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美味で妙味な読書

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読書って、本当に、いいものですね。僕が味わった、妙味な本の美味しさを書き溜めています。140字で、付箋を貼った箇所を紹介したり、その本の思い出を語ります。たまに長文で深掘りしたも…
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#日記

手前の文庫本の奥はこんな感じです。読み返す頻度が少なかろう列。あっ、「心の社会」は別格。ずっと奥に鎮座本です。いつか読み終える挑戦本です。人工知能の父マーヴィン・ミンスキーが、AIの定義とか、動作するための考え方?心をいかに機械に入力するかを、徹底して突き詰めた本。おすすめです。

たくまる
1か月前
54

「ファンタジーというのは生やさしいものではない。それは逃避どころか、現実への挑戦を意味することさえある」・冒頭から持ってかれます。13作のファンタジーをそれぞれ「たましいの現れ」として深く読み解いていく。「たましい」と密に対話し続けてきた筆者だからこそ汲み取れる心の世界。絶品です

たくまる
3か月前
129

あっ「ジェノサイド」の人だ。100円?買いでしょ。一気読み。自殺した4人の主人公一行は、あの世の狭間で神様に「幽霊として自殺志願者100人を救出すれば天国に行かせてやる」と。緻密に取材された自殺の原因がリアルに踏まえられているし、幽霊ヤクザの活躍が笑えるし泣けるし自分も救われる。

たくまる
3か月前
75

恐ろしく巧い。「死への憧れ」という底抜けの闇みたいなテーマを偶然再会した中学の同級生同士の恋愛に絡めて語る。生命力溢れるリア充との対比が極端すぎて笑いを誘うほどのコメディ要素もあり、切れ味と重厚さ含むサスペンスあり、純文学並みの文章の美しさもあり。全部が鮮やかにまとまっててお見事

たくまる
5か月前
112

西尾維新、今まで本の表紙から食わず嫌いしてました。こんな天才がいたんだあ。相互フォローのnoterさんより紹介されて古本で手に入れた本書はまた妙味な読書体験をくれた。すいすい読み進められるドライブ感と、急にぶつけてくる重厚な言い回し。自由な文体の中でのびのび遊ばされる感覚。すげえ

たくまる
5か月前
91

あの開高健がSF!?と思って買ったけど全然違った。むしろ最高。大蔵官僚が予算を使い切るために全国の美味いものを食べ尽くすグルメ紀行小説でした。地方に隠れる生産者の美味への狂気的な追求を圧倒的な描写力でお届け。全体が巨大な風刺にもなっていてラストのタイトル回収がまた絶品。職人芸だ。

たくまる
5か月前
110

元旦の鉄板はブックオフ。全品20%オフは至高。開店15分前に到着も同志達が列を作っていた。そう、年末に大量の本が買い取られた為この日は1年で最も充実した品揃えが期待できるのだ。見逃す手はない。文庫新書を吟味して今日のところは引き上げる。収穫はこちら。節約というより多読を望むのだ

六人の男が同じ日に同じ夢を見た。12歳から62歳まで10個ずつ歳を隔てた六人が主人公。他は〇〇の父という風に間柄で書かれていて、全員の家族の目を通して日本の現代史を世代毎にリアルに体感できる。すげえ。戦前、戦後、学生運動、高度成長、バブル、オウム、震災。巨大な何かが見えた気がする

たくまる
7か月前
80

仏様と自分はすでにとっくに一緒なんだ。即身成仏。難解な空海の思想をあまり気張らずに深く味わいながらおさらいするのに重宝してる本です。「私が密教に魅かれるのは世界の差異というものに好意的だからである」著者のこの言葉に超共感。「密教は精神の一元論で世界を塗り潰すことをしない」現世最高

たくまる
7か月前
74

空海が関西弁で語ってくれたらこんな感じと思って超訳しました③

難しい空海の言葉でも 関西弁に訳してみたら すっと入ってくる。 ありがたいことに 前回、前…

たくまる
8か月前
164

空海の言葉を関西弁で超訳するのでご一緒にどうぞ。②

空海の言葉を本で読むと 内側に響くお大師様の声は 僕には関西弁で聞こえてくるのです。 この…

たくまる
8か月前
216

空海の言葉を関西弁超訳してみたら、いろいろ見えてきた。

高野山に1年ほど住んでいました。 空海が1200年ほど前に開かれた この密教の修行の場を体感し…

たくまる
8か月前
379

僕を読書に沼らせたきっかけの本です。大学1年、憲法のことがさっぱりわからなくて入門書的なのを片っ端から開くけど、つまんなくてうんざりしてたところ、この本だけは特上に面白くて時を忘れた図書館の窓辺を思い出す。新品で買って付箋を貼ったのは「デモクラシーは優曇華の花」。学問が始まった!

たくまる
7か月前
79

篠田節子の小説が面白すぎて、noteを1ヶ月ほど休んでいました。

篠田節子が好きです。 素晴らしい小説の文章に心地よく浸っていると 自分の書く文章がなんだかひどく拙く思えてきて、 書くことから少し距離を置いていました。 プロの小説家と比べるなんておこがましいと感じつつも 小説に綴られる艶やかな美文を目の前にして 一旦、これを味わいながら脳内に埋め尽くしてみて 良い感じのチューニングが起きれば幸いと ここ1ヶ月は ずーっと篠田節子の小説を読み耽っていました。 というか面白すぎて止まらなかったです。 表紙画像の右端「弥勒」から読み始め