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半年の育休中に得た家族共通の価値観

地味PM Advent Calendar 2022 11日目のエントリーです。

同僚の永嶋さんからお声がけをいただいて筆を取っていますが、なんとこの半年は全くPM業務をしていません。第二子育休で12月に復帰してまだ1週間、PMについて書くことがマジでない… w
ということで、逆張りで「PMが半年間休んだら何をして何を得たのか」について書こうと思います。これから育休を取られる地味PMの方向けです。

僕は誰なのか

33歳、奥さんと4歳長男、0歳長女の4人家族です。静岡県三島市に住みながら、STORESでプロダクトマネージャーをしています。詳しくはこちらに書きました。
https://note.com/takumi/n/ncbccdf6125bd

なぜ育休を半年取ったのか

元々長男のときにも、たまった有給を組み合わせて育児休暇をとっていました。当時は1.5ヶ月程度だったのですが、夫婦だけで育児をする大変さを身に染みて感じ、今回の第二子では3ヶ月にしました。
3ヶ月にすれば、ギリギリ当時やっていたプロジェクトにも復帰できるため仕事への影響を小さくすることができたのです。

しかし結果的には延長して半年間の育休を取得しました。これはシンプルに家族の時間が幸せすぎたことが理由でした。当時の僕のメモにはこうあります。

# なぜ育休を半年に延長したいか?
1. 家庭が心地よい
・家族4人で過ごす毎日が楽しい
・この時間がずっと続けば良いと思えている

2. 3ヶ月で終えると、大変になる未来がある
・子ども2人の様子を奥さん1人で見るのは難しい。車の運転は得意ではなく、周りに頼るのは難しい
・自分がサポートに入ることも増えるため、仕事と家庭のバランスが難しくなる
・これは育休復帰後は向き合わないといけない問題。しかし大変なので、できれば先延ばしにしたい。

3. 担当していたプロジェクトについて
・元々プロジェクトに執着があったことが理由で、3ヶ月としていた
・しかしこの育休期間が想像以上に有意義であり、家族や自分にとって必要な期間だと感じた
・家族の優先度が上がったということであり、担当プロジェクトをやりたくなくなったわけではない
・とはいえ、12月までには流石に代理の方のアサインが必要だと思う。もし仮に代理でどなたかがアサインになってもこの判断に自分の後悔はない

育休を終えた今でもこの自分の意思決定に悔いはありません。そして何よりも、無理を聞いてくださった職場のみなさんには本当にありがたかったです。

育休中は何をしていたのか

では半年も休んで何をしていたのか。さぞかしPMとしてスキルアップしたであろう、積読は全て解消したであろう、英語ペラペラになったでしょう、MBAもいけたでしょう・・と思いきや、何も変わりませんでした。というか、PMについて考えることはほとんど作ろうとしませんでした。

育休は人生の中でも家族と一緒にいることのできる、数少ない時間。ここで家族との時間を最優先にしない理由がないであろうと。スキルアップなど別の目的を詰め込んでしまえば、かえって家族の時間を大切にできなくなる・・とも考えました。

なので、ひたすらに家事・育児に集中。毎日長男と野球したり、ぼーっと子どもたちの顔を見たり、奥さんとじっくり話したり。そんなことをしてたら半年なんてあっという間でした。でもとても幸せな時間でした。

育休中に得たこと

この話を書く前に、僕の奥さんについて書きます。
奥さんとは、学生時代に知り合いもう13年の付き合いになります。お互いに正反対の性格ではあるものの、どこか共通の価値観があり、文字通り人生のパートナーと言える、唯一無二の大切な存在です。

しかし重要な意思決定をするときには、だいたいどちらかが「折れて」決着することが多く、なぜだろう?ということがありました。

それがこの育休中であった、家の購入についての出来事です。
30代家族をもてば家を買う、と生存本能的にあったようで、自然と家を持つことについてお互いが考えるようになっていました。

最初はなんとなく家が欲しいなーというくらいでしたが、徐々に足を使って不動産を巡るうちに、ここだ!という土地を見つけました。総予算はややオーバーするものの、十分に広く利便性も高く、家族が住むイメージが十分につく土地でした。

この土地を買うべきかどうか、奥さんと再三の協議を重ねました。が、決め手に欠けて話はまとまらず。

経験ある方はわかるかもしれませんが、家を買うには多くの要素があります。立地・価格・間取り広さ・日当たり・設備・駐車場・住宅性能・デザイン、などなど・・。全ての要素がうまく作用することはなく、結局何を自分たちが優先したいのか、その判断基準が明確にないと決めることができません。

話し合いの末にようやく、僕たち家族にはこの判断基準となるものがなかった、ということに気がつきます。
家族が1人増えて4人になって、どういう家族になりたいのか。どういう関係性でいたいのか。子どもたちはどう育てたいのか。自分たち親は老後までどうしていきたいのか。

少し頭を使えば、いつものプロダクト開発の場面では考えるようなことを、家庭ではほとんど実践できていないことに愕然としました。一番身近で共通の価値観を持っていると思っていたパートナーと、家族の未来については共有できていなかったのです

目指すのは「ごきげんな家族」

この半年で、世間は大きく変わりました。ロシア・ウクライナ戦争を受けてガソリンの値段は高騰、伴い食料品などが大きく値上がり。人々の給与は上がらない上に、さらにこれから電気料金も値上がりを迎えると聞きます。

そんなおり、「スタグフレーション」という言葉をnoteで知りました。

スタグフレーションは、社会全体がじりじりと貧しくなる現象です。いま生きている多くの人は、いまの暮らしが当たり前で、これからもずっと変わらないだろうと信じています。信じているからこそ、スタグフレーションに気が付かず「何か最近、余裕がないな」と思いながら過ごして、気が付いた時には犠牲になってしまいます。

記事より引用

一個人が抗うことのできないダイナミックなマクロ環境の変化が起きていることを感じました。この状況を鑑みて、これから家族がどうあるべきかを考えると、シンプルに「ごきげんな家族でいよう」という結論に至りました。

これからさらに家計が苦しくなって貧しい思いをするかもしれない。
これから仕事がなくなってしまうかもしれない。
いろんなことを我慢した結果、周りの人にイライラをぶつけてしまうかもしれない。

そういう耐え難い状況になったとしても、家族4人が過ごす時間はごきげんに過ごせるよう、みなで努力しようと。ごきげんでありさえすれば、どんな苦難も乗り越えられる。

家族とこういう話をすると、しっくりくるものがあり、それ以来たびたび「ごきげん」という言葉は我が家に登場するようになりました。それはようやく言語化することができた、家族の価値観そのものでした。

しかし、機嫌よくいるというのは案外に難しいことです。親も子どもも日々多忙な中で、余裕を持って相手に接することができるのは、高度なスキルだなと感じています。だからこそ、努力して目指すものであると思うのです。

最後に

いろいろ書きましたが、時間の過ごし方は千差万別で、この時間を自分のスキルアップに費やすことも非常に重要で、それを否定するものではありません。

僕の場合は、仕事を長期にわたって休んだ結果、とても大事なことを学ばせてもらった時間となり、僕の人生における優先度はだいぶ変わりました。改めてこの機会を快く背中を押してくれた会社の皆さんには感謝したいと思います。

育休を取られる方が素晴らしい時間を過ごせるよう祈っています!

Appendix

育休で心配なことのひとつにキャッシュフローがあると思います。参考までに給付金をシミュレーションできる計算ツールがとても良かったので紹介させてくださいー!





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