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ダスクモーン:戦慄の館のレビュー


はじめに

どうも、たこめがねです。
いやー、「ブルームバロウ」とローテーションは対戦環境を激変させましたね。
グルール(この場合筆者が好んで使うストンピィ指向の構築を指す)はまだ芽が出ない様子です。

そして「ダスクモーン:戦慄の館」が発売されようとしています。
……早い気がする。
自分の前回の記事から見出しなど参考にしようと目を通したのですが、7月末が「ブルームバロウ」のプレリリースのようです。
2ヶ月とはスパンが短いな……国産TCGが3ヶ月ぐらいじゃなかったっけ?
まあとりあえず、いつも通りカードを見ていきましょう。

この記事は「ダスクモーン:戦慄の館」のレビューです。
MtGを楽しんでいる皆さまにおいては、自身の感想・考察との突き合わせなどをお楽しみいただければ幸いです。
注意点として、私の視点はスタンダードかつグルール(赤緑)のストンピィ(あるいはグルールアグロ)の立場に非常に偏っており、その角度からの評価を不要とされる方には楽しみきれないかもしれません。
では、以下からカードナンバー順を基本として進めます。
相応の文量があるので、時間・体力とご相談の上、読み進めてください。

各カードのレビュー

・《永劫の無垢》
R0006DSK
白永劫。永劫サイクルに共通するが、生物として死亡しても置き物として残せるので生物側のスペックはそこまで重視しなくていい。ということで注視したいのは置き物としての効果だが、歓迎する吸血鬼と同じ、……?普通生物が置き物のような効果を持つ際は除去のされやすさを考慮して1マナ弱程度軽くしてもらえる、つまり歓迎する吸血鬼の効果を持つ置き物は4マナ弱が査定と推測できる。それが置き物としてほぼ確実に残せるこのカードは3マナ……軽いなぁ……。また、生物としての側面により重ね引きしたこのカードを連打することで簡単にドローを進められる、偉い。ウィニーの構築がどのように変遷するか次第だが、充分使われうるパワーカードと見ている。

・《悪魔祓い》
U0008DSK
ソーサリー置き物除去+白の大型限定除去。置き物除去ながら生物に触れることでメインから採用しやすくなっている、近年邪悪を打ち砕くが採用されていたように。また追放除去であることから死亡時効果のある心火の英雄やアクロゾズの処理をきれいに行える。最近の白の万能除去は生物の他はエンチャントのみのものが見られたためアーティファクトに触れられるのも評価点。一方で、インスタントではなくソーサリーである重さ、ソーサリーなのに2マナという重さ、二重の使いづらい要素が存在する。活躍が見られることは予想できるが、どの程度のシェアになるかは今後の試運転結果待ち。

・《ミストムーアの大主》
M0023DSK
白大主。大主サイクルに共通する認識だが、兆候でプレイされておまけ感覚で大型生物が出てくるものと思ってる、ので生物側の除去耐性には突っ込まない。兆候4マナでトークン2体は標準的。飛行2/1は、精鋭射手団の目立ちたがりと相打ちできるが、ゾラリーネや屑鉄撃ちに対応しきれない塩梅。現在は世話人の才能を軸にした後ろ向きな除去トークンデッキが流行しておりダメージソースとしての採用がありえるかもしれない、一方で攻め寄りの性質から大天使エルズペスなどの役割広く動かせる余地のある既存カードのポストを奪えるかは疑問。7マナは払われないだろうなぁ。

・《尻込みする優等生》
R0026DSK
生存で乗るカウンターや死亡時にカウンターを残せる能力は見どころがあるが、そもそも攻撃参加が難しい。直近ではフィニアスが似た評価だったがあれは生き残らなくても1回の攻撃で大きなアドバンテージを稼げるから放置できないし強いということを対面で実感した、生き残る必要がありそもそも稼ぐアドバンテージが小さいこのカードの活躍は難しいだろう。

・《幽霊による庇護》
U0030DSK
払拭の光系かつ強化オーラ。コンバット視点ではタフネスが上がらないので処理は難しくない。ただコンバットを回避する動きができればかなりの制圧力を発揮すると予想する。具体的にはゾラリーネで攻撃して効果でこのカードを展開し除去、ブロッカーがいなくなったので悠々と叩く、など。そういった使われ方も含めて、もちろんビートダウンでの運用が主になるだろう。どことなく粗暴な聖戦士系の雰囲気、グルール的には敵。

・《別行動》
R0032DSK
範囲限定全体除去、定番だね。定番ではあるが既存のものが、コストが高い+1つの分類のみ除去、という形式がほとんどであるのに対してこのカードは、コストが低い+2つの分類から選んで除去、と格段に質が良くなっている。特に相手のクリーチャーのみ除去できるシチュエーションでは大きなアドバンテージを稼げる見込み、MtGでは珍しい複数除去の役割を果たしうるパワーカードだと見ている。(MtGの除去は、除去1枚と相手のカード1枚を交換、除去1枚と自他問わず全てのカードを交換、がほとんどであり中間択の、除去1枚で相手のカード複数と交換、が少ないあるいは可能な状況が限られるという認識。だから枚数差を作られると捲るのが難しい。)一方で全体除去としての信頼性は対面に攻撃した生物と召喚された生物が混在しているシチュエーションで落ちるため、コントロールでの採用は少し疑わしいところ。採用先は……ビートダウンの全体除去、か?あまり前例が思いつかず評価し難いカードだ。

・《画面の中への幽閉》
C0036DSK
払拭の光系カード。護法がついており一時的除去でこそあるがゲーム終了まで除去したカードを返還せずに済むことも多いだろう、テンポロスの強みは反射魔道士でみんな知ってるね?(私は当時変なゲームでしかMtGやってなかったので知らない)類似カードはスタンダードローテーションに存在する存在の封印、PWを除去できないのは苦しい一方マナシンボルは軽い、そもそもPWは数がぐんと減っているためこちらの方が使われる機会が多くなりそうだ。今のところ払拭の光系は骨化や力戦の束縛あたりが採用率高い印象だが、このカードも構築や要求される除去範囲の変遷によって採用率を伸ばしうるカードだろう。

・《未確認浮遊船》
R0037DSK
ETB除去する機体、どちらかといえば払拭の光側。サイズを限定したり戦場を離れた時別ものを返還したりするあたりはスカイクレイブの亡霊っぽさもある。スカイクレイブの亡霊と比較すると除去できるのが生物限定なのが厳しいか。今後のスタンダードで機体を取り上げられたタイミングで思い出したいカード。

・《薄気味悪い双子》
C0038DSK
雰囲気のあるイラスト、著名な元ネタ、4マナ2/2×2。結構好みですね。クリーチャー・タイプはホラーとかの方がらしく感じるけど元ネタは人間なのかな?(元ネタを未視聴の男たこめがね)(観たけどスピリットあたりかな?と解釈した男たこめがね)

