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【映画感想】LEONは天使を地上に下ろす物語。

マチルダは天使説

ナタリー・ポートマンが演じるマチルダの登場シーン、覚えていらっしゃいますか?


©️Les Films du Dauphin
©️Les Films du Dauphin

この2シーンで、
「地上から足が浮いている状態」を強調するように、
マチルダは登場します。

©️Les Films du Dauphin

顔は花の模様に隠されたまま。

この意味は、まだ現世にきてばっかりだから、
恥ずかしい?のかもしれません。

そして服装はこれです。。


©️Les Films du Dauphin

スケスケの白い衣を羽織っているかのようです。

天使そのものの特徴を多く捉えています。

ちなみにこの白い衣は、物語が進むにつれて変化していきますが、
その変化も物語に大きく影響してくるのです。

またご覧の通り、頭は天使の輪っかができてますし、
ずっとつけてる首輪は、天からの使いっぽい印にも思えてきます。

レオンがマチルダを助けにきたシーン。
二人は抱き合い、このカットに。


©️Les Films du Dauphin

くどいようですが、「この地から浮かんだ感じ」を
どうにか表そうとしているようにも見えます。

また、マチルダを訓練するために、
屋上から公園の人をめがけて、射撃の練習をします。

©️Les Films du Dauphin

他にも強調的に描かれていますが、
冒頭の登場シーンのように、窓から地上を眺めている、
という情景が多く映されています。


©️Les Films du Dauphin

いつも、こういう物憂げな表情で、下界を見下ろしています。

天使が現世を見ているようにも見えるのは、私だけでしょうか?


さらに飛んで、ラストシーンで



©️Les Films du Dauphin

彼女が纏っていた白い衣は、もうありません。
もうその必要はなくなったから。

決定的に汚れたのはこのシーンです。


©️Les Films du Dauphin

クライマックスで、
麻薬取締局が、レオンの隠れ家へ押し入ります。

追い詰められたレオンとマチルダは、
最後の頼みを、通気口へと託します。

子供一人がやっと通れる大きさの穴でした。

「一人で行くのはイヤ!」と別れを惜しみつつも、
マチルダはこの穴を抜けて、「地上」に降り立ちます。

そうすると、
この暗くて狭い穴は、人類みんなが通ってくる
「産道」としても観られるんじゃないでしょうか?

こうして通しで観てみると
マチルダの天使である証拠はたくさんあることが
わかって頂けたのではないでしょうか?

そしてラストのシーンでは


©️Les Films du Dauphin

一緒に産道を通った親友の植物は地上に根を張る。

それを眺める彼女は、汚れた衣を纏って、見送る。
そしてカメラ位置は、天高く舞ってニューヨークの街を俯瞰するカットに切り替わっていく。

まるで、レオンの視点のようにも見えてきます。

なので改めて観てみると、
この物語は、
「レオンが命をかけて天に昇るかわりに
天使を地上に降ろす話」
という解釈も可能なのではないでしょうか?

いずれにしても、
天使がここにいるんだ!思わせてくれるほどの
豊かな表現力、演技力あってこその映画だと思います。

ナタリー・ポートマンはこの映画に出た後も
数々のヒット作に出演していきますが

彼女の地上第一号を飾った映画が、この映画だったというのが
何か不思議な力も感じ得ます。



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