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俳筋力の鍛え方 -多作多捨- 実践編1

多作多捨の重要性についてはこちらの記事を見て欲しい

多作多捨にあまり時間をかけれないので、朝の30分と決めて行っている。30分で10句を目標に作っているが、せいぜい1~2句くらいひどい時は1句もできなかった。ところが、あるやり方を試し始めたここ1週間くらいほぼ10句作れている。(ただ30分10句毎日をやるには、そのうちネタ切れになるので、無限にできる方法は別途考える)

今回は、この方法についてシェアする。その名も、

「お家de眼中のもの皆俳句作戦」

その名の通りお家で見たものを片っ端から俳句にする。

[心構え]
・これは俳句にならないなどと言うフィルタを兎に角外す。それでも無意識にフィルタはされてしまうが、それでも見えたものを描写することに集中
・描写がうまくいかないからとやめない。下手でもいいから描写。
・いい句を作ろうとは決して思わない。ただ描写・描写・描写。

[手順]
・どこかに視線を向ける。
・1~2秒以内に対象を決める(俳句になりそうになくても面白くなくてもなんでもいい。兎に角決める)
・対象を7~15音以内を目安に描写してみる。12音だと後が楽
・描写を俳句の韻律に調整する
・それに見合う季語を斡旋する

これだけだ。ただ、これだけ言われてもまだできないと思えちゃう人もいるだろう。そこで、この記事書く前に、実践して見た。ほぼ30分で10句作ってきた。その過程の一部始終を記載しておく。誰かの参考になれば幸いだ。
一つだけ注意がある。僕の句を評価しながら読まないで^^。決していい句じゃないからと言うエクスキューズが一つと、いいたいのはそこじゃなく、多作多捨のための過程なので捨ててなんぼ。

では。始める。

朝7:30起床。30分くらいぼーっとして、さぁ、ルーティーンになりつつある朝30分作句トレーニングを始めよう。ちょっとその前にお腹の調子が。トイレに駆け込む。用を足した後のウォシュレット。どうにも調子が悪そうで、戻りが悪い。はいこれが目に映ったので一句読もう。まずは季語以外のフレーズ。
・ゆつくり戻るウォシュレット
いまいち、ぎこちない感じの描写ができてない。細部の描写に困った時のオノマトペ。「戻る」もいまいちなのでちょっと擬人化してみる?
・ギギッと帰るウォシュレット
不満ではあるがなんせ後9句もあるのでここいらでやめておこう。寂れたウォシュレットではあるが哀愁の中にもおかしみもあるなぁ。と言うことで、

「秋麗ギギッと帰るウォシュレット」

次行こう。用を足したら、タバコだ。庭に出て一服。風吹いたのだろうか、タバコの吸い殻が散らばってしまっていた。
・吸い殻の散らばる庭や
「庭」は僕の中で凡人あるあるワード。あえて特定しないで見ると?
・吸い殻の散らばってゐる
おっ。なんか雰囲気でたぞ(笑)季語どうするか。散らばっている感、白。落ち葉とかだとなんか道徳的に怒られそう。。対比構造になるような季語が良さげだ。季節は気にしない。

「吸い殻の散らばつてゐるクリスマス」

スマホの通知がなった。見ると何件も通知が連なっている。描写に悩んでいるともう一件来た。
・スマホ通知の重なり来
今度こそ落ち葉か?(笑)謎の因果で、

「落葉してスマホ通知の重なり来」

空見たら、うおっ。そんな風が吹いているわけでもないの、雲がさっそうとすごい速度で流れている。花野あたりがいいかなぁ。

「颯爽と雲の過ぎ行く花野かな」

タバコ吸い終わって顔を洗いに洗面所へ。鏡を見たら、まつげが一本長くなっている。
・一本の長きまつ毛
季語どうつけるかなぁ。なんとも寂しげなまつ毛だし、秋だし憂いてみようか。

「一本の長きまつ毛にある秋思」

「ある」がちとゆるいがまぁ一旦気にしない。水を飲むためキッチンへ向かう。パッと目に映ったのがポッカレモン。ポッカレモンの容器がレモンの形であることを見つけた。ふふっ。
・レモンの形した容器
綺麗に12音。季語がなんかの別のもの(容器とかおもちゃとか)になっていると割と俳句にしやすいイメージがある。ラッキー。夏でもいいんだけど、あえて季節をレモンからづらしてみるとどうなんだろう。

「山粧ふレモンの形した容器」

自分の部屋に戻る。席に座ってドアの方に目をやると、上の娘が通って行くところと目があった。娘とかはなんか雰囲気ないので、
・ドア越しに姉と目のあう
「越し」がなんとも散文感があるかな。
・ドア開けば姉と目のあう
朝だけで雰囲気は夜だな。

「ドア開けば姉と目のあう夜長かな」

娘を句にして見たら、沖縄旅行いった時のことをふと思い出した。なんくるないさTシャツを娘がきてたのでw
沖縄の飲食でもらったサメの口の大きく開いたドリンク容器がある。それを今ペン立てとして使っている。
気になって調べて見たらあった。

・サメの口開いたペン立て
サメにたくさんのペンが入っている。なんとも深い。季語も深いのがいいなぁ。

「サメの口開いたペン立て秋深し」

深いで、秋深しなんとも安易なwでも気にしない気にしない。
また辺りを見回すと書棚に一冊だけ逆さまの文庫本があった。

・逆さまの文庫一冊
季語があまり浮かばない。秋感はあるな。安易に読書の秋的な。よくわかないときは、xx月とか忌日季語を考える癖がある。今日ももれなく、

「逆さまの文庫一冊八月尽」

これで9句。ノートに書き留める。最後の一句はブログ書いた後の心境でも書いてみるかと思い、少し記事の構想を練ってから書き始める。そして今だ。心境は、誰かの役に立ちたいと言う承認欲求。
・ブログてふ承認欲求
なんか、俳句にするにはいまいちな感じだなぁ。なんか自嘲になるような季語が幾分ましかな。僕の思いをよそに、自由な感じ。

「ブログてふ承認欲求渡り鳥」

めでたく10句できました。
これ、あと1ヶ月もやっているとお家deは限界がくるwその時までに何か次の方法を考えなくてはな。

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