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漢方についてよくある誤解

自分のように漢方について発信をしていて、漢方のことを人に話す機会が多いと、一般の人が漢方について様々な誤解をしている場面によく出逢います。

漢方薬があまり身近じゃないので、これはしょうがないことだと思います。ただ、せっかく漢方を発信している立場にいるので今回はこのよくある誤解を解いていこうかと思います。

漢方薬はすぐに効かない

これは本当によくある誤解です。その人に合った処方が見つかれば、1日、2日で効果を発揮します。例えば漢方薬で有名な葛根湯という薬がありますが、皆さんはこれが何に効く薬か知ってますでしょうか?

そう、風邪の薬です。風邪に効く薬が2週間後に効き始めたらどうでしょうか?遅いですよね?葛根湯を愛用してる人に話を聞けばわかりますが、ほとんどその日のうちに効果が出て次の日には症状がだいぶ楽になっています。

ただ、ある意味この誤解が生まれるには理由があるのかなと思っています。一つは漢方薬はよくハズレるってことと、漢方薬を使う人には慢性病に悩んでいる人が多いことです。

漢方薬は処方がその人に合ってなくて、外れるとまったく効きません。「どんな名医でも1発で当たるのは3割」と言う人もいます。患者さんに「ハズレるけど付き合ってね」と言うと角が立ちます。なので、「ゆっくり効く」と言った人がいたんじゃないかなと思います。

また、アトピー、緑内障などの慢性的な病気に対しては漢方薬は治すのに時間が掛かります。「その病気に悩んだ半分の時間は最低かかる」と言う医師もいます。

そんなところから、「漢方薬はじっくり効く」と言うイメージが広がったんじゃないでしょうか?間違ってはいないんですが、「突発的な症状に対しては漢方薬はすぐに効いてくれる」ということを覚えておいてもらえればと思います。二日酔いに効く処方などもあって便利ですよ。

漢方薬は高い

これは半分あっていて、半分間違っています。このイメージを持っている方はおそらく漢方薬局や自由診療の病院で漢方を処方してもらった方でしょう。

たしかに漢方薬局や自由診療の病院で処方される漢方薬は結構なお値段がします。1ヶ月に2万円以上の価格になってもおかしくありません。なので高いと言うのはある意味あっています。

ただ、漢方薬は実は保健適応で処方できる薬でもあるのです。なので、保健処方で漢方薬を処方する病院にかかれば安く手に入ります。処方によって変動はありますが、大体1週間の処方で1剤¥500になります。漢方薬は2剤処方するのが割と普通なので、1週間¥1,000。1ヶ月だと¥4,000になります。

診療代は初診で約¥2,000。再診で1,000とリーズナブル。そうすると薬代と合わせても1ヶ月¥5,000ほどで漢方薬を使えてしまいます。

他の治療と比べて、けして高いものではありません。

漢方薬は非科学的な薬である

これは非常に多い誤解です。漢方は気血水という独特な東洋的な考え方を使うので余計にそう思われるんでしょう。

たしかに90年より前は「なぜ効くのか?」がよく分かっていなく科学的根拠が薄い薬でした。ただ最近はツムラ、クラシエという2大漢方メーカーが研究に費用を投じており、「漢方薬がなぜ効くのか?」ということが解明されてきています。

その結果、漢方薬は医師にとっても身近な薬になってきており、どんどん病院で処方される薬になってきています。2002年には700万本ほど処方されていたのが、現在ではその約3倍、2000万本ほど処方されています。

医療用漢方製剤129処方の実績推移(ツムラ公式サイトより引用

いまだに医療業界含め、漢方薬への偏見は根強いですが、すでに女性特有の生理に伴う症状、精神科領域のつらい症状などで大きく効果を上げています。これだけ患者さんの支持を受けている漢方薬はこれからもどんどん使われるようになっていくでしょう。

終わりに

今回は漢方薬でよくある様々な誤解に対して答えていきました。

まだまだ誤解が多い薬ですが、この記事をきっかけに深く知ってもらい、漢方薬を使うきっかけになってくれればなぁと思いますね。

また漢方薬についてのネタが思いついたら記事を投稿しますね。お楽しみに!

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