対人援助における転移と逆転移

こんにちは、たくまです。
今日は、対人援助における転移と逆転移について解説していきます。

まずは、転移についてです。
転移とは、いったい何でしょう?
がん細胞が別のところに移ることを転移と言いますが、ここで言う転移はそれとは違います。
対人援助において、援助相手が援助者へ特別な感情を抱いてしまうことを、転移といいます。

私が経験した転移の例を挙げると、デイサービスの同僚が、利用者の方から数万円はするワインをプレゼントされたことがありました。
同僚は女性、利用者は男性です。
おそらく、利用者は同僚のことが好きになってしまったのだと思われます。
その気持ちを伝えるために、ワインをプレゼントしたのです。

転移は誰にでも起こり得ます。
その程度が適切な範囲でおさまってくれればよいのですが、度を超えてしまうと対人援助に支障が出てしまうのです。

先ほどの例なんかは、利用者の強すぎる気持ちが転移きた結果、高価すぎるものをプレゼントするといった、常識から逸脱した行動が起きてしまったと考えられます。

次に、逆転移の解説です。
逆転移は、先ほどの転移の逆になります。
つまり、援助者が援助相手へ特別な感情を抱いてしまうことです。

意図的かどうかにかかわらず、「この人は他の人よりも特別扱いしてしまう」なんてことありませんか?
もしかすると、逆転移が起きてる可能性があります。
転移同様、逆転移もまた誰にでも起こり得るものです。
わたし自身も、過去になぜか気にかかるクライエントが過去にいました。
他の人よりもその人のことをつい意識してしまっていたのです。
先ほどの利用者のように、さすがに高価なものをプレゼントしたりすることはありませんでしたが、自分でも気づかないうちに相手を特別扱いはしていたかもしれません。

転移も逆転移も、そういうことが起き得るということを理解して意識するということが大事です。
「Aさんはわたしに転移している」、「わたしはAさんに逆転移が起きている」というような認識ができていれば、相手や自分の感情に飲み込まれずにすみます。
転移や逆転移を認識しながら相手や自己を理解し、自身の感情をコントロールしていくことは、対人援助において大切なことです。

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