【今日の言葉】 弾力性 No.3036
人間が独りの精神的偉人に出逢って、
自分の今日まで持ち切った一切を投げ出して帰依尊敬するということは、
まことに容易ならざる生命の弾力を要することです。
このように自己の一切を投げ出しうる人は、
その空所へ、その卓越した人の持っている一切を呼吸するだけの
大いなる生命の吸収力を持っているわけであります。
森 信三
『続・修身教授録』からの教えです。
森先生は尊敬する芦田恵之助先生をしてこのように表現されていました。
芦田先生は四十歳を超えてから師匠となる岡田虎二郎先生に出会い、自らの使命に気づかれ、
日本全国小学校の教壇行脚に出られ、見知らぬ子どもたちに国語の授業をされて行ったそうです。
そこには一人の落ちこぼれも出さないように手間を掛けられる慈愛の精神が満ち溢れていたとのこと。
それを開始されたのが五十三歳の時。
志を貫くのに年齢は関係ないのですね。
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