人生の価値の決め方とは(DEATH 「死」とは何か?)
コロナ禍において、人の死が日常的にニュースで報じられるようになりました。以前まで死をここまで身近に感じられることは親族の葬式くらいだっと思います。来月には自身ではないにしろ、親しい人が死んでしまうことを本気で恐れている自分がいます。
そういった心境で"死"をタイトルに持つ本を手に取りました。
(画像は2013年のLOFT ハロウィンのイメージキャラです)
死ぬことについて否定も肯定もしない
なぜ死は悪いのか?
死を悪であることを認めた場合、不死については良いことであると言えるのか?
著者は何度も死についての疑問を投げかけてきます。
一貫していることは、死について穏健派の立場を常に取っていることです。日本語訳版の最後のテーマの、自殺についても徹底的に批判するのではなく、今後の人生が悪いものであると決定しており、現時点で生きるのをやめるのが合理的な場合は自殺したほうがよいと言っています。(もちろん、未来の事柄に確実性はないと、このケースはかなり少ないとしていますが)
生きる意味を考えるために"生きる"
本書では何度も良い人生、悪い人生という表現が繰り返されます。
中でも触れられていますが、何が良い人生で悪いのかという具体的なリストなどはありません。つまり死ぬことは杓子定規に善悪の判断することはできず、状況状況で判断しなくてはなりません。
死は誰にも訪れること。だからこそ、死を恐れずに未来に起こる事実として受け入れて、良き人生とは?生きる目的とは?と問いかけながら生きるのだと伝わりました。
人生は何事もなさぬにはあまりにも長いが、 何事かをなすにはあまりにも短い。
学生時代に習った山月記の言葉がでてきて驚きました。人生が限られている以上、あらゆることを詰め込むことも答えですが、一般的に讃えられる実績を成し遂げるのは同等のリスクが伴うことを警告しています。ただ、ここでも人生の意義については言及していません。
哲学書の入門としておすすめ
非常に読みやすいので哲学書が苦手な人にもおすすめです。私はJustice「これから正義の話をしよう」が難しすぎて泣きそうでしたが、こちらはすんなり読むことができました。個人的には柴田裕之さんの和訳に慣れているのがよかったかもしれません。
(余談)そして、どう生きるか?
自分の人生と照らし合わせながら読みました。
友人の死などに向き合ったときのことを思い出し、その時その時は、自分の人生について振り返ったりしたものですが、同じような経験がこの本を読むことでできます。
私は「来年の同じ日に死ぬと決まっているならば、今何をするのだろう?」という疑問を自分に投げかけました。この本は自己啓発書ではないため、主題とはズレた行動の仕方だとは思いますが。29歳の自分には人生の意義や目的を考えるのは重すぎました。
来年の同じ日に後悔なく死ねるように、このnoteを書きました。
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