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今こそ観たい”スーパー耐久”

はじめに

どうも、2.5万PVの男ことたくさふです。

出オチ感のある書き出しで始めてみましたが、実際のところ、前回のJリーグ初心者向けに書いた記事がまさかあんなにハネるとは思いませんでした。魂入れて書いた文章をたくさんの方に読んでもらえるというのは本当に嬉しいことです。改めて読んでいただいた方に感謝です。

さて、今回は私の”推しモータースポーツ”であるスーパー耐久を初心者向けに紹介する、The•二匹目のドジョウです。公私共に関わりのあるこのシリーズがもっと盛り上がって欲しい、魅力がもっと伝わって欲しいという思いを込めつつ、ちょっとでも興味を持っていただけるよう頑張って紹介していきます!


そもそもどんなレース?

スーパー耐久の理念

スーパー耐久シリーズ (S耐)は、1991年より市販量販車をベースとした日本発祥、日本最大級の参加型レースとして歴史を重ね、今日までプロドライバーとレースをライフスタイルの一部とするアマチュアドライバーが共に協力し合い、覇を競いつつ継承してきたチームスポーツである。

スーパー耐久に集う人々は、いつの時代もクルマやモータースポーツ、人を愛する「仲間」であり、互いに絆を深め合い、称え合い、スポーツマンシップ(ルールを厳守し、競技を行っていく基本的な姿勢) にのっとり、正々堂々と闘って欲しい。そして技術を向上させるなか、限りある資源を大切に使い、環境に配慮しながらモータースポーツ社会の発展につなげていくことを目指したい。


安全を第一優先にフェアな競技を、そして単に順位を競い合うだけではない、 モータースポーツを通して、「人生に挑戦し続ける」ことで獲得できる、人それぞれの「何か」を生み出して欲しいと願う。


また、スーパー耐久に参加するエントラントの知識やノウハウを生かした自動車用品や部品の開発・販売により、日本の自動車産業、モータースポーツマーケッ トの発展に寄与していくことも目指そう。


スーパー耐久に関わる全ての人々にはこの理念を理解していただきたい。そして自分たちが生きた証としてモータースポーツを次の時代につなげていくためにも、ひとつとなり、共に発展させていこう。

https://supertaikyu.com/information/policy.html

スーパー耐久とはなんぞや、その概要を紹介する上で、私がぐだぐだ説明するよりも分かりやすいと思い引用してきました。この理念をベースにもう少し具体的に解説していきます。

日本一の参加型モータースポーツ


スーパー耐久が”偉大なる草レース”と呼ばれていたのも今や昔。ここ数年で、レース規模、ドライバーのレベル、参戦車両、どれをとっても"草レース"と呼べるレベルではなくなりました。
SUPERGTのGT300クラスで使用されているFIA-GT3を頂点とし、GT4やTCRといったレース専用車からZや86ベースのチューニングカー、そしてデミオやフィットといったコンパクトカーと速度も形もぜんぜん違う車が9つのクラスに分けられ、それが同時に混走で(※1)レースを行います。

速いクラスの車は上手に抜いていきながら、遅いクラスの車はロスなく抜いて行ってもらいながら走る必要があり、ただ前だけ見て走ればいいというわけではないのがスーパー耐久の魅力であり難しさです。
ドライバーもGTに出ているワークスドライバーから、新鋭気鋭の若手、一線を引いたレジェンドやS耐のヌシなど、色々な立場のドライバーが揃っています。
そして、メーカー開発クラスのST-Q以外はチューニングパーツメーカーや個人のガレージ主体のチームが大半であり、それこそが日本一の参加型モータースポーツと呼ばれる所以です。
(※1:スポーツランドSUGO、岡山国際サーキットでは安全のため2グループに分けてレースを行う)

メーカーの開発にも貢献

スーパー耐久には参加型モータースポーツとは別に、もう一つの顔を持っています。それがメーカー開発車両が参加できるST-Qクラスです。開発のために通常のレギュレーションから逸脱する車でもレースを通しての開発を行えるために作られたこのクラスには、水素を燃料とするエンジンで走るカローラやミドリムシ由来のディーゼルを使うマツダ3など、未来へ繋がる技術の開発が行われており、その姿はまさに”走る実験室”です。
このクラスに参戦できるのは自動車メーカーだけではなく、過去にはブレーキで有名なENDLESSがブレーキ開発のために参戦していたこともあります。
レギュレーションに縛られていないため賞典外にはなりますが、ここ数年非常に盛り上がりを見せているクラスです。

スーパー耐久のレース形式

スーパー耐久はその名の通り耐久レース。年間7レース開催され、レース時間は3h,5h,24hの三種類が設定されています。
特に毎年6月前後に開催される富士24時間は日本で唯一開催されている24時間レースであり、お祭りのような雰囲気で年々盛り上がっています。

一方、参加している車に関しても他カテゴリと比べてS耐ならではの特徴があります。前々項でも触れましたが、スーパー耐久には9つのクラスが設定されており、その9つのクラス、50台以上の車が同時にレースを行います。
参加車両に関してはすでに触れたとおりですので、具体的なクラス分けの方法をここでご紹介しましょう。

9つのクラスは上記のルールで区分される

各クラスの中でのレースを行いつつ、他のクラスをうまく交わし交わされながらレースを進める必要があります。もちろん耐久レースなので燃費やタイヤ消耗の管理も勝負の鍵となってくることから、速さはもちろん、強さや賢さも非常に重要なレースです。

スーパー耐久の楽しみ方

おすすめポイント①「多種多様の車を見ることができる!」

さて、ここからはスーパー耐久のおすすめポイントを紹介しましょう。
まず1つ目は、様々な車を1つのレースで見ることができること。すでに触れている通り、純レーシングカーからコンパクトカーまで、他のレースではまずありえない組み合わせを見ることができます。

例えば、ST-Zクラスで使用されているFIA-GT4車両は、現在日本で見られるのはS耐だけですし、ST-1クラスのKTMやST-3クラスのレクサスRCもここでしか見れません。
また、86やロードスター、GRヤリスなど、マイカーと同じクルマがレースに出てる!という楽しみ方もできます。しかも、基本的には市販エアロを使用しているので、マイカーチューニングの参考にもなるかも?