・《望まれぬ改作》
U0039DSK
1マナインスタント除去。過大な贈り物系の補填付き除去でこれは戦慄予示をさせる、性能として一番近いのは現実変容か。まず除去でありながらクリーチャーを残す系譜は少なからずリスクを伴う。しかしそれ以上に、1マナインスタント確定除去の存在は環境に大きなインパクトを与えると考えている、1マナと2マナは天と地の違いがある。戦慄予示自体のリスクは、クリーチャーを引かれない当たりと、中型以上のクリーチャーを引かれるハズレがある。どちらも起きる時は起きるが、今の果敢や除去の濃いミッドレンジの存在する現状を踏まえると土地も込みでハズレの方が多くなるんじゃないかな。とはいえ2/2は策があれば怖くないが無策で対峙してはいけないライン、噴水港の1/1トークンなどではすぐには止まらないため。使われることは間違いない、1マナインスタントにはそのぐらいのインパクトがあるが、今後どの程度使われるかは試されるのを見て判断。

・《古参の生存者》
U0040DSK
生存という能力自体が達成が難しい、生存達成できるタイミングで都合よく墓地に追放するカードが置かれている可能性は低い、自己強化できたとして進化したスパイノダームの活躍を鑑みればコンバットで抑えられて終わり。まあ構築では厳しいでしょう。

・《放浪する救い手》
M0041DSK
瞬速召集で唱えて呪禁付与で盤面を守る生物。瞬速召集自体土地が寝ていても使えるカードということで奇襲性が高く単純にパワーカード、この瞬速が強いのは放浪皇思い出すね。その上5/3/4二段攻撃と戦闘でも強い部類。また呪禁付与は登場ターンに限定されておらず後のターンに攻撃した味方も守れるのでパッと見より強そう。総合的にシンプル強いカードと思った、特に5マナのカードに5マナ支払わなくていいのが強いよね。

・《忌まわしき眼魔》
M0042DSK
追加コストが重いが高スタッツのフライヤー兼継続的な生物供給を行うシスクリ。ドラゴンホークを使えばわかるが現環境で5/5飛行はそうそう止められない。戦慄予示による戦力供給も相手メインを待たずに行われるため確度が高め。よって出せて着地狩りされなければ強い。出す手段としては今のところ救いの手などによるリアニメイトが検討されているようだ。着地狩りについてはクリーチャーデッキ使いとしての知見に偏ってるのでマスト除去たくさん投げて除去を枯らそうとしか言えない、除去に抗える余地があるならもうとっくにやってる、青なのでマナ起こして打ち消し構えるのがベタかな。運用に高いハードルがあるが、試されてそれが簡単に越えられるものとわかれば流行するだろう、カードパワーはあるぞ、ハードル越えられるかな?

・《呪われたウインドブレーカー》
U0047DSK
謎めいた外套を思わせる装備先を用意する装備品。比較すると、セルフバウンス効果が無いためこのカードを狙う除去を躱わせないしこのカード1枚では1体しか展開できない。構築級ではないようだ。

・《永劫の好奇心》
R0051DSK
青永劫。置き物効果は沿岸の海賊行為、偵察任務、あるいはトスキ等でお馴染みのサボタージュドロー付与。くわえてこのカードは瞬速を持つことで置き物としても生物としても大きなアドバンテージを得ている。瞬速置き物としてはブロック指定を見てから出すことで、ドロー効果を誘発させやすい状況を作る。瞬速生物としては相手の攻撃指定を見てから出すことで、ブロックで一方戦闘破壊ができ、相手にブロッカーを用意できない攻撃指定をさせうることで次ターンのサボタージュドローを誘発させやすい状況に持ち込みうる。瞬速召喚して相手の攻撃と相打ちになっても置き物として残るため、効果は攻撃的ながら守勢に回しやすい。瞬速永劫サボタージュドローという強い効果3つと必要十分なスタッツを1枚に集めた強いカードだというのが今の考えだ、今後4マナ立ってたらこいつを警戒しないといけないかも。

・《謎への突入》
C0052DSK
1マナ1ドロースペル、ソーサリー。効果はあまり見応えがないので触れるべきはこのぐらいか。

・《精体の追跡者》
R0053DSK
青のエンチャントレス。私はエンチャントに詳しくないが、ほとんど緑白にカードが集中しているというのは知っており、実際エンチャント愛好家の言によれば青でエンチャント関連は珍しいらしい。エンチャントは多くがソーサリータイミングと不器用な挙動になるだろうから(グルールとしては親近感を覚えるね)、瞬速で比較的安全に着地させられるのはありがたいだろう(グルールとしてはうちにも瞬速生物を始めとしてインスタントタイミングの行動を充実させてほしいところだね)。

・《落第への恐怖》
U0055DSK
通した戦闘ダメージの点数分ドローできる。私はパイオニア以下や統率者戦では変容によりこの効果を高スタッツで誘発大量ドローできることを知っている、冷淡なセルキーでいいのでは?というか変容じゃなくて装備品やオーラでいいのでは?変容なら統率者領域に置けたりサルベージがしやすかったりするんじゃい。冷淡なセルキーでいいのでは?……うん。

・《虚偽への恐怖》
U0057DSK
確定打ち消しの補填に戦慄予示を与える、白鳥の歌の系譜となるカード。これまでの類似効果は1マナと軽量である代償に補填を与えていたが、このカードは3/2の生物を出す代償の補填のようだ。打ち消し界隈には明るくないため性能を計りきれないが、マナコストの重さと戦慄予示の生物と相打ちあるいはオモテ側によっては一方を取られることを考えるとカードパワーは低いのではないか。

・《フラッドピットの溺れさせ》
U0059DSK
瞬速タップ効果、それに加えて分割計4マナ除去スペルのように振る舞える。青の理念に則った選択肢の多いカードで、かつ青の手札の中でも除去として確度の高いデッキバウンスを扱える。なかなかよさそう。とはいえマナが嵩むので構築級かはまだ不明。

・《変貌の力線》
R0063DSK
秘儀での順応効果の力線。普段生物でギチギチに固めたデッキばかり組んでいるのでこういった既存のカードリストからは読み解けないシナジーを産み出すカードは評価しきれない。なにかしらのマイナークリーチャータイプに爆発力のあるカードが潜んでいそう、とは思いついた。

