見出し画像

1年間コーチングを受けてみた記録

STORES.jpでプロダクトマネージャーをしている @thamamur です。
僕は2019年4月に入社しており、その転職前の1月からコーチングを受けていました。

数えると12回、期間にして約1年。
ちょうど去年Twitterでの募集を見かけてから、今に至るまで多くの学びがあったので、書いてみようと思います。

※ 本記事は  STORES.jp Advent Calendar 2019 - Adventar の5日目の記事です。


そもそもコーチングとは

コーチングの基本によると、

コーチングとは、対話を重ねることを通して、クライアントが目標達成に必要なスキル、知識、考え方を備え、行動することを支援するプロセスである。

とのこと。

よく違いの対象とされるティーチング・カウンセリングでいうと、以下のような違いがあります。

画像1


なぜコーチングを選んだのか

一言に、キャリアの相談相手がほしかったという理由でした。

当時、子どもが11月に生まれ、育児と転職活動、仕事を並行してやるのは大変で、キャリアについて考える余裕もなく悶々とする日々が続いていました。

そんな中でたまたま見つけたコーチングのbosyuに食いつき、なんとなく始めたのがきっかけでした。


受けてみての結果

画像2

コーチングを受けた時期と事象をベースに、やる気の推移を書いてみました。

① 内定承諾
転職活動中もコーチングを受けており、選考の相談に乗ってもらっていました。
これまでは自分について話すことが苦手だったのですが、コーチングを経ていくにつれ、自分がどんな価値観を持っているか、シャープに考えられるようになっていた気がします。

2週間に1回のサイクルで自分のことを誰かに話さなくてはいけない、という機会は、考えをまとめるのに最適でした。


②入社後の不安と焦り
入社後、事業のドメイン知識やPdMの経験不足から不安が大きかったのを覚えています。

そもそもPdMは未経験だったので、ある程度は想像していたものの、かなり頑張らないといかん・・と焦っていました。


③他人との比較で苦しむ
自分がうまくいかないときはどうしても他人ができているところが見えてしまうもので、一番メンタル落ちていた時期でした。

コーチングでは、「自分の得意なことがあるからこそ、提供できる、実現できる価値とは何か?」という問いを得ながら、理想のPdMを目指すのではなく、組織に求められる役割を全うする、というマインドセットに切り替えていきました。


④コーチングの手応え
料金プランの変更という大きなプロジェクトを無事終えることができ、達成感を感じているのがこの頃でした。

コーチングでは「1月の自分が今の自分を見たら、なんて言うと思うか?」という問いから充実感と、次への課題を整理しました。


コーチは答えを教えてくれない、を知る

これまでを振り返ると、コーチが僕の課題に対して「答えを教えてくれたこと」は一度もありませんでした。

期待していたやりとり
僕「数字に強くなりたい」
コーチ「分析ならこの本を読むと良いです。これを読むと数字の見方がわかるようになります」

実際のやりとり
僕「数字に強くなりたい」
コーチ「本当に、数字に強くなる必要がある?
僕「必要ある。目標達成の見立てを作るときに使える」
コーチ「数字よりも大切なもの、あるとしたらなに?
僕「ユーザーのやりたいことをわかっていること。ユーザーが使われるシーンをイメージできること」
コーチ「仮に社長が突然いなくなって経営判断を代わりにやって、と言われたら自分はどういう行動をとる?
僕「イメージができないレベルで困る…。特にビジョンを語りリーダーシップを取ることは社長にしかできない…?(あれ、本当にそうだっけ…)」
コーチ「ここまで話してみてどう?」
僕「自分の課題は数字ではなく、自分の言葉で事業を語れないことにあった...」

結構省いていますが、実際のやりとりはこんな感じです。

結果として課題はさらに大きくなっている(笑)のですが、もっと大きな視点で見たときに、自分が重きをおくべきは「数字」というのはひとつの点でしかなく、その点に固執していた自分に気づくことができました。

この中で僕は解決策を知りたかったのに対し、実際のやりとりでは課題の定義から行われました。このように、コーチは答えを教えてくれることはなく、様々な観点から質問を投げかけてくれます。

不思議なことに、誰かに答えを聞くよりも、自分で導き出した答えの方がしっくりくるんですね。
問いによる壁打ちをしながら、納得の答えが導けるのは楽しく、コーチングが終わった後はすっきりしていることが多かったです。


当然の前提に気づく

コーチングの基本によると、3つの視点に基づいてコーチングは行われます。

1. Possession(身につけるべきもの - スキル・知識)
2. Behavior(行動)
3. Presence(考え方・信念)

Possessionは例えば「理想としている状態に近づくために自分に必要なものはなんですか?」という、目標達成に向けて必要な知識やスキルを問いかけるもので、
Behaviorは「やろうと思っていて実行できていないことは何ですか?」「目標を達成するために今日から出来ることは何ですか?」などのアクションを促す問いかけです。

この中でも僕がグッとくるのはPresenceです。
Presenceによる問いかけは、

・価値観や座右の銘といったものは何でしょうか?
・その価値を大事にしている理由は何でしょうか?
・その価値が大事だと身につけたときと比べて、いま違うことは何でしょうか?
・その価値が仕事で現れているのはどんなときでしょうか?

という価値観や信念に問いかけるもので、サッと答えられる方は少ないのではないでしょうか。

日々仕事する中で、PossessionとBehaviorの問いかけは自然にできているものなのですが、Presenceの、経験の中で蓄積された、判断を下すための価値観はなにか?というのは、かなり自覚が難しいです。

上の例だと、僕は事業のリーダーシップを取るのは社長の役目だと話していました。しかしこれは誰が決めたわけでもなく、自分自身が無意識の前提として決め付けていたものです。

現在の状況に合わせて簡単にPresenceを把握し、選択することができるかというと、そうではありません。 第一に、なかなか自分のPresenceを自覚することは難しいものです。なぜなら、本人にとってそれは当然の前提となっているからです。
コーチングの基本より>


これから

コーチングを受ける側から、する側へ興味が移りつつあります。

自分が受けてきたコーチングを専門書を通じて紐解いていくと、闇雲に問いが投げかけられていたわけではなく、様々な法則やテクニックが使われていたことを知りました。

試しに隔週で弟にコーチをしているのですが、問いの選び方によってクライアントが気づきを得たのかがわかり、面白いです。

これらは次回、コーチをする側として記事を書けたらいいなぁと思っています。

コーチングに興味がある方へ

コーチングに興味があれば、一度受けてみることをお勧めします。
逆に受ける前から向き不向きを判断するのは、体験を想像しづらいので、難しいかもしれません。

最近だと、オンラインやパーソナルコーチングを受けられるサービスも出てきました。もし興味があればぜひ。

僕もまた相談に乗れるかもしれないので、お気軽にご連絡ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?