おすすめポイント②「コスパがいい!」

おすすめポイント2つめは、なんといってもコスパの良さです。
物価高騰による値上げの波はレース界も例外ではなく、観戦チケットは各カテゴリ上昇傾向にあります。
そんな中、スーパー耐久は非常に頑張られており、スーパーGTやSFと比較するとお求めやすい価格に設定されています。(ファンとしては心配にもなりますが)
一方で、予選、決勝を通して車が走行している時間が非常に長く、一日サーキットで楽しむことができます。時間あたりの金額が安い、つまりコスパがいいんです!
スーパーGTと比較すると規模は小さいですが、広場スペースには出展や屋台もあり、不便に感じることは全くありません。
また、走行時間が長いので、サーキット内をウロウロする時間的余裕があり、普段ならあまり見ることのないエリアに足を伸ばすこともできます。

鈴鹿サーキットの”最果ての地”スプーンカーブに足を伸ばす時間も余裕であります

現地観戦勢のワタシとしては今くらいの観客数がちょうどいいという気持ちもありますが、スーパー耐久存続と発展のため、ぜひ一度現地での観戦を!

おすすめポイント③「キャンプとの合わせ技ができる!」

3つめのおすすめポイントはキャンプしながらレースが見れる点です。
これに関しては全てのサーキットで出来るわけではありませんが、富士24時間やオートポリスなどは時期的にもちょうどよく、おすすめの楽しみ方です。
富士のように自由にテントを建てられる場合とオートポリスやもてぎのように専用エリアとして売り出す場合がありますが、どちらにしてもコースサイドでレースを見ながらキャンプを楽しむことができます。
近くに温泉施設のあるサーキットも多いので、夏の思い出にお試しください。

富士24時間では花火も楽しめます

おすすめポイント④「みんな大好きS耐TV」

4つめのおすすめポイントは、S耐TV(えすたいてれび)。S耐を語る上で、S耐TVの存在に触れない訳にはいかないでしょう。
S耐TVとは、スーパー耐久の公式Youtubeチャンネルの名称で、そこで毎レース”無料”生中継が行われています。
この生中継がまた無料とは思えないクオリティで作られており、本当にタダでいいの?と感じてしまいます。
MCは、福山英朗さんと数野祐子さん。レーシングドライバーの視点からわかりやすく説明してくれるS耐愛に溢れた福山さんと、勉強熱心でかつ、しっかりと番組を回している数野さんの緩く楽しいコンビプレーは必見です。
また、ピットレポーターの「あなたのお耳の騒音公害」MC平田さんは愛のあるイジりをされつつ、アクシデントがあればすぐにピットに飛んで的確な情報を入れてくれます。
同じくリポーターの「なかしー」中嶋絵美さんは、数野さんの休憩中にはMCとして代打に入りつつ、リポーターとして随時情報を提供してくれます。天然なのか「600kmのホームストレート」という迷言はあまりにも有名です。
そんな皆さんで行われるレース放送は、S耐愛に溢れています。普通のレース中継では最上位クラスに集中しがちですが、S耐TVでは全ての参加者が主役、全クラス全チーム平等に取り扱います。なので、どのクラスどのチームのファンでもきっと楽しめると思います。
ちなみに、お家で見て楽しむのはもちろんですが、情報の少ない現地でもラジオ代わりに重宝します。通信料に余裕がある方にはおすすめです。

すぱーくくんと筆者

おすすめポイント⑤「S耐カード&ライブタイミング」

最後のおすすめポイントはS耐カードとライブタイミングの存在です。
レースをより深く見る上で重要なライブタイミング。各車の現在のラップタイムや前後の差、ピットタイミングや回数を確認するためには必須アイテムです。残念ながら近年このライブタイミングは有料で提供するカテゴリが増えていますが、スーパー耐久ではライブタイミングも無料で見ることができます。
このライブタイミング、情報量が非常に多いのですが、一方で馴染みのない方にはわかりにくいかもしれません。
そんな人向けにはS耐カードというS耐オリジナルのライブタイミングシステムも用意されています。こちらは車の写真と最新のラップタイム、乗っているドライバーが順位ごとに並んでおり、視覚的に分かりやすい工夫がされています。もちろん、こちらも無料。S耐運営の皆様には頭が上がりません。
ぜひライブタイミングとS耐カードを活用して、より深くレースを楽しんでみてください。

終わりに


さて、スーパー耐久の概要とおすすめポイントをご紹介してきましたが、百聞は一見にしかず。もちろん、魅力が伝わるように頑張って書いてきましたが、実際に見てみないと伝わらない部分も沢山あります。
今年はまだ開幕戦の鈴鹿ラウンドを終えたのみで、あと6レース残っています。
そして、今週末(執筆時5/23)には年に一度のお祭「NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」が控えています。
ある意味で最もコスパのいいレース、もしご予定がなければぜひ見に行きませんか?
もちろん、まだ今シーズンはこの後もSUGOやオートポリス、岡山と各地での開催が控えていますので、そちらに見に行くのも良いですし、まずはS耐TVでレースの空気感を味わってみるのもヨシです。
これから更に盛り上がっていくこと確実のスーパー耐久、まだ見たことがないという方はぜひ!必見です!


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