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【基準の藍色】藍染めの色見本について

藍の色は、全部で48色あると言われている。
「藍 48色」などで検索してみるといくつか親切なページが出てくる。


ただ、実際の現場の人間が48色染め分けているかというと、不可能ではないだろうが、そうではないのが現状だと思う。

【基準の色】

その代わり、各々が「基準の色」を持っている。
私も基準としている10色(名称8色)を抽出してみた。
しかし、写真によって色の見え方が全く違って見えるので、その点はご了承いただきたい。

藍10色

色の分類で言うならば薄い方から次のように呼んでいる。
(※数字は上部写真の左から数えた時の何番目にあたるか)

1-2 瓶覗(かめのぞき) 
 水縹(みずはなだ)とも言うらしい。

2-3 水浅葱(みずあさぎ) 
 昔の囚人服の色。

3-4 浅葱(あさぎ)
 かつては浅い黄色(浅黄)だったのが、黄色味を帯びた藍も浅黄水色と呼ぶようになり、その後浅葱と水色に分かれたもよう。

4-6 縹(はなだ)
 元々は花田色と呼ばれ、藍ではなく花の青い汁で染めていた。
 藍染めが普及するに伴い縹と変化した。

7 納戸(なんど)
 色名の由来はかつて衣類などを仕舞っていた”納戸”から。
 「納戸の垂幕の色」「納戸の暗がりの色」「この色の衣を納戸にしまっていたから」 など諸説ある。

8 深縹(こきはなだ)
 平安時代に分類された藍染めの中で最も濃い色。
 個人的にも好きな色である。

9 紺(こん)
 中国古来の染色名。
 染め色の代表であったため、染め屋さんのことを「紺屋」と言っていた。

10 褐(かち)
 濃い色に染め上げるために被染物を「搗(か)つ」、搗いたことからと言われている。また、その音が「勝つ」と同音であるため縁起を担いで武具などに用いられた。サッカーの侍ジャパンのユニフォームもおそらく褐色から。
 同じく「勝ち虫」のトンボとセットで用いられたこともしばしば。

※なお、この基本の色味と知識は新卒から働いている綾の手紬染織工房での経験によるものが大きい。その経験値が基準となった色設定である。


この投稿が、藍染めに興味を持った人にとって「このあたりの色がいいな」と言う基準になれば幸いである。

その色をしっかり出すのが私のお仕事。
 

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