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3.5%vibes

青い海、青い空、白い砂浜。海の美、自然の美についてよく形容される言葉だ。でも、もしそれが、「濁った海」「霞んだ空」「ゴミだらけの砂浜」・・・と形容されたら、どう感じるだろうか。美しい景色との出会いを求めて海へ行ったはずなのに、そこに感じる違和感。それはだんだんと大きくなってくる。昔はもっと綺麗だったのに、言葉通りだったのに。いつの間にか変わってきてしまった。もう海を形容する言葉は変わり始めているのかもしれない。

海の問題に限らず、環境問題、社会問題は、もう地域の問題ではなく、世界の問題になってしまった。地域の問題だと思っていたものが、実は世界とつながっている。インターネットがつながったことによって、それがよりリアルに感じられるようになっている。流れてくるゴミは、日本語だけではなく、さまざまな国の言葉が書かれている。さあ、あなたはどこからやってきたのか。あなたはどこへ行こうとしているのか。そのゴミたちに問いたくなる。綺麗にしても、綺麗にしても、永遠になくなることはない。自分の力だけではどうしようもない。やればやるほど暴力のような得体の知れない力を感じる人もいるかもしれない。一体いつまで続くのだろうか。。。

それでも、どうにかしたい。解決したい。いつか解決することができる。力を合わせればなんとかなる。希望を持った人は後を絶たない。不思議なものだ。あきらめるどころから、社会はそちらの方へ向かっている。綺麗ごとと思っていた大人たちも、いつの間にか一緒にゴミを拾い始める。それは、あきらめていることの心地悪さ、そんなものを感じているのかもしれない。あきらめるよりも、あきらめない方が心地がよい。大きく変わらなくても、生きているうちにそれが達成できなくても、やっぱりこっちの方がいい。そんな緩やかな変化を僕は感じる。

ミレニアム世代、Z世代と言われる人たちが、アメリカではもうすぐメジャーになる。今の若者たちは環境活動、社会問題にとても敏感だ。その理由、本当のところは僕にはわからないけれども、でも、そういう世代が現れていることは確かだ。どのように社会が変革していくのかはわからないけれども、でも、世界は大きく変わるだろう。その変革が少しでもよい方へ向かうように、僕たちも一歩を踏み出さなければならない。僕たちもその流れの一部なのだから。

「3.5%ルール」というものがある。人口の3.5%以上の人が参加すれば、その社会運動は成功するというもので、社会運動の研究者であるエリック・チェンバース氏が提唱したものだ。今では多くの社会活動家の指針となっている。

僕は社会活動家でもなんでもないので、言葉だけは知っているが、でも、その一定数を超えることで一気に広まっていくという感じはわかる。それは、色々な場面で出会っているような気がする。特にこのSNS時代には、それを見る場面が多いのではないだろうか。たった3.5%、それとも、3.5%も必要なのか、と考えるか、それは人それぞれであろう。日本の人口が約1億2千万人だとすると、3.5%だと約420万人。さあ、多いか、少ないか。

人を動かすということ、人に影響を与えるということは、どういうことだろうか。確かに数字の目標はあるのはわかりやすし、そして、人口の50%ではなくて、3.5%の人が動けば、成功すると言われれば、なんだか少しハードルも下がり、達成できそうな気がする。でも、日本だけでも、420万人。その数値を見てしまった瞬間に、果たしてできるかどうか・・・。日本だけでもこれだけの人数が必要なのに、世界に影響を与えようと思うと・・・。

でも、いつも人を動かすのは、たった一人の思いだ。言葉だ。始まりはいつも一人だ。一人の思いが、もう一人に伝わり、それがどんどん広がっていく。SNSの画面を見ていると、一瞬にして、数千人、数万人に届けられる方法があるように見えてしまうが、見ているのは一人一人で、シェアしているのは一人一人なのだ。一人が一人に伝える以外にはあり得ないのだ。

3.5%の人に伝わってほしいと僕も思うが、でも、一人から受けとった思いを、もう一人に伝えること。伝わったと伝えること。そういうことがつながりを生むのではないだろうか。変えたいのは世界だが、変わるのは一人一人でしかあり得ない。

前談が長くなってしまったが、クラウドファウンディングに挑戦している仲間の応援をしたいと思って文章を書こうと思ったが、応援なのか、なんなのかわからなくなってしまった。こういう書き方しかできないご無礼をお許しください。

彼は、クラウドファウンディングに挑戦するきっかけをこう語る。

私は6歳の男の子の父親です。コロナの直前、美しい海を見せたくて息子を連れてとある国に旅行へ行きました。息子にとっては初めての海外旅行です。

ビーチを散歩しているとその美しさと対照的にプラスチックの破片が散乱していて、とても裸足で歩かせられないほどの状況でした。何も知らない息子は貝殻と一緒に様々な色の破片を無邪気に拾い始めます。
(『社会を変えていく「3.5%」の人たちが持つマイボトルをつくりたい』https://rescuex.jp/project/69966

6歳の彼が、海を見た瞬間にどう思っただろうか? どう感じただろうか?
海とは、貝殻だけでなく、プラスチックが落ちている、裸足では歩けないものだと思っただろうか。
彼の目に海というものはどのように映っただろうか。

彼の目に映ってしまった現実を変えることはできない。でも、またいつか海を訪れた時に、美しい海、美しい砂浜は見せることはできるかもしれない。その時、6歳の子どもの記憶は、新しく書き変わるかもしれない。
海とは・・・。

「3.5%vibes」が広がっていくことを願い、そして、一人の子どもがまた美しい海を訪れられることを願い、このプロジェクトを応援したいと思います。

社会を変えていく「3.5%」の人たちが持つマイボトルをつくりたい

※写真はハワイ島のあるビーチです。この海が、ビーチがいつまでも美しくありますように。

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