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スタートアップの登竜門IVS LAUNCHPAD決勝に進むためにやった3つのこと

はじめに

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こんにちは!ミーチュー株式会社の小泉です。僕らは手数料無料のファンコミュニティ「Mechu」を運営しています。

この度、スタートアップの登竜門であるIVS LAUNCHPAD Entertainmentの決勝に登壇することができ、Mechuのプレゼンテーションを行わせていただきました。

まずはMechuのプレゼンをご覧ください

結果は残念ながら入賞になりませんでしたが、決勝に進むためにプレゼンに磨きをかけた過程をシェアすることで、今後LAUNCHPADに応募する方のお役に立てるかもと思い、この記事を書いています。

プレゼンの作り方は、大まかに分けると調査・取材→制作→校正・推敲の3ステップになります。

このステップを順に踏んでいくことがとても重要だと考えています。

調査・取材を飛ばして、いきなりプレゼン資料を制作したり、校正・推敲を抜かすことはプレゼンの質を著しく下げてしまうため、お勧めしません。

以下、3ステップを順番に解説していきます。

1. 調査・取材

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プレゼン資料を作りたくなる手を止めて、まずは調査・取材を行いましょう。

誰のために、何を作るのか?

まず、LAUNCHPADのプレゼンは誰に見せるものなのかを考えます。

LAUNCHPADはピッチコンテストなので、審査員がいます。LAUNCHPADに出場する目的を入賞だとすれば、「審査員に見せるために、プレゼン資料を作る」ことに他なりません。ですので、審査員のバックグラウンドを把握していくことは重要です。

審査員は事前に発表されていますので、一覧を作成し、各審査員の記事やSNSアカウントを調べて、使っている言葉や考えている方向性、好みなどを把握します。

ぼくは入賞を逃したので大きなことは言えませんが、審査員のツボを押さえたプレゼンをするためにも、審査員を知ることを最初に行うのが良いと思います。

過去の入賞者を調べる

LAUNCHPADは長年続く日本最大級のピッチコンテストです。ですので、いわゆる「LAUNCHPADらしいピッチの型」があります。

その傾向と対策を得るため、過去のLAUNCHPADの入賞者(1位〜3位)のピッチをすべて書き起こしました。

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すべて書き起こしたら、次は、どの内容に対して、何秒・何文字使っているかを調べます。

例えば、「トラクション」に対して、30秒使っているとか、「競合」に対して20秒使っているなどです。

このように過去の入賞者のプレゼンの内容を整理・分類していくと一定の傾向が見えてきます。

この傾向に照らし合わせると、自社ではどのようなプレゼン資料を作るべきかがおのずと見えてきます。

次はいよいよプレゼン資料の制作に進みましょう。

2. 制作

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スタートアップのピッチは、おおよそ以下の12項目に大別されます(画像はWhat is a Pitch Deckより引用)。

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さらにLAUNCHPADは6分間の時間制限があるピッチコンテストなので、11. INVESTINGと12.CONTACTを除いた10項目を自社サービスのストーリーに沿って配置していきましょう。

Mechuのプレゼンでは、以下の流れで配置しました。

INTRODUCTION(イントロ)

PROBLEM(課題)

SOLUTION(解決策)

PRODUCT(プロダクト:デモ動画)

ADVANTAGES(強み:デモ動画)

TRACTION(トラクション)

BUSINESS MODEL(ビジネスモデル)

COMPETITION(競合)

MARKET(マーケット)

TEAM(チーム)

この配置の流れは、プロダクトのストーリーや強くアピールしたいポイントによって使う秒数や文字数に違いが出てきます。

しかし、要素が1つでも抜けているとぼんやりした印象になるので、短くても要素はすべて満たしておいた方がいいというのが僕の考えです。

ここでもう一度Mechuのプレゼンを見てください。上に書いた配置でストーリーが進んでいるのがわかると思います。

なお、楠木 建さんの「ストーリーとしての競争戦略」に書かれているとおり、要素はそれぞれが分断されているのではなく、大きなストーリーに沿って(繋がりを意識して)、配置していくのがベストです。

おおよそのプレゼンの流れができたら、練習をしながら校正・推敲に移りましょう。

3. 校正・推敲

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ピッチコンテストの準備で、もっとも時間をかけるべきは校正・推敲です。「直せば直すほど良くなる」と信じて取り掛かりましょう。

書き言葉と話し言葉

2. 制作で作った台本は、おそらく書き言葉(文語)になっているはずです。話し言葉(口語)に直しましょう。

書き言葉をそのまま話すと「台本を読まされている」感じが出てしまいます。プレゼンの視聴者の意識がプロダクトのストーリーから外れてしまうので、自然な話し言葉で語りかけるように台本を修正します。

「ら抜き言葉」や「い抜き言葉」も、積極的に使うと自然な感じになります。

本番を日常に

ピッチ本番当日は、誇張抜きでめちゃくちゃ緊張します。

緊張のため、しゃべりが詰まったり、飛んでしまってはせっかくの台本や資料が台無しです。

緊張を緩和するために「人」の字を手に書いて飲み込んだり、「楽しんでこよう」とか思っても無駄です。緊張はそんなに簡単には取り外せません。

そこで緊張を乗りこなすためには、どうするべきか。

答えは「本番力」を高めることです。

以下に漫画「ドラゴン桜2」を引用します。

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「勝負である本番を日常化すること」

名言ですね。僕は本番を日常化するために以下の工夫をして練習しました。

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最終選考を通って、本番に出場が決定したら、LAUNCHPADのスタッフさんに本番の環境を聞いて練習と本番を限りなく近づけさせましょう。

台本を口に覚えさせる

環境を本番に近づけたら、あとは徹底的に練習です。1日最低5回は「6分間プレゼン→撮ったビデオで確認→修正」を繰り返しましょう。

なぜ、たくさん練習する必要があるのか。それは台本を口に覚えさせるためです。

台本を思い出しながら、頭の中にあるテキストを読み上げるようにしゃべるとしゃべりの間隔(いわゆる「間」というやつ)が0.2秒〜0.5秒ほど長くなってしまいます。

Mechuのプレゼンではしゃべりの間が74個あります。この「間」ひとつに対してそれぞれ0.2秒ずつ長くなってしまうと合計15秒近く無駄に増えてしまいます。

この15秒が致命的な損失になってしまうこともあります。

時間が足りなくなって焦って早くしゃべろうとして台本が抜けてしまったり、逆に時間があまりすぎてしまったり。

このような想定外のミスを排除するためにも、徹底的に練習して台本を口に覚えさせましょう。

頭の中のテキストを読み上げなくても、口が勝手にしゃべってくれる。そのような状態になったら時間オーバーや時間あまりのミスは排除できます。

この無駄な間を無くすことが「ゆっくりとしゃべる」ことと「たくさんしゃべる」ことを両立させる唯一の策だと考えています。

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※各スライドのラップタイムを計り、大きくブレが出たときは原因を探し、潰していった。

そしてラスト1週間

本番までラスト1週間を切ったら、台本の修正をやめましょう。せっかく口が覚えた台本を直前で変更すると振り出しに戻り、口が台本を覚えてない状態で本番に臨むことになるからです。

ゆとりと余裕が自信を生み出しますので、直前の台本やプレゼン資料の変更は行わないほうが良いです。

ラスト1週間は、引き続き台本を口に覚えさせる練習と共に、身振り手振りや表情、しゃべりの抑揚など演技面の向上を図りましょう。

すでに台本は口が覚えてくれてますので、演技をする余裕も生まれています。悲しいところは悲しそうに、楽しいところは楽しそうにしゃべりましょう。

それが「プレゼンの内容」という情報を伝わりやすくする補助となります。

最後に

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※本番前、緊張の面持ちでピース

LAUNCHPADスタッフの皆様、このような大きな機会を与えていただき、ありがとうございました!おかげさまで、情報をわかりやすく伝えることを深く掘り下げられました。

LAUNCHPAD決勝出場を体験を糧に、さらに成長していきます。

手数料無料のファンコミュニティ「Mechu」をみなさま、どうぞよろしくお願いします!!!

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※本番終了後、すべてを出し尽くして放心状態



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