繊維業界の「私が作りました」が見えると、ものの扱いが変わると確信した話
はじめまして。
レインボー株式会社の伊藤です。
レインボー株式会社って何やってる会社なの?という声が聞こえてきそうなのでレインボー株式会社の紹介からします。
私が働いているレインボー株式会社は、かすり染色という特殊な糸染めを専門で行っている染色屋です。かすり染色を一言でいうと社名の通り、糸に虹を描くような加工です。これを専門で行っています。よろしくお願いします。
今回、ゴールデンウィークに入る前に、ジャパンウールプロジェクトさんのひつじ牧場視察ツアーに、ひつじサミットのメンバー5人で参加してきました。
ジャパンウールプロジェクトさんは、日本国内産の羊毛の大半が未利用となっている現状を、しっかりと国産ウールとして活用できるようにするという活動をされています。
その一環で私たちのように原毛を加工して製品にすることに携わる人と、羊飼いの皆さんを繋げるということも行っています。
どんなことをしてきたのかというと、朝からひつじの毛刈りを見せてもらって解説していただいた後に、ひつじ料理を食べ、羊飼いの方や羊毛を扱う我々側の人の話を聞いて交流してきました。
まさにひつじづくし。
食べたり、飼ったり、売ったりと様々な視点でひつじという動物を見ることで、私たちの仕事とのつながりや、これまでの見え方が変わった牧場視察ツアーだと感じました。
私が羊に関わるといえば、ウールのものを買って着る、ウールの糸を染める、ウール素材で商品の企画をする、あとは食べることくらいです。
ウールという素材は扱いにくいとか、ここのお店の羊肉はおいしいとか思うだけで、今回ツアーに参加してひつじやひつじ飼いの皆さんと会うまでは、深く考えずにひつじに関わっていたと感じます。
昔から言われているように、100回話を聞くより、1回現場を見に行く方が圧倒的に得るもの、気づくことが多いです。
頭ではだれかが原毛を作っているからウール素材でものを作れるとわかっていても、実際は上に書いている通り、あまり深く考えることなく使っていました。
今回のひつじ牧場視察ツアーでは、実際に生産現場を見て、羊飼いの皆さんには、原毛を刈る前の段階からいろいろなことに気を使っていただいていることに気づきました。
その後で様々な工程を経て、私の会社に到着する頃には糸になっているものがウールというつながりが見えたことで、もっと大切に染めようとか、もっと企画で使おうとか思うようになりました。
使い手と作り手を繋げる、ひつじサミット尾州のオープンファクトリーにも通ずる部分があるはず。
しっかりとゲストの皆さんに自分たちのやっていることを伝えて「私が作りました」というところをお見せすることができれば、皆さんが着るものの扱いが変わったり、選択肢として自分たちが作ったものが選ばれるのかなと思えた牧場視察ツアーでした。
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