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ぽっちゃり犬の命運は飼い主次第【前編】

お久しぶりすぎてもはや初めましてと言っても過言ではない。どうも、takuです。

今回は仕事上で相談されることがめちゃめちゃ多い、

『犬の肥満』

についてお話します。あなたの愛犬が肥満じゃなくてもとりあえず一通り読んでみてほしいです。
ちなみに日本は世界的にみても犬の肥満率が高いそうで、その半数近くが肥満。というデータもあるとか、ないとか。私が数年前に得た情報では約55%でした。今はどうなんですかね。

という訳で、今回はそんなダイエットの話の前編。


◆ そもそもうちの子って太ってるの?

まずあなたの愛犬が太ってるかどうかのチェックですが、あばら骨の凹凸で判断するのが一般的です。前足の後ろのあばら骨のところを触り

普通に凹凸がわかれば普通。
明らかに骨っぽければ痩せすぎ。
よく触ればわかるくらいなら太ってる。

四つ足で立っているところを上から見たときのくびれの感じで判断したりもできますが、触ってチェックした方がわかりやすいと思います。

もし成犬になったばかりの頃の写真が残っていれば、その頃の体型と見比べてみるのもいいかもしれないですね。(子犬の頃からすでに太っていた場合はできませんが…)

動物病院に行った時に痩せたほうがいいと言われたことがある飼い主もいるでしょう。意外と肥満って気づかないもんです。

◆ 肥満はもはや病気の一種

『ちょっと太ってるくらいのほうが可愛い』と主張する飼い主もいますが、実験により肥満は寿命を縮めてしまうという結果が出ています。これは肥満が原因で病気になり短命となる、ということではなく、シンプルに肥満犬と標準犬とでは寿命に約2年の差が出た。というものです。
犬の2年とは、人間に換算すると約10年。ヤバイですよね。肥満はもはや病気といっても過言ではないと言えるレベルなのかもしれないです。もちろん、肥満は病気のリスクを高めるという意味でも危ないので気を付けるべきです。

◆ なぜ太るのか

さて、肥満度チェックから肥満による悪影響を説明しましたので、次は『なぜ太るのか』について。これを理解すれば、どのように頑張れば良いのかが明確になります。

まぁ、摂取カロリーが消費カロリーを上回ってるからという普通のことなんですけども。ということで、以下のリストにどれかひとつでも当てはまったら、食べ物の与え方を見直してみてください。

□ 留守番前にかならずおやつを与える
□ 運動をさせてない
□ 何らかの要求をとりあえず食べ物でなだめる
□ おねだりに応じる
□ おやつを与えてもフードの量を調節しない
□『満腹になってない=食事量が足りてない』と思っている
□ 家族内で食べ物の与えかたのルールを決めてない
□ ルールを決めていても誰かが破ってる

他にもあるでしょうがぱっと思い付くのはこんなところでしょうか。
どれかひとつでも当てはまったら、今は太ってなくても生活習慣としてマズイです。どうしても可愛いとか可哀想などの感情から太らせてしまっているケースが多く、特におやつの扱いに関する問題の根はかなり深いです。
おやつは一日に摂るべきカロリーの10%程度に抑え、その分フードを減らしましょう。カロリーの内訳を

『おやつ:フード』=『1:9』

程度にするってことですね。要は『おやつを与えてはいけない』ではなく『おやつを与えた分、調整しましょう』ということです。
計算がめんどくさいなら、おやつ代わりに、普段与えてるフードと同じ給餌量設計の別のフードを少し与えれば、その量を食事から減らすだけで済むので楽です。犬の世界では人間みたいなおやつという文化があるわけではないので、おやつ代わりにフードを与えてもなんら問題ないし栄養バランスの面ではむしろそのほうがいいでしょう。