・《精神刮ぎ》
R0066DSK
ダメージを切削に変換する、デュエマのアダムスキーみたいな奴。ざっくり50点のダメージを与えれば確殺……それなら切削じゃなくて普通にぶち込んだ方がいいと思う……、ライフゲインに対する軸ずらしと考えてもその場合30点ぐらいに収まらないと勝利条件の達成が困難すぎる。ということを他の方も考えているらしく、今のところ軽減無効効果と併せて大ダメージを通すコンボが考えられているらしい。しかしカードパワーの低い2種の組み合わせがうまくいくだろうか、いやうまくいってしまうこともあるけどこのカードはどうなるかなぁ……。

・《鏡の間/砕けた世界》
M0067DSK
左のドアはコピートークンの生成、右のドアは誘発の倍化。とりあえず左がコスト相応に見えたのでこちらを目当てに採用しうる。右はコストが重いが、左を置いてしばらくしてからマナが余った際には使い物になるだろう。カードパワーのそこそこ高そうな部屋カードだ、採用するデッキはわからないが。

・《フラッドピットの大主》
M0068DSK
青大主。シンプルなドロー効果のフライヤー。2ドロー1ディスは2マナ弱の効果であり3マナ設置に見合わない、他の大主が兆候マナコスト相応の登場時効果が多い中見劣りするように感じる。かといって素の召喚は5/5/3飛行で耐性も無い、召喚ターンだけ見ればリミテッド級から一回り大きい程度だ。察するに継続的なドロー効果を危惧して査定を重く見たか。しかしタフネスの低さから火力や戦闘で受ける手段が多い。このカードが他のカードを活かすとはあまり思えない、このカードのために花道を作って運用することになりそうだ、あるいはアンズラグのように構築内の角度の違う戦術として少数採用されるか。飛行5点自体はライフカットとして強いので対面して油断できるほどではない、環境が抑え込めるという話。

・《静かなる広間這い》
R0072DSK
アンブロッカブル、3種のサボタージュ能力付き。サボタージュ能力は選んだことのない能力から適用しなければならない、まるで黒のようなデザイン。うち2種はドローとカウンターによる自己強化でありクロックパーミッションに適性がありそうに見える。しかし最後の自分の他の生物をコピーする能力がそのプランを破壊している。このコピー能力はクローン系のものであり、コピーが成立すればこのカードが持つ他の能力は消えてしまう、重要なアンブロッカブルもサボタージュも消える、残せるのは+1/+1カウンター2個ぐらいか。他の生物を出さないようにすれば3/3アンブロッカブル+使い切り1ドローを扱えるためその運用を目指すべきか、しかし1ドローのみで足りるだろうか。適当に傲慢なジンあたりをコピーしてしまえばいいのかもしれない……。結論として、青はよくわからない。

・《声も出せない》
C0078DSK
(pixivですべき話なので自主規制)

・《付属肢の融合体》
C0083DSK
黒でこういった瞬速に特別の意味がない瞬速生物は珍しいね、大体傷ついた生物にトドメの破壊をくれてやるために瞬速がついてるデザインが多い印象。カラーパイに瞬速を含まれることをこうして確認させてくれるのは結構なことなんだけど、緑のカラーパイにある瞬速ももっと確認の機会が欲しいね。

・《望まれぬ復活》
R0086DSK
コンボ色の強い除去ないし黒い明滅。素直に使えばETBでアドを得る運用が主になるだろう。相手の生物を破壊するなら強いETBを奪ってやりたいので、アトラクサあたりが仮想敵になるか。自分の生物を破壊するとして考えたが、宝物庫生まれの暴君が最高だろう、2体のコピートークンが残り5ドローと15点のライフを得られる。あるいは無難に仮想敵を定めない除去として採用しておき、構築に速攻付与を仕込むことで時折攻撃が必要な効果も奪える、程度の温度感でもいいだろうか。単純な除去としては3マナソーサリーと重め、やはりコンボ色が強くてカードパワーは低いだろうか? あるいはソーサリー除去とはいえコスト以上のアドをちょろまかしたETBで稼げるか? 案外ETBだけで飯食ってるような生物は少ないんだよな、大体戦闘参加なりして貢献している。今の認識をまとめると、このカードはコンボカードであり扱える構築は限られるだろう、しかし除去として有用なら採用率が跳ね上がることもあるだろう、といったところかな。発売後数ヶ月は待たないと正確な評価はできないかもしれない。

・《永劫の不屈》
R0095DSK
黒永劫。効果は血なまぐさい結合。元ネタが古いだけあって置き物としてはコストが下がっている。採用先はやはりライフ系の構築になるだろう、現在は白黒で充分戦える構築ができるようでありそこでの採用がまず期待できる。4マナ設置は重めだが、標準サイズの生物に食らいつけるスタッツを持っているため戦闘に参加することで設置の隙を誤魔化せる、永劫サイクルの強いところだ。採用を争うカードとして星景の僧侶が存在する、2マナと4マナの2パターンでプレイできて柔軟性が高くコウモリシナジーの回復量は1回1点であるものが多いため星景の僧侶を優先する構築も多くなるだろう。中型以上の絆魂生物などと組めるならこのカードの優先順位も上がるがマナカーブが後ろに寄りすぎるだろうか。ライフ系は敵だが活躍の監視はしておきたいカードだ。

・《続・食肉鉤虐殺事件》
M0108DSK
続編登場、あの食肉鉤虐殺事件が帰ってくる……。はい。評価軸を作るのが難しいカードに見える。Xは種含めてコストが重いため、ひとまずX=0で考えるか。基本的に相手生物はライフを犠牲に蘇生されないだろうから自分の生物を蘇らせる置き物と見てとれる。4マナ設置は重くしかもクァドラプルシンボルだ、が類似カードはこれ以上にコストが重く相対的に最も実戦向きのカードではないだろうか。採用されるとしたら黒単、除去を濃く積み相手を減速させて少量の優秀な生物で攻める、そのスパイスに果たしてこのカードが採用されるだろうか、敵意ある調査員あたりとは相性がよさそう。黒はほとんど触ってこなかったんだよな……。今のところの結論としては、設置4マナで噛み合えば強い置き物は無数にありそのほぼ全てが充分な活躍の機会を得られずにローテーションを迎える、ということになるだろう。Xを払えなければ単体で何もしない置き物だからな、今後採用されるにしても少数枚に留まる筈。

・《逃げ場なし》
U0111DSK
実質インスタントの除去エンチャント、さらに呪禁護法を無効化する。コスト相応の除去効果を持っており、なおかつパーマネントということで現在のカードプールでは有用な活用法が広い。シンプルに優秀な除去だと考える。護法貫通についてなんだけど打ち消されない効果は赤が第1色という認識なので赤のカードプールに有用な護法貫通がないうちに黒に構築級のカードを配ってるんじゃねーよという感想。

