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いよいよ当日!!

前回に引き続き、今回は看護師国家試験の当日のお話をしていきますね。
起きれば、「ついに来たか~この日が」と心の中でつぶやくとともに、
周りの男子5人も黙々と起き始める。
それぞれが、朝食までに、顔を洗ったり、髭を剃ったりと準備を始める。
特に試験当日について話すことなく、「眠れた~?」などほんとよくある
会話をした。

朝食会場に行くと、やはりというべきか落ち着かない雰囲気であった。
それもそうだ、ここまで頑張ってきたことが今日一日ですべて終わると考えると、緊張しない方が無理な話だ。
朝食も食べ終え、宿泊所を出る準備をしていくと、いよいよ緊張が増してきた。
自分は、緊張しないだろうとたかをくくっていた部分が否めない。
バスに乗り、試験会場へ走り始めてから、何をしようかなと思いながら、
自然と携帯のアプリで、毎日の日課である、必修問題150問を解き始める
すらすらと解いていき、問題なく全問正解。
この時点で、ふと自分の緊張が緩和していたことに気づく。
後々考えてみると、毎日の日課をし、今まで解いてきた問題に対して、
いつも通り解くことが出来ている事実を実感できたからだろう。

会場へ到着、他校の受験生もぞくぞくと会場入りしている。
会場入りする前に、クラス全員で円陣を組み、声出しし、
合格を掴み取りに行く準備も整った。
私の学校では、毎年伝統である「合格」鉢巻きを付けて受験していることから、クラス全員鉢巻きを付けて入場する。
受験会場の中は、思った以上に広々としており、その中に約1000人の受験生が入ることとなる。
会場入りするが、試験開始までの時間が異様に長く感じ、
まだかな、まだかな、早く問題解きたいなと心の中で思っていた。
この時から、緊張ではなくどんな問題が出るのか逆に楽しみな気持ちが強くなっていたのを覚えている。

試験監督が台に上がり、試験説明が始まった。問題が配られ、試験が開始するまでの10分間ほど、静寂な時間が訪れた。

「試験開始」

上記の合図とともに、紙をめくる音が四方八方から聞こえてくる。それと同時に、鉛筆で記述する音も聞こえてくる。
私は、常に意識していることがあり、周りと一斉に始めないこと。
開始の号令が聞こえたら、まず一呼吸間を置く、そしてゆっくりと問題用紙
解答用紙を表に向け、取り組むようにしていた。
学校での模擬試験の時も同様なことを行っていた。

そのおかげか、自分の意識がいつも受けていた模擬試験の感覚と同じになったのだ。
いつもと同じ感覚は、自分を安心させられる大きな武器であった。
問題を解いていく中、何だこれといった問題はあったが、
わからない問題はわからない、そこをきっちり割り切り次に進むようにする
午前120問、午後120問こなすためには、止まっている時間はほぼない。
すぐに答えが出なければ後回しにし余った時間で解いていく。
この鉄則は、確実に点数に繋がってくる方法だと私は感じる。

午前の終了の号令があり、とりあえずは全問解き終えて、二回ほど見直しも行うことが出来た。
教員は毎年答え合わせは辞めときなさいと伝えているが、どうしても気になる答えは知りたいと思ってしまう。
気になる部分だけと思い、調べると正解していた。この正解で、自分の気持ちが安堵する。

弁当を食べ終え、雑談しながら、午後の準備を始める。
そして午後の試験が始まった。

午前の出来が良かったかと問われると、いまいちだったと言葉を濁すだろう
だからこそ、午後で挽回すると強い気持ちで臨むと、午後は想像以上に
簡単に解いていくことが出来たのだ。
気持ちの面も大きいと思うが、自分が深く勉強していったところが
一問一問に生かされていったのだと思う。
午後は三回、四回と午前以上に見直しの時間が取れ、より一層出来たと実感した。

「終了してください」

この号令でついに試験が終わった。長かった道のり、
ふと肩の荷が下り、疲労感がドッと襲ってきた。
みんな険しい表情はなく、やりきった解放感で笑顔がこぼれていた。

試験が終われば、さっそうとバスに乗り込み帰路につく。
みんなヘトヘトで、ほとんどがバスの中で眠りにつく。

バスが学校に着くころには外は真っ暗、そんな中、学校には明かりがついており、看護学科教員総出で出迎えてくれた。
教員たちの第一声
「お疲れ様、よく頑張ったね」と労いの言葉であった。
いつも見る風景、校舎、ついさっきまで異世界に居たんじゃないかと思うくらい不思議な感覚であった。

教員からの話が終わり、自然解散となった。

試験会場には、魔物が住んでいる、会場の雰囲気に呑まれいつもの力を発揮できなかったという話はよく聞きます。
私の友達も会場の雰囲気に完全に呑まれたと言ってました。
しかしながら、私の世代は無事全員合格することができ、
雰囲気に呑まれたとしても、我武者羅に一生懸命、精一杯やりきることが
合格を呼び込むためにも必要なことなのだろうと思います。

また、安心するためにも日々の勉強の質をあげ、模擬試験において、
アベレージで180~190点台をとれるようにしていくと、
本番への自信にも確実に繋がります。
毎日不安でいっぱいだと思います。しかし、自分が取り組んできたことは
絶対に嘘はつきません。
自信をもって臨んでほしいと思います。

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