸命に質問されてました。分かる、分かる、ですよね。納得がいかない。
ビッグバンは、宇宙の何処かで起きた訳ではありません。だって宇宙はまだ無かったのですから。
ほとんど大きさを持たない小さな風船の宇宙は、全体が膨張していまの宇宙になりました。

小さすぎた「それ」は、まだ何も含んでいません。あるのはエネルギーだけです。その高温高密度状態の塊は、生まれてすぐにとんでもない膨張を起こします。それがビッグバンです。
そして現在、「それ」は宇宙と呼ばれています。

宇宙を観測すると「宇宙背景放射」という事象が確認されています。
地球からどの方向を見ても観測される、そのマイクロ波は黒体放射のスペクトルと完全に一致しており、初期の米粒風船宇宙が10のマイナス35乗mm大の「そういう存在」だと示しています。
1960年代に宇宙背景放射が発見・観測・研究され、ビッグバン理論の確かな証拠と考えられるようになりました。

この現代宇宙論、あなたは納得できるでしょうか。
「信じるか信じないかは、あなた次第です」……。

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