・《ベイルマークの大主》
M0113DSK
黒大主。兆候マナコスト最軽量だがそれも頷ける能力、切削+サルベージは墓地に回収したいカードがないシチュエーションで使いたい効果ではない、能動的にどんどん使えないカードというものはどうしても弱い時間が生まれてしまうものだ。またサルベージは押しつけが強い能力というわけでもない、例えば5マナ域のこのカードと引き換えに序盤墓地に落ちた2マナ域を回収してもうまみは小さいだろう、今のミッドレンジに採用されるような黒の生物は押しつけができる効果を持っていることが多く潮流から外れている。本体の戦闘力も踏まえると、弱いわけではないがこのカードに可能な仕事の需要が少ないように感じる、一番強くない大主と予想した(弱いというには大主サイクルはみんないいこと書いてある)。

・《不浄な別室/祭儀室》
R0118DSK
左はファイレクシアの闘技場系のドローソース、右はシンプルな単発トークン生成。ファイレクシアの闘技場はスタンダードに存在するが活躍はほとんど見られず使用者からの反応も芳しくない、左はファイレクシアの闘技場よりドローのタイミングが1ターン以上早められているしシンボルも緩いがこれのみで活躍は難しそうだ、一応デーモンのコントロールで2点と大きめのライフルーズをドレインに反転させることができるが生物がそう簡単に維持できるMtGではないので期待しすぎない方がいいだろう。右は大型フライヤーの生成、5/6/6相当はかなりのパフォーマンス、とはいえスタッツが若干良いフレンチバニラが自信を持てるほど構築戦は優しい世界ではない。左右共に単体では力不足ではあるが、それぞれの効果が汎用的でありなおかつ1枚のカードに収まっているのが評価できる、両方を使う想定のデッキに採用されることはありえると踏んでいる。一方シナジー系のデッキはこういったシンプルなカードと噛み合いづらいことが頻発するので頻繁に見かけることもないだろうと見ている。

・《止められぬ斬鬼》
R0119DSK
サボタージュ能力でライフ半減を行う、時折黒に現れる派手な効果の生物。接死3/2/3とサイズは並、タフネス4だったらウィザーズに中指突き立てたよ。ここまでなら50円レアの風格だが、死亡時に麻痺カウンターと共に勝手に蘇る効果を持っている、つまり1回の戦闘や除去では処理できないということ。きれいに処理する手は、麻痺カウンターが乗っている間に追加の除去を使い2枚消費で完全に死亡させる、あるいは追放除去を使う、あたりになるだろうか。しかし現在の黒の生物はアドバンテージ重視であり、このカードのようなライフカットに強く傾いたカードが採用されるかは判断しかねる。自己蘇生が非常に厄介であるため、ライフカット重視の構築なら発売直後から最大枚数採用されてもおかしくないと感じた。やはり最近は追放火力を採用したいし他の生物にも当てることを考えたらもっと数値を上げてほしいな、抹消する稲妻が存在していて焦熱の竜火は再録されるが両方合わせたインスタント2マナ4点追放火力が生まれてほしいところ、どうせ本体に当てさせてくれないなら除去としての確度を上げてくれ、ファウンデーションに入れてくれ。あと追放格闘または追放噛みつきも緑にくれてやってくれ。

・《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》
M0120DSK
ダスクモーンの看板、巨大デーモン。マナコストの重さ、スタッツと能力語の優秀さとファッティの風格抜群。相手の墓地に落ちるカードを追放、それをマナコスト分のライフコストでプレイできるシスクリ能力、非土地パーマネント3つという硬い護法。総じて生き残れば勝てるフィニッシャーといえる。出せれば優秀なパワカだが使われることはあるだろうか、ポストを奪い合うのはアトラクサだろう。アトラクサと比較すると、サイズと耐性の硬さと墓地追放によるゲームへの影響力に勝り、即時のアドバンテージ回収と警戒による防御能力とマナコストに劣る。微妙な差だ、これはどちらを優先するデッキが産まれてもおかしくないと考えている。マナコストを払うならアトラクサか、踏み倒すならヴァルガヴォスか、デッキに強いカードを詰め込むならアトラクサか、1枚で勝てるカードを探してるならヴァルガヴォスか、etc.、etc.。使い道を探す価値のあるファッティだろう、私が使うカードではなさそうだが活躍を期待したい。

・《萎縮させる責め苦》
U0124DSK
生物とエンチャントを選んで除去できるカード、黒の削剥か。黒のエンチャント除去は層が薄いので扱いやすい新規が来るのはいいことだ。とはいえ既存のエンチャントはある程度除去されない前提でカードパワーを調整しているように思うので、今後の黒のエンチャント除去にこれ以上のカードパワーを求めるのは一旦待ってほしいところ。削剥といったけど、黒2マナインスタントデメリットなしかつモードで生物とエンチャントから選んで除去、みたいカードを刷ることにはまだ慎重にならなければいけないタイミングだと思う。アーティファクトは正直残してもあまり強くないカードが多い感じがするから、それで赤の過剰なアーティファクト除去を空回りさせてるんじゃないか、という仮説。

・《裏切り者の駆け引き》
U0126DSK
2マナインスタント5点追放火力、ただし重めの追加コストが必要。追加コストとPWに当たらないことを除いては現スタンダード環境に提示された要件ほぼ全てを満たすソリューション的な火力。可能なら使いたい、しかし追加コストが重い。赤は切り捨てて構わないくらいクリーチャーを並べるのも生け贄にしていいエンチャントを用意するのも苦手なんだよな。アーティファクトが使えたならまだ生け贄の用意がしやすかったろうに。最適な生け贄は役割トークンになると考えられる、次点で噴水港の魚トークンか。どうにかして生け贄を用意できる構築が生まれてほしいところ、しかし火力ごときのために構築を変えようとは因果が逆なのではないだろうか、勝ち筋を邪魔する相手の生物を退かすための火力であるはずがまるで勝ち筋気取りで構築の軸を決定する立場になるとは。使いづらそう、使えるようになってほしい。……これ使えるように考察進めるの面倒くさいからこれの追加コストを取っ払ってPWやバトルにも当たるようにした新規くれない?赤に考えさせないでほしい。

・《チェーンソー》
R0128DSK
ETB火力を放つ除去パーマネント。パーマネントが残るというのは現在のカードプールでは活用法が広い。なんか装備できるらしいけど書いてあること弱いな、あまり意味はなさそう。なんでレアなんだ?リミテッド忖度か?

