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長崎-アルバルク3連戦、やられたらやり返した!

12月中旬アルバルクは12/13(水)にホームアリーナ立川立飛で天皇杯第3ラウンド。続く土日は長崎に渡って長崎県立総合体育館でBリーグ第12節で長崎ヴェルカとの3連戦でした。

元アルバルクHCの伊藤琢磨GMが手掛けた長崎には今シーズン移籍した馬場雄大がいます。

筑波大〜アルバルク時代の馬場ちゃんのプレーに魅せられてアルバルクにのめり込んだ私としては感慨深く見逃せない3戦でした。

結果はホームで戦った天皇杯は79ー87でアルバルク敗退。

アウェイ長崎で行われたリーグ戦は第1ゲーム71ー62とディフェンシブな戦い。第2ゲーム94ー84と点の取り合いになりましたがアルバルクがカンバックを果たしました。

お互いの持ち味を出し合った好ゲームを振り返ります。

長崎のトランジション、ファストブレイク、3Pに翻弄される

前週のリーグ戦ホーム代々木第一体育館での群馬戦でもトランジション、速攻について行かれず、91失点を献上していたので、この長崎、次の名古屋は速い展開のバスケをするチームなのでトランジションディフェンスに課題が見えたアルバルクとしては苦手なタイプではあります。

で、天皇杯長崎戦です。

案の定というか残念ながら、今年も天皇杯は12月でリタイアということになりました。

まあ、この際過密な日程を天皇杯に割かれないで良くなったと割り切って、リーグ戦のCS出場とファイナル優勝にONE FOCUSしてもらいましょう。

さて、ゲームは前半は長崎の3P、ファストブレイクの圧力に耐えながらアルバルクはリバウンド、セカンドチャンスで喰らいつき45-45の同点で折り返しました。

第3Qに長崎は素晴らしいゲーム運びをしました。

長崎のディフェンスが良かったです。

アルバルクのテーブス、橋本のPGには狩俣、松本がフェイストゥフェイスでべったり付いて、ピックにはブランドリー、ボンズが厳しく素早くハードショウに出てスティールまで狙ってきました。

これにはテーブスも橋本も嫌がっているように見えました。

また、長崎はサイズのビハインドをカバーするためディフェンスではサイズやロシターへのポストフィードに対してボンズが付いていれば、すぐに馬場がヘルプに寄ってダブルチームに来ます。

これが早かった。

長崎の選手は総じてアジリティに優れているのでディフェンスでは素早く寄り、オフェンスではドライブやカッティングで中に割って入ってきました。それでいてミスが少なくターンオーバーをしないのです。(長崎6 アルバルク13)

勢いに乗ってくるとリバウンドからの速攻、スティールから速攻がどんどん飛び出して0-15のランを喰らってしまい第3Qで23失点、9得点。第4Qも残り1分47秒にこの日孤軍奮闘のロシターが29得点目を決めて79-81と2点差まで迫りましたがここから突き放されて79-87でブザーです。

この日の長崎はファストブレイクポイントが21、ターンオーバーからのポイントが15です。3Pも9/27と外からも良く、速い展開に持ち込んで長崎としては会心の試合だったのではないでしょうか。

長崎5アウトに3-2ゾーン。オフェンスはミスマッチとコーナー3

そして週末12/16(土)17(日)に長崎にやってまいりました。

長崎ちゃんぽんも五島うどんも食べました。アリーナで食べた角煮まんじゅうは美味しすぎたので帰りの空港でも食べたし、お土産にも買ってしまいました。

で、ゲームはリベンジしました!

天皇杯から対策をしっかり立てていたようです。

第1ゲーム、アルバルクはディフェンシブに戦いました。数字で言えばスティールが10本、ブロックが5本、さらに長崎から15本もターンオーバーを誘発させています。(アルバルクは11本)

長崎は3Pが4/23(17.4%)スティールは6本と天皇杯からはだいぶ減らしています。
リバウンドはアルバルク相手に40本と健闘しましたが持ち味のファストブレイクポイントは11と前回からは半減しました。

アルバルクは長崎の5アウトオフェンスに対して3-2ゾーン→2-3ゾーンのチェンジングを多用しました。

トップにシュートの上手いビッグマン(パーキンズ)をおいて両ウィング、両コーナーに開いてスペースを作ってアイソレーションやワンピックでシンプルな攻めをする長崎に対して、真ん中にメインデルやザックをおいて両ウィングをケアする3-2はドライブを抑えることとなり、3Pも単発となり効果的でした。

