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美人姉妹の弟の苦労8

停学処分を終えて学校に登校すると案の定注目の的になった

教室に入ると一瞬で静寂になり

腫れ物を触るように誰一人として話しかけてこなかった

〇〇(予想してた事だし、まあいいや)

席に着きホームルームが始まるまで机に突っ伏し寝たふりをしよう

??「セーフ!お!出所終わりの〇〇じゃん!」

遅刻ギリギリで入って来た青年が騒がしく〇〇に話しかける

〇〇「雄也、うるせ、空気読めって」

富田雄也、小学校からの幼馴染

雄也「そんな事気にする奴だったか?」

〇〇「周り見てみろ、気まずいだろ」

急に真剣な顔になり大声を張り上げる雄也

雄也「あのな、お前は間違った事やってないよな!人を助けたんだ!そんな奴が申し訳なさそうにいると尚更話しかけにくいだろうが!お前が空気読めや!」

驚いたが雄也の言われた事に納得する

〇〇「ありがとう」

〇〇の堂々とする姿とその言葉を聞き

雄也「良いってことよ!相棒!」

お互い笑顔になる

ひなの「あ、あの、加藤君これ」

〇〇「どうしたの?上村さん、委員長」

クラスメイトで生活係の上村ひなの
学級委員長の高橋未来虹

未来虹「先生が罰として1週間日直やれって」

学級日誌を受け取る

〇〇「そっか、ありがとう、上村さん」

ひなの「う、ううん、全然いいよ」

〇〇「委員長」

未来虹「ん?」

〇〇「ありがとう」

未来虹「なんのありがとう?まあいいけど」

席に戻る2人、雄也と2人のきっかけでいつものクラスの雰囲気に戻る

午前の授業が終わり昼休み

廊下を騒がしく走ってくる

??「〇〇くーん」

〇〇「あ、巨乳先輩!」

雄也「姉さん!?」

??「誰が巨乳じゃあおりゃあー!」

〇〇に向かって体当たりをすると吹っ飛ぶ

〇〇「イタタタ、何するんですか!鈴花さん」

鈴花「心配して来てやったのに開口1発目が悪口だったからだよ、お漏らし小僧」

〇〇「んな!俺は漏らしてないし!今昼飯だし!心配して欲しいなんて俺一言も言ってないですよ!」

鈴花「まあまあ、そんなにピリピリするなって」

〇〇「させてるのは鈴花さんでしょ!」

立ち上がり倒れた椅子を直すと後ろから抱きついてくる鈴花

鈴花「本当、元気そうで良かった。〇〇君に何かあったら私どうしようかと」

〇〇「鈴花さん//」

背中に柔らかい物が当たり赤面する

〇〇「あの、当ててます?//」

鈴花「〇〇君、こっち向いて」

〇〇「はい//」

鈴花「この変態!!」

〇〇の頬にもみじが紅葉するのであった

〇〇「なあ、雄也」

雄也「俺は知らん」

〇〇「お前の姉ちゃんって何なの?」

雄也「まあ結構心配はしてたから、それは理解してくれ」

〇〇「ありがたいけどさ、ビンタはどうなのよ?」

雄也「あの胸は姉さん的にはコンプレックスなんだよ」

〇〇「なんでよ、魅力的だろ」

雄也「色んな人にジロジロ見られるのが嫌なんだと」

〇〇「そうなんだ、それは悪い事しちゃったな」

雄也「〇〇からその魅力を伝えてくれ」

〇〇「またぶっ飛ばされるのヤダよ」

雄也「気が向いたらでいいから」

〇〇「おー分かった」

1日の授業が終わり学級日誌を職員室に持っていくと

△△「ずっと好きでした!付き合ってください!」

廊下で公に告白する男子生徒

菜緒「ごめんなさい」

目立つ事が苦手な菜緒は注目の的になってしまった為顔を真っ赤にしながら振った

〇〇「姉ちゃんも大変だな〜」

遠目で見ていた〇〇は呟き職員室を目指す

すると別棟の裏でも

◻︎◻︎「一目惚れしました!付き合ってください!」

史帆「ごめんなさい!」

キッパリと告白を断る史帆

〇〇「おぉ姉ちゃん達すげーな」

姉達の告白シーンを見て職員室に入り学級日誌を渡す

〇〇「これで今日の仕事終わり〜」

カバンを背負い直し正門に向かっていく

鈴花「〇〇くーん!」

後ろから追いかけてくる鈴花

〇〇「鈴花さんも今帰りですか?」

鈴花「うん、途中まで一緒に帰ろ」

〇〇「はい!」

特に内容もない会話を笑いながら帰る

鈴花「あはは、笑いすぎてお腹痛い」

〇〇「鈴花さんボケ過ぎです」

鈴花「〇〇君のツッコミが秀才すぎるからボケたくなっちゃった」

〇〇「鈴花さん」

真剣な顔をして鈴花を見る

〇〇「今日のお昼はすみませんでした。」

頭を下げる〇〇に驚く鈴花

鈴花「え、急にどうしたの?頭あげて」

〇〇「鈴花さんのコンプレックスに気づかずふざけてしまってすみません」

鈴花「あーこれの事か」

自分の胸を見て昼の出来事を思い出す

鈴花「私も手出してごめんね、頭あげて」

頭をあげて鈴花の顔を見る

鈴花「私ね、普通の人より大きいのが嫌なの、ジロジロ見られるのも嫌だし、思春期だから気になるのは分かるけど」

俯きながら思っていた事を話す

鈴花「重いし肩凝るし何が良いんだろ」

〇〇「鈴花さんは自信持って良いと思います」

鈴花「え」

〇〇「普通の人にはない物を持っているのは良い事ですし、ただでさえ鈴花さん可愛いしスタイル良いから尚更自信持って良いと思います」

鈴花「ありがとう」

〇〇「それだけ伝えたくて」

〇〇の誠実な気持ちと夕日に当てられた笑顔に鼓動が早くなる

鈴花「コンプレックスと思わず私の武器としてこれから堂々としていくね」

〇〇「それがいいです」

鈴花「〇〇君って好きな人いるの?」

〇〇「どうしたんですか?急に」

鈴花「いいから答えて」

〇〇「今は特にはいません」

鈴花「じゃあこれから私の武器を使って振り向かそうかな!」

鈴花「じゃ、私こっちだから」

十字路で鈴花と別れる

〇〇「鈴花さん」

頬を赤くしながら帰る〇〇なのでした

史帆「まさかあのシャイ姉こと鈴花が」

菜緒「ひよたんピンチだ」

姉2人に覗かれていたのでした

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