・《永劫の勇気》
R0133DSK
赤永劫。置き物効果は戦の只中、あるいはオーガの戦駆り。速攻付与に今さら語ることもありませんね。私はこのカードの適性コストを3だと思っています、4にするならこれ自身の登場時にも速攻付与できてよかったんじゃねえかな? 速攻付与エンチャントの例としては最近は活力の温泉、野生の律動、あるいは獰猛化、古いものは熱情などがあります。これらから私は速攻付与だけなら3マナ相当の効果だと考えています。そして永劫サイクルは白青黒と効果とマナコストが一致していると感じているため永劫エンチャントであることによるコストの増減はないと考えています。よってこのカードの適性コストは3であると結論づけました。はい、まあ4マナなんですけどね。このカードは赤によくある、アグロ警戒してコスト査定を重くしたら使うデッキが無くなるシステムカードの系譜ではなかろうか。速攻付与なんてそうそう活躍しませんしー。まあ永劫なので生物であることは偉い、活力の温泉を使った不満は生物尽きてから引いた時の弱さだった、でも4/3/3は生物カウントするの厳しいわ……。グルールとしてはあまり期待してません、この冷めた視線を裏切ってくれたらむしろ嬉しい。あ、犬だから統率者リンとセリに入れられるー。

・《ボイラービルジの大主》
M0146DSK
赤大主。他の大主とは一線を画す強力な効果を持つ、任意対象の火力はそれだけの大きなインパクトがある。火力とは、本体に撃てば勝つ、生物に撃てば負けない、本来はこのカードのような万能な効果のはずだ、現状は火力ごとに用途を限定されることでその本来の力を潰す調整を受けている。任意対象の火力に限定すればカードパワーが最も高いのはこのカードになるだろう、期待が持てる。一方でその効果に見合うやや重いコストづけをされている。素のコストは6、兆候コストは4、……どちらかが1低ければトップレアだったろうがしっかり調整されている。またここまで褒め称えてきたが、そもそも火力は高タフネスに弱みを見せるし、単体除去に過ぎないため横並びアグロも処理しきれないことが多い。マナコストの重さ、兆候のタイムラグ、火力自体の脆さ、そもそも耐性のない生物の脆さ、それらを解消した瞬間は無法なまでに活躍してくれると期待できる。グルール一押しのグッドカードだ。どうにかしてマナ伸ばして使うぞー、緑大主と同じデッキに入れるのがいいかな。グルールサプライズ(密輸人の驚きランプ)の火力枠としても使いたいかもね、あれ除去が少し足りないからマナ加速兼用のロクサーヌを入れるわけだし、峰の恐怖は瀕死コンボがあるから完全に交換したくはない、ランプ対面の相手が盤面更地なんてそうそうないので赤大主+カラミティだとちょっと火力不足になりかねない。

・《紅蓮地獄》
U0149DSK
全体火力。現在の標準的な全体除去は3マナであり、そこに赤のみ2マナの全体火力を手に入れることはアドバンテージがある。赤は非確定な代わりに黒より軽量な除去に恵まれるイメージがある、2マナ黒確定除去と1マナ赤火力の比較だね、そのぐらいしないと黒の下位互換で終わってしまうのでちゃんと活路をデザインし続けてもらいたいところ。さて当然対アグロを想定して採用されるだろうが、心火の英雄が育つ、インスタント構えしている果敢生物、精鋭射手団の目立ちたがり計画、怪物役割トークン、と現在はアグロもサイズアップの手段が豊富であり2点火力では掃除しきれない可能性もある、安定して掃除できるのは召集あたりになるだろうか。また、赤が投げ飛ばしを絡めれば3ターンキルを行えるようになっているため、それに対して後2で待ったをかけられるというのは唯一性がある。総合すると、現代では通ると断言しきれない程度の火力だがコストの低さを武器に採用場所を見つけたいカード、か。まあ使われるでしょう。

・《剃刀族の棘頭》
R0153DSK
継続的なバーンダメージを与えるシスクリ。煮えたぎるバイパーや焼炉の懲罰者の活躍を思い返すとあまり期待できない。

・《焦熱の竜火》
C0156DSK
再録火力、抹消する稲妻がインスタントになったら3点火力になったみたいなカード。4点ほしい、分派の説経者はまあ火力切らないとしてもアクロゾズ焼きたい、成長して怪物役割トークンついてる心火の英雄も長期間焼けるようにしてほしい。団結のドミナリアからずっと火力の点数がほしい、正確には、コストを低く火力を高くインスタントで生物以外もちゃんと焼ける、そういう火力がほしい。除去の仕事を担う火力が除去を満足にこなせないなら存在する価値ないしね、タフネスをインフレさせるなら火力もそれに合わせてインフレしないと駄目だよ。とりあえず塔の点火と入れ替わりになるデッキはある。今弾で追放したい生物は永劫サイクル、止められぬ斬鬼、尻込みする優等生、不死の疾走者、こんなところか、永劫サイクル全てを追放領域にぶち込めるのが特色だね。

・《叫ぶ宿敵》
M0157DSK
3/3/3速攻と標準的なサイズ、赤に時折見られるダメージ反射効果。これのみでは構築級にはならないが、反射効果のダメージを当てたプレイヤーは永続的にライフ回復ができなくなる、強烈なアンチライフ効果を併せ持っている。ライフデッキは一度嵌れば全体除去以外の対処手段がないようなことも多く、ある程度抗える余地を生み出せるのは望ましい、まあこれでライフデッキに勝てるかというとライフ回復を封じられたとしてもそれまでの過程でバカみたいな速度で成長する生物が立ってバカみたいな速度で育ってることが定番なのでそいつを突破できずに負けることが想像に容易い。このカード自体はそこまで強くないが活躍の機会はあるだろう、こういったアンチライフは定期的に赤によこしてほしいものだ。

・《欄干ワーム》
R0168DSK
5マナかぁ……。速攻生物としては緑を見ると、斧折りのフェロックス、コグラとイダーロ、ティラナックス・レックスあたりが既存戦力で、5/5/5程度の中間択が存在してなかったことになる、ひとまずそこを埋めてくれることは褒めたい。サイズに注目すると5/5は簡単には相打ちを取られないサイズであり4/4以下とは生存力が違う。マナコストは5とマナ加速がほしいもののあまり傾倒しなくても捻出できるライン。よってビートダウンのマナカーブの頂点がこのカードのポストだろう。打ち消されないと速攻によりコントロール対面の切り返し役や詰め役に向いている、打ち消されない生物は少なく、スラーン、ティラナックス・レックスがせいぜい、まあ今は魂の洞窟が使えるので打ち消されない優位性は多少小さく扱われるか。ここまでなら席の空いてた場所に運良く座れただけのカード、明確な強みに欠ける生物だが、目玉能力として昂揚による自己蘇生が可能だ。戦闘に強めのアタッカーが再利用できるというのはグルールでは超希少、どのくらい希少かというと私が普段使いするデッキでも6マナタップイン蘇生なラノワールの緑後家蜘蛛が優先的に採用されることがあるくらい希少、なんであんなフレンチバニラをありがたがらなきゃいけねえんだ。中型かつ戦力維持の面で近い立ち位置には竜翼の滑空者もいる、こちらは装備コストが無駄に重いので冷や飯食いが続いている。ではこのカードはどうか? ……昂揚達成ゲロ重い! サイズ能力語は及第点、マナコストは類似として名を挙げた2枚よりはるかに実戦的に抑えられている、ただそもそもの昂揚という発動条件がグルールでは重い……、今弾のグルールと昂揚については多色カードのどれかで長めに書こう。昂揚達成すれば有力なカード、昂揚達成は困難なので使い物にならない、これが今の結論だ。

