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遠恋の彼女に別れを告げられて2日が経つ。 そのことを考えないように24時間YouTube、ラジオ、本に没頭する。 それでもそれらが及ばないお風呂や夢の中では、彼女が今まで通りの笑顔で僕に寄り添ってくるのだ。 今まで幸せを感じていたものが苦痛になることがある。 そんな経験はこれまでなかったため、不思議に感じる。 胸に詰まる苦しさを吐き出すように溜息を出す。 周りへのアピールでしかないと思っていた溜息は、人間を、特に今の僕を助けるありがたい機能だった。 彼女とはちょうど3年と半
髪を切った。 襟足が鬱陶しかったから切りに行った。 美容師さんは2年前から同じ人。 去年から梅田の美容室に移動したから通いやすくなった。 前に髪を切ったのは12月半ば。 その美容師さんに彼女候補の女性ができたそうだった。 その話題も気になっていたから伸びた襟足と心を躍らせながら向かった。 私の方から「例の女性とはどうなりましたか?」と聞くのはリスキーである。 なんとか引き出さねばならぬ。 初めのテーマはバレンタイン。 「チョコは好きですか?」「何返すのが正