ゾーンはポストフィードされると脆いところがありますが、ポストプレーに対してはビッグマンのアドバンテージはアルバルクにありますし、メインデルや吉井はミスマッチにはならないのでアルバルクはそこそこ守れていたように思います。

オフェンスでは天皇杯で苦慮したピックに対するハードショウには、テーブスがリトリート→ロシター(サイズ)へエルボー手前にあたりにショートパス、長崎がスイッチしていたらミスマッチを攻める。周りがヘルプに来て収縮したらコーナーにキックアウトでオープンが作れていました。

攻め合いにも負けなかった

日曜日の第2ゲームでは点の取り合いになりましたがアルバルクは攻め勝ちました。

長崎はアルバルクの3-2ゾーンに対して4アウト1インの形でビッグマンを展開の中からハイポストに入れてきました。
そこからボンズ(パーキンズ)がアイソレーションやピックからのダイブでディフェンスを寄せてもう1人のビッグマンがハイポストからポップしてキックアウトすることで空いたスペースにドライブ(長崎の強み)やコーナーのチャンへ展開して3Pと攻略しました。

これに対しアルバルクのディフェンスはマンツーマンではスリーポイントラインくらいまでしか出て行かない「あれマッチアップゾーン?」と思うくらいに小さく守ってスイッチを多用してスペースを長崎に与えませんでした。
こうすると長崎はドライブで割って入れませんでした。

また、前日もそうでしたがトランジションに対してのディフェンスは徹底的にファウルを使ってでもファストブレイクを止めます。

アルバルクは長崎の長所を消して自らの長所を活かしていました。

サイズのアドバンテージからリバウンド(アルバルク39、長崎27)セカンドチャンス(アルバルク20 、長崎7)。ハーフコートではロシター→サイズのハイローを狙います。

前半は47-34の12点リードをつけました。

それでも第3Qは長崎が逆襲します。スティールからブランドリーの3P、5アウトからボンズのドライブ、やられてはいけないディフェンスリバウンドからのファストブレイク、そしてスティールからのファストブレイク。

長崎のアドバンテージをどんどん出されて残り6分53秒で51-50と1点差まで詰められます。

しかし、ここでこの日頼りになったテーブス(25得点4アシスト)がアイソレーションで決めてくれて53-50。
ここから流れが変わりました。

得意のスペインピックもサイズがスリップしてハイローを狙う新たな手法を使っていました。

第3Q残り3分51秒
ホーンズからサイズがアウトして橋本から左トップでもらいます。
左コーナーにメインデル、左スロットに小酒部
完全にスペインの体制です。

メインデルが上がってサイズ→メインデル。
ここでサイズが左ウィングでスクリーンをかけて
スロットの小酒部がサイズのマーカーであるパーキンズにスクリーンをかけてメインデルのドライブやサイズのダイブを狙うのが得意のパターンですが、すでに色々なチームに読まれています。

ここでサイズはスクリーンをスリップ、ダイブします。間に合わないのでパーキンズとチャンはスイッチします。すると小酒部はスイッチしたチャンにスクリーンを当てます。

すると何が起こるかというとゴール下でサイズと小酒部についていた馬場とミスマッチが起きているのです。

メインデルは右ウィングに上がっているロシターにアングルチェンジ。ロシター→サイズのハイローがエンドワンで決まりました。(64-53) 

でも、まだまだ終わりません。
第4Qに残り6分8秒には長崎はディフェンスリバウンドからアーリーオフェンスで狩俣のトップからのスリーでまた76-75と1点差までカンバックします。長崎の勢いと圧力は会場の声援も伴ってすごかったです。

しかしロシターのスリーでお返し。 
残り4分11秒には安藤のシューターセットで3Pが決まり82-75と突き放しました。

この日のアルバルクは3Pがよく入りました。(12/21、57.1%)長崎もよく決まっていたので(13/29、44.8%)ハイスコアなゲームになったのだと思います。

最終スコアは94-84となり、難敵長崎に天皇杯のリベンジすることに成功しました。

さあ、ホームで北海道に勝って今日、明日のクリスマスは齋藤拓実のいる名古屋との対戦です。

名古屋には20-21シーズンから6連敗、2年以上勝っていません。

長崎のようなトランジションチームに勝ちました。今年こそはホームで名古屋に勝ってほしいです。

photos by Ruuu

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