・《安堵の別れ》
U0171DSK
置き物デッキバウンスは追放に次ぐ除去なので使い道があるかもしれない、ただソーサリー2マナなのは厳しいな。どちらかといえば一つの指輪があるフォーマットの方で検討されるかもしれない。スタンダードだと破壊不能置き物は少ないものでな、まあスタンでは目立たないカードだと思う。

・《永劫の活力》
R0176DSK
緑永劫。効果は謎の石の儀式、永劫サイクルでこれのみ元ネタより明らかに重いコスト査定となっている、元ネタと違い単独でもマナクリとして仕事を果たせる見込みの査定か。マナクリ化は派手なようでいて、太陽降下と死人に口なしが存在する今日この頃、触りやすい盤面にリソースを蓄えるより土地の形の方がマナとしての信頼性が高いのではなかろうか、そもそも今の緑は準備段階で横並びできる色ではないしな。また他の永劫と比較した時に除去に弱い点が脆い。ラスゴを撃たれたとしよう(今なら太陽降下が仮想敵だけど一旦無視)、全ての生物は破壊され更地に永劫だけが戻ってくる、ラスゴされて終わりというわけではないので当然再展開をする、その盤面はどう見えるだろうか?黒永劫だけ怪しいが他の永劫は再展開した生物が永劫とシナジーするように見えないか?全体除去されて復旧が難しいのは緑永劫だけではないだろうか。そもそも単体除去でも緑永劫に当てられると1マナ減るので痛い、他の永劫で影響があるのは自身でサボタージュを誘発させられる青永劫だがそれよりも手痛いと思う。3/3というサイズも突っ込めなくはないが永劫は置き物の性質が濃いのでまあここは無視できる、よかったね。総評、マナクリ化が噛み合うカードプールではない、除去に強いサイクルで抜けて除去に弱い、以上の点に注目して、あまり期待できないな、と言わせていただきます。

・《ホーントウッドの金切り魔》
M0182DSK
3/3/3が気安く攻撃できたら苦労しねえ、俺のグルール木霊アグロランプは3/3が標準サイズで分派の説教者対面にのたうちまわったんだ、噛み合い次第でちょろちょろっと殴れる時間はあるがメイン採用は分派の説教者を見かけなくなってからだろう。なんかダブルシンボルだしよお、シングルシンボルでいいんじゃねえか? まあ攻撃するたびにシンプルにアドを稼ぐので緑の中ではマスト除去側、うわー太陽降下ー!?一時的封鎖ー!?はい、結局盤面に出力する形でリソースを稼いでもこうなります緑はこれに悩んでるんです。クロパの形なら活躍するかな、えっ!?3マナ能力語ないスタッツリミテッド級の生物でクロパ!? まー……、起動能力でデカいの踏み倒すロマン構築に採用されるかな、いつものおもちゃ神話レアと見る。偏見なのわかって書いちゃうけど、こいつ白だったらETBで1回のみだけど隙なく戦慄予示して起動効果は裏クリーチャーに+1/+1×1乗せるみたいな使いやすい(≒こいつよりは強い)デザインになってそう。

・《生垣裁断機》
R0183DSK
4/5/5の機体であり切削効果と切削で誘発するランパン効果を持つ。機体にしてはサイズが小さいし仕事も強いものではない。似たような性能を探したところ喧嘩腰号が見つかった、喧嘩腰号が強いならこのカードも強いだろう。まあ、期待しすぎない方がいいか。

・《腹黒茸》
U0186DSK
置き物除去に変換できる生物、追加のモードとして探検(カード名)系のランパンができる。類似カードとして腐れ花が思い当たる、あちらは増殖、増殖とランパンならこのカードの方が汎用的で積極的に押せる。ただ殴れるサイズではない点と構える際に2マナ構えが必要と起動コストが重い点が弱み。腐れ花はビートダウンでも使える範疇だったがこのカードは起動効果以外使わないぐらいの想定でいいと思う、そうなるとこのカードを使いたいグルールはあまり心当たりがないな……。ブルームバロウから置き物への警戒を上げたい今日この頃なので、ランプデッキがマナ加速枠に置き物除去を仕込む目的で採用するだろうか。

・《怪物的出現》
C0191DSK
ようやく登場した、緑単色で事前準備不要な除去、手札噛みつきだ! 既存のカードではドラゴンの火の効果が似ている。カラーパイの監視が進む以前およびデメリットのあるカードを除いてこういった(比較的)汎用的な除去が緑にいた覚えはないので、快挙だと考えている。だってねえ、今のスタンダードはマスト除去多すぎて事前準備必要な除去一本は縛りプレイにしかならねえよ、今後もマスト除去生物どんどん出すだろ?カラーパイは色を弱くする免罪符じゃなくてゲームの健全性を守るための機構なんだわ、健全性を維持したままに除去を強くして面白いならそのようになるのが当然なんだ。さてカードの評価だが、今の緑生物で強い側にいる成長系や変数系との相性が悪いのが最初に気にかかる、ソーサリーなのもまあ実験的立ち位置からして仕方ないことだがかなりの弱み、今のところ運用しやすいコストで高パワーな生物が緑にいないのもあり火力不足柔軟性不足を感じることが多くなりそうだ。恋煩いの野獣や鉄葉のチャンピオンといった3マナ以下で高パワーな選択肢の追加に期待したい。そしてもちろん手札噛みつきの層が厚くなることも期待している、ずっと在野でも言われてたからね手札噛みつきなら緑の範疇で除去の質を上げられるんじゃないかって。

・《雑食性ハエトリグサ》
R0192DSK
昂揚+タイタン条件で+1/+1カウンター2個を割り振る、墓地に6種類あるなら置き先の上の+1/+1カウンターを2倍にする。はい。弱すぎてびっくりした……え?弱いよね?私の見当違いとかじゃないよね?ちゃんと弱いはずだね?何かしら強いところある? タイタン条件は偉いけど昂揚というクソ重い条件が枷になってマイナスの方が大きい、3/2/4というサイズだが昂揚という条件が遅いゲームを想定しているので多少軽くても意味がない、これ自体に昂揚達成を助ける効果はない、動き出しても理性の効いた効果で大した爆発力はない、能力語もないし昂揚効果以外持たないから長時間3/2/4バニラ、3マナは気性の荒いタンブルワグがいるんだぞ?これで使い物になると思ってるのか? 大体昂揚が悪い、昂揚条件と6種時のボーナス無くせば使いやすかったんじゃないかな、その場合でも能力語は欲しいか。

・《ホーントウッドの大主》
M0194DSK
緑大主。効果は全色土地のトークン生成、えっ、3マナで全色土地ランパン? ランパンカードは実は見かけるよりもカードプールに多く存在するが、査定の基準は3マナソーサリーで基本土地1枚タップイン+おまけ、このカードの後に生物として戦えるパーマネントを残しながら全色土地を出すというのは破格だ、しかも“基本土地を入れる”だの“砂漠を入れる”だの構築の制限を設けない気の利きぶり。とはいえ所詮は土地加速なので、重要なのはそこから何をするかだろう。まあ今は版図が実績を重ねてるので次回のローテーションまでマナの注ぎ先は問題ないだろう、土地生成は強いという評価でいいと思う。ランパンとしての特徴は、最近の傾向に反してライフ回復がついていない、おおよそ3マナ兆候で扱われるだろうから生物としても振る舞えない、既に言われているが装飾庭園を踏み歩くものが近いか、アグロへの隙が大きくなるのは懸念点。サイズは5マナとしては及第点で能力語はなし、サイクルで能力語は青大主以外持ってないし殴るに不都合の少ないサイズなのでまあ悪くはないんじゃないか。5マナ生物として見ると火力のないロクサーヌのようなもの、盤面への影響が貧相だがその分タフネス5とむっちりしてるのでロクサーヌの懸念点である戦闘や除去に強い、私は総合すると火力飛ばせる方が強いと見るけど。ここまでをまとめると、生物としても悪くはないが兆候前提でマナカーブを考えるカードか。さて、普通は版図ランプがどうなるかを検討するだろうが、当然この記事ではグルールに注力する。まずラノワールのエルフが11月にスタンダード入りすることが確定している、ラノエルが来るからって無差別になんでも強くなるとは思わないが1種で3→5のマナカーブを埋めるこのカードの特異性はハマりそう、このカードの4積みが肯定されるか。ビートダウンや生物を並べるランプには荒野無頼団の先駆者をドローソース兼ほんのりマナ加速として採用する構築があり、このカードの登場で3マナのマナ加速として手堅い8枚体制を作れるようになった、他の3マナ域は頼りないので調べなくていいです完全なる統一からずっと西の樹の木霊を抱えて3マナランパンでビートダウンなカードが無いよう無いようと彷徨った私が言うんですから間違いないですええ。3マナでマナ加速するなら5マナや6マナの優秀なカードも採用する余地が生まれてくるのがありがたい、4マナ以下の生物は赤アグロの少数を除いて黒の天下といって差し支えないから上のマナ域で戦うのが活路だ、そして言及はラノエルのところでしたがこのカードも5マナでぼちぼち戦える生物なので重ね引きしたときに1枚目の3マナマナ加速で2枚目を5マナ生物として運用できるのがよろしい。6マナ域が使えるなら採用を検討したい3マナ火力のモードも備えて便利な嘶くカルノサウルスとも噛み合い発見5で拾ってマナ加速ができる、発見でマナ加速する必要があるかって?ミシュラン起動が重かったりマナカーブが黒より3〜4マナ域を厚くとったりで殴りながら加速できるならいくらでもしたいのがグルールの現状なのでね、2マナ以下が弱いし除去が弱いからクリーチャーの質を上げる必要性が出てこうなる。ビートダウンの視点から言えば、5マナは重いのでそもそも構築に多く採用したくないジレンマがある、5マナのカードで相手のパワーカードに押し勝ちたいのに構築段階ではそれらの枚数を減らしたくなるジレンマは苦しい、それをこのカードは3マナ兆候で手札から吐き出すことができるためある程度解消できる、マナカーブに伸縮をもたらすこういったカードはデッキの強さを引き上げる一要因になりえるためありがたい、土地2枚ストップが起きるとどうしようもないがそれはもうどうしようもない、伸縮性は偉い! 赤大主と同じデッキに入れるのもいいかもしれない、兆候4マナ生物6マナの重さを柔軟なマナ加速カードで支えれば任意対象火力が火を吹く(火吹き能力のことではない)見込みはある。結論としては、前寄りのアグロを除いてビートダウンからランプまで広く採用しうるシンプルなパワカ。前寄りグルールは赤単に速度負けしてサイズ負けするので現状死路、つまり今のグルールにはとても望ましいカードだ、紙の値段が高止まりしそうなのがすごく嫌。文が長くなっちゃったけど、ある程度根拠のある高評価ができたので良いかな。

・《継ぎ接ぎのけだもの》
U0195DSK
サイズが大きいが長期間動けない定番デメリット生物、今回の条件は昂揚、これ自身で切削1はできる。シボウタケの若芽がグルールで使えそうと感じたことは無いのでこれも同様使えないだろうな、以上。

・《ひきつる人形》
R0201DSK
レア枠を食ういつもの2マナマナクリ。いつも、盤面に戦力出せますよ〜終盤も仕事がありますよ〜、とでも言いたげなオプションがついているが総じて期待できない。これも同様期待するべきではない。除去耐性と強い4マナ域を用意してくれ。今回のオプションはマナを出した回数だけ後に2/2トークンが手に入る効果。マナクリがマナ効果を使うことに集中できるのはいい、例えばマナ効果とタップ起動の土地を生物化する効果を併せ持つマナクリがいたとしてそのカードはどちらの効果を使うためにタップするべきか、無用な選択肢を設けなければそもそもそんな悩みなどない、マナ能力を連打することがオプションを活かすことに直結する方が楽だしその上強いことが多い。まあここまで言ったけど所詮2マナマナクリです。

・《猛打者、タイヴァー》
M0202DSK
先に褒めるところからいこうか。破壊不能は偉い、今までの緑にろくな耐性持ちがいなかったのでここに来て融通の効く耐性持ちが来たのは意味がある、ターン1がないので生物が充分並んでいればスタック除去重ねも改めて弾いていくことができるしね、そして特にグリッサ・サンスレイヤーを被害なしにキャッチできるのが加点できる。全体強化も修正値はなかなかになるだろう、耐性持ちがエンドカードになりうるのは除去で対処したい相手からすると嫌だろうな。よし、褒めるところ終わり、突っ込みどころを突いていくぞー。まずサイズが小さい、分派の説教者の分布が減るまで3マナ域の生物はタフネス4を相手取れなければならない、破壊不能だから生き残りますじゃねえんだよ相打ちにすらならないから攻めでも守りでも分派の説教者側はリスク極小なんだよ、そして起動効果の破壊不能以外能力語もないから自前でスタッツの不足をカバーできない。破壊不能の起動には横に生物が必要だが今の緑は横並びに向いてない、攻め手に回る赤の生物とは相打ちになる、ターンを跨いで並べようとしても黒は着地狩りを連打する、こうしてタイヴァーを出す頃にはタイヴァー以外に誰もいない、破壊不能になる瞬間なんて訪れない。展開力が欲しいなら白あたりを頼るという賢明な案もある、が濃いマナシンボルがその足を引っ張るわけだ。そうマナシンボル、なぜかダブルシンボル、このカードもシングルシンボルで充分だろうに緑は無駄にシンボルを濃くされる、信心でも使いそうにもない奴までこれなのでもう単純なデメリット、それでダブルシンボルならもう少し盛れただろ、緑を孤立的な色に仕立てあげたいのか? 全体強化は逆棘のビルと同じコストだがビルと違い一時的な強化でしかない、それでいてトランプルを付与しないのでこれで勝ちきれるというものでもない、まあおまけの範疇に収まってる感じ。総じて、カードデータの各所が要求スペックに足らない凡庸なカード、何箇所か上方修正してればもっとましなカードになったろうけどこうなっては仕方がないね。最後に一応緑で破壊不能起動に向く警戒持ちを書き連ねておく、目ざとい新人、名もなき都市の歩哨、永劫の活力、金脈のハイドラ、まあこんなもん。

・《ヴァルガヴォスの猛攻》
R0204DSK
定期、セット固有能力を派手に使うカード。X=1,CMC=3,3/3×1、X=2,CMC=5,4/4×2、X=3,CMC=7,5/5×3。まあ複数展開しないと出力低すぎるのでマナ伸ばしてX=2以上、5マナ以上で唱える想定で採用するカードだろう。だが5マナパワー4は古霊招来が活躍できなかったスケール感、シェオルドレッドがタフネス5なのがなんもかんも悪い、今はベーザもいるし。パワー4では足りない、パワー3以上のオモテに返せるならいいが……、戦慄予示で常に当たりを引く想定はしたくないので他の活路を探るか。7マナ想定の採用は?重いし多分展開が1体ずつでも完成化ニッサの方が強い。じゃあカウンターシナジーだな、亭主の才能やオゾリスと組ませるか、カウンターデッキでどうやって5マナ以上に加速するのー?知らねーっ!はい。裏向きシナジーだ!火炎術の演出者がついに活躍の機会が来たか、これはましな道っぽい、ヤラス?基礎スペックが低い4マナは使いたくねえな赤緑なら速攻だけじゃなくてトランプルも付与してサボタージュ誘発しやすくしてほしかった、そして結局マナ加速問題が立ちはだかりますと。結論、重さだけ解決できれば活躍する構築はありそうだが重さを解決できそうにないので駄目そう、悪いカードではないので弾ける可能性には言及しとこう。

・《収納室/忘れられた地下室》
M0205DSK
左側は世界のるつぼ、まあよさげ、対抗が世界の導管なので3マナは良い。右、5マナ払ったら何も唱えられねえや、あっはっはっはっ!はい。使い切りマナ加速の多い下環境なら使い物になるらしいですが知ったこっちゃないですね。採用されるなら左側目当てでしょう。……とはいえ過剰なマナ加速自体は今のスタンダードでは“できる”ので墓地から土地を伸ばす構築に左目当てで採用されて右が終盤に爆発を起こす光景はありえる、かも?

・《木人の打破者》
U0207DSK
このサイズ感で攻撃するだけでシンプルな1アド稼ぐのは偉いなと思いました。構築級には及ばないかな、4マナ重いし能力語ないしもう一つくらい実用性のある能力も欲しい。そもそもグルールだと昂揚どう達成するの問題がある。

・《悪夢滅ぼし、魁渡》
M0220DSK
今弾のPWは魁渡。青黒ながら自ターンのみ生物化する、さらに素は4マナだが忍術によって3マナで戦場に出せる。忍術で出すことを想定するとサイズがかなり高くつけられている、3/3/4は標準的と思うかもしれないが通常は召喚酔いをするので登場ターンは戦闘参加できないもの、忍術によって3ターン目に攻撃を通せるということは2ターン目にこのカードを出したようなパンチ力をもたらす、まあ忍術で出すから登場ターンは生物と戦闘しないんだけど。生き残ればプラス能力の連打でさらにサイズを上げる、3/4/5は3マナ域トップクラスのサイズだし3/5/6までするなら環境定義側になりうる、ここまでのサイズがあるなら多少のブロッカーは気にせず殴り続けるだけで有利になる。戦闘で止めようがないなら除去をしたいと見られるだろうが……呪禁があるんだよなー、対面に来たらどう止めたものか。と、いうのは先攻最速で忍術が使えた場合の話、後攻や忍術が使えない時は自ターン4/3/4のサイズと忠誠度能力でどうにかする必要がある、そちらも見ていく。プラス能力は紋章による忍者強化、ほぼ魁渡専用と読んでいい、これを使うなら素のコストでは4/4/5〜4/5/6相当になるが一方でサイズはあってもブロッカーには回せない、忠誠度5は少し硬い。0能力は諜報と対面のライフルーズを条件にドロー、ドローまで安定する構築では強め。マイナス能力はタップ+麻痺、自衛にはなるがまあ弱め、しかし麻痺2個はプラスと交互に使える間は1体を止め続けられる個数。忠誠度能力のみ見ると自衛の除去が弱めでトークン出さないしドローにクセのある4マナPW、あまり強くないだろう、やはり生物化能力と合わせて出力を担保するカードのはず。忍者らしい特色として忍術により同名カード2枚を出し入れすることができる、自己強化が紋章という珍しい形式であることからもデザインの意図したところと見ていいだろう、これをすると何が起きるかというと毎ターン+1/+1ずつ大きくなり続けるし1体ずつ麻痺させていく呪禁持ちの痺れゴリラが走り続けることになる、どう止めるんだよというか止まらないでしょこれ、忍術は起動型能力だからほぼ打ち消せないし。最初の忍術のタネについても考えたい、色の合う飛行やアンブロッカブルは選択肢が多く困ることはないだろう、が現在飛行でトップクラスのシェアを得ている大洞窟のコウモリは忍術と相性が悪い、魁渡から構築を組むのは楽だが構築に魁渡を挿そうとするとここら辺の噛み合いの悪さを感じるだろう、コウモリが強すぎるせいで噛み合いが悪いことが評価を下げる要因になりかねないとは。色々書いたが……このカードの評価は難しい、弱いということはない、先攻ドブンがある時点でかなり強い側のカードだ、ただ後攻や忍術を妨害された時まで見越すとどこまでシェアを