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#15 7.26を忘れない

 2020年7月26日にたすくの国立、早稲田のスタッフ、作業療法の実習生と一緒に相模原の津久井やまゆり園に行き、献花をした。

 2016年の7月26日の未明に起きた、相模原障害者殺傷事件はとても衝撃的で、どう考えていいかもわからないことだった。今年の3月に死刑が確定し、4年前の出来事であったがニュースにもかなり取り上げられていた事件だ。

「重度の障害者は生きている意味があるのか」ととらえ、そういった重度の障害者に対して「心失者(しんしつしゃ)」という言葉を用いた植松被告。

 社内では何度も何度もこの津久井やまゆり園について触れたし、一人一人がどういう考えを持っているか、この事件に対して何をしなければならないのか。

RKB毎日放送の神戸金史記者の制作したラジオやVTRも観て、今回の事件に限らず、世の中には様々な「不寛容さ」があることに気がついた。
もっと日々の社会で起きている様々なことに目を向けなければならない。

 そもそも優生思想だとか、重度だから生きている価値がないとか、そういうことではなく、「ダメなものはダメ」

とにかく「ダメなものはダメ」

 うまく言い表せないが、そもそもなんでダメか?とかいう前に、人の命を奪うことがあっていいのか、その権利は誰にあるのか、ということが言いたい。

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 世の中に本来あるべき正しいことを伝えなければならないし、綺麗事かもしれないが、それを思い切って発信することをしないといけない。そうしないと、日々「〜だからしょうがない」「だって〜」のような現実から目を背けてしまうような思考に巻き込まれてしまう。

 こういった事件も、障害者施設が一体どういうところなのかを詳しく知らないと、それに対する感情も出てこないのかもしれない。
 たすくは、新卒のスタッフも多いが、その多くが「発達障がいのあるお子さんのや家族のためならどんなこともやってみたい」と意気込んで入社してくれる。
 そして、実際に利用してくれるメンバーの方々も皆子育てに熱心であるし、スタッフとも常にコミュニケーションをとってくださる。

 しかし、こういった環境の裏に、入所施設のような環境もあることを忘れてはいけない。いまは保護者の方と綿密なコミュニケーションをとることができて、家庭での支援や学校での支援について日々議論をして取り組んで、を繰り返すことができている。

 ある意味この恵まれている環境に対して、事件がおきたような入所施設の実態は知ることができない。

 だからこそ、もっと知ろうとしなければならないし、世の中に当たり前に起こっていることに対して敏感にならないと、自分のなかの「価値観」が磨かれない。

 こういった事件を二度と繰り返さないためにも、これからも学び続けなければならないし、専門的な視点や視野を持つ仲間を増やしていかなければならない。

早期からの専門的な支援者や、実際の支援の不足が生んでいる側面でもあるはずだ。

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