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「誰の味方でもありません」著:古市憲寿

古市さんの本はかなり好きで全冊読んでいる。面白すぎて、著作全部を一気に読んでしまう時がたまにあるのだけど、昨年は古市さんの年だったと言っても過言ではない。
この本は、週刊新潮に掲載されていたエッセイをまとめたものだ。新書版にあたり、各エッセイに最近のコメントを載せたものになっている。

相変わらず、文章のテンションや表現が独特で読んでいて飽きがこないなと思う。
古市さんはちょうど、1冊目の本を今の自分と同じくらいの年齢の時に出版している。その時から文章のスタイルはそんなに変わっていない気がする。誰にも媚びていないので、いつも読んでいて安心感がある人だ。

基本は古市さんの体験に基づいたテーマのエッセイになっている。テーマに対して切り口が斬新で考えさせられる内容が多い。
ふとした瞬間の気づきに立ち止まってみて、改めて考え直したり、より高い視点から見直したりする内容はとても面白かった。
この立ち止まるっていうのがなかなかできないし、全然関係ない別の出来事をつなげて理屈を通せるのはすごい。
各エッセイのタイトルがキャッチーで、目次を見ているだけでも「こりゃまた面白い内容なんだろうな」と思えてきて、ワクワクが止まらない。目次だけで興味を誘って、クスッと笑わせられるのは言葉のすごい力だ。
中には、超有名人に対して「こんな質問していいの!?」と言うくらい突っ込んだ内容もあり、世の中意外となんとでもなるんだなとぼんやりと思った。
それにしても、自分の興味に率直すぎて、読んでいて何度もツッコミを入れたくなった。

時々、別の本の紹介も挟んでいるのだけれど、またそれが多趣味で面白い。こんな本があったのかといくつか読みたい本リストに追加した。たくさんアウトプットをしている人は、インプットの量も凄まじいのだなと再認識する機会だった。

この新刊の発売を知ってその日にすぐ買いに行ったんだけれど、翌日にサイン本を作った旨のツイートがされていてがっかりした。せっかくならサイン本で欲しかったと。とはいえ、改めて2冊目を保管用に買うまでは至らず、まぁいっかと思ってしまった。タイミングが悪かったのだと思って、とりあえず自分の気持ちに整理をつけた。
生きている作家さんは、サイン本が出る可能性がある。忘れないようにしよう(別に集めてるわけじゃないけど限定に弱い)

誰かを楽にして、自分も楽になれる文章。いつか誰かが呼んでくれるその日のために、書き続けています。 サポートするのは簡単なことではありませんが、共感していただけましたら幸いです。