◆ 犬のダイエットは犬ではなく飼い主の課題

犬の肥満は飼い主のせい。感覚的にはわかっていることと思います。それを言語化することでより具体的に実感でき、効率よく愛犬を健康に導けることもあるでしょうから、何故飼い主のせいなのかをお話します。

食べ物を与えて太るキッカケを作っているのは飼い主であり、愛犬の肥満は愛犬の体質に合わせられなかった結果です。盗み食いや、人の食事を勝手に食べてしまうというケースもあると思いますが、それを可能な環境にしているのは飼い主なので、結局のところ犬の肥満は飼い主の問題です。

また、犬は『最近太ってきたから痩せなきゃ…』と思いたってダイエットに励むなんてことはないので、飼い主が主体となって、飼い主が努力をしなければ絶対に成功しません。
しかし、飼い主が正しく努力すれば成功します。太る原因が飼い主にあるのなら、原因が改善されれば痩せる。そんなロジックです。
次は具体的にどうすればいいか、簡単な方法を説明します。

◆ ダイエットはむずかしくない

あたりまえですが与えすぎれば太ります。
与えすぎなければ太らないです。

・おやつについて

まず、おやつを与えているなら、そのなかで一番好きなものだけを与えるようにしましょう。そのおやつを毎日小さいタッパーとかに1日分の量を入れるようにして、その容器に入っている分以外からは与えてはいけないというルールを家族で共有してください。1日分のおやつの量は前述の通りです。
あたりまえですが、痩せるためには与えないほうがいいです。以前お客様から『おやつをやめただけでダイエットできた!』とご報告頂いたこともありました。

・フードについて

フードのパッケージの給餌量はあくまで目安ですが、参考にするときは今現在の体重ではなく目標(適正)体重に合わせて給餌量を見るようにしましょう。ただ量を減らすだけでなく、低カロリーなものに切り替えてあげるとより効率よく減量できます。

普段から適正体重に合わせて与えているのに太ってしまったのなら、体質的に太りやすいのかもしれません。一般的には適正な量でも、その子にとっては食べ過ぎということもよくあるので、表記より少なめに与えるか低カロリーなものに切り替えましょう。

一気に給餌量を減らすことに抵抗を感じる飼い主もいるかもしれません。その場合は一食ごとにフードを10粒くらいずつ減らしていけば、緩やかに給餌量を抑えることができます。麻酔を打つためにまずは痩せなきゃいけないとか、何らかの緊急性がない場合は少しずつダイエットしていければいいと思います。

◆ 運動もしたほうがいい

人間のダイエットみたいに運動することで痩せようとしても犬はなかなか痩せません。本来狩りを行い補食する動物が、いちいち運動で痩せてたら野生では生き残れないですしね。

かといって運動が必要ないのかというとそういうことでもなく、筋肉が減少してしまうのを防ぐという意味で運動は大切です。特に、食事量を抑えただけや、低糖質ダイエット的なことを実践した場合は、筋肉が減ることによって一時的に体重が軽くなりますが停滞期が来てリバウンドしてしまうことが多いです。筋肉に必要なタンパク質と、運動に必要なエネルギー源として適度な糖質をフードから摂りながら、運動も併行するといいでしょう。

運動は、いつもの散歩の時間を10分くらい長くする程度でも小型犬にとっては十分運動になりますし、もし可能であれば、緩やかな坂道をお散歩コースに組み込んだり、砂浜でお散歩させたりしてみるといいと思います。

◆ まとめ

本当はもっと色々うんちくがあるんですが、長くなったしめんどくさいのでここで一旦やめておきましょう。散々語りましたが、とりあえずまとめると

『肥満はいろいろとリスキー』
『太るってことは食べ過ぎてるってこと』
『食べ過ぎてるってことは与えすぎてるってこと』
『犬のダイエットは飼い主の仕事』

…スミマセン、まとめが結局ただの釈迦に説法状態。こんな普通の記事を最後までご覧頂きありがとうございました。

次回【後編】はダイエット時のフードの選び方についてご説明します。

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