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仏教学研究日記

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研究論文執筆の状況をリアルタイムで書いてる単なる日記です
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記事一覧

高句麗と三論宗

三論宗の日本伝来は625年、高句麗僧慧灌による、というところから 高句麗と三論宗の関係をピッ…

加藤拓雅
2週間前
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珍海已講が語る「三論宗の概要」

と言う事で、珍海已講と平井先生に従って、『大乗玄論』の「義科の次第(テーマの順序)」の解…

加藤拓雅
1か月前

日本三論思想史の流れ?

日本三論思想史みたいな本が無いので、正直五里霧中なんですが❗️ ここ何年か調べて、こんな…

加藤拓雅
1か月前
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吉蔵の『中論』観四諦品 理解について

吉蔵の『中論』観四諦品の解説を読んでた これ↓なんですが 衆因縁生法 我説即是無 亦爲是假名…

加藤拓雅
1か月前

平安時代、真言宗の教学は無かったの?

ここ数年、疑問だった事があるのです 以前ある本で「真言宗の教学は平安時代まったく発展が無…

加藤拓雅
1か月前
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「珍海已講​​『三論玄疏文義要』における法身説法説の受容」の、とても簡単な説明

※この文章は、仏教学の知識が無いけれども、僕の研究に興味を持ってくださった方へ内容を説明…

加藤拓雅
2か月前
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珍海已講の思想

平安時代の三論宗僧侶・珍海已講の思想はどのようなものか。 奥野光賢先生の「禅那院珍海の研究 (序説)」に解説があるので、それを見てみたい 1.典型的な如来蔵思想家、本学思想家 2.「菩提心」の強調 3.すべての善が浄土往生の因となる 以上の3点が挙げられている 1.については「珍海は、道理として一切衆生には本来覚性(=本覚)があり、この性(覚性=本覚)によって必ず解脱を得るのであるが、現実にはこの本覚のみで仏道を成ずるわけではなく、「値善友」「聞法」「発心」などの縁が作

仏教学研究日記・次の研究発表に向けて

珍海関係の論文を網羅する 1月発表の内容を改善する 発表内容を論文にする 大乗義章八識義を読…

加藤拓雅
2か月前

研究発表が終わったので、まとめ

無事に研究発表が終わりましたので まとめがてら、日本仏教の面白さを書きたいと思います! …

加藤拓雅
3か月前
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慧遠『大乗義章』輪読会

平日毎朝7時から『大乗義章』八識義の輪読を行っています。 テキストは国訳一切経 版になりま…

加藤拓雅
3か月前
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三論玄疏文義要目次

三論玄疏文義要第一 一.大意 無得正觀宗 大乘玄義科次第 竝綱要文 敎相 三轉法輪傍正二藏敎…

加藤拓雅
3か月前
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漢訳された『中論』注釈書

東アジアで『中論』注釈で現存するのは吉蔵『中観論疏』(とその注釈である安澄『中観論疏記』…

加藤拓雅
4か月前

三論宗の信を深めるために御縁日に参拝してはいかがでしょうか

御縁日 文殊菩薩・25日 龍樹菩薩・17日 →近くの御寺様でお祀りされていたら、参拝しては…

加藤拓雅
4か月前
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三論宗の珍海は、真言宗の「法身説法」についてどう評価していたのか?

途中経過ですけど、興味あるところだと思いますので、メモっておきます。 法身というのは法(ダルマ)そのものである仏様のことです。 すると、一般的には物理法則のような存在で言葉がありません。 だから、法身は説法しません。 ※菩薩に説法するのは報身仏  一般の人に説法するのが応身仏(歴史上の釈尊含む) しかし、弘法大師は「法身は説法する」と説かれたわけです。 で、三論宗でも平安初期には以上のような理由で否定的だったのですが、平安後期の珍海になるとどうか?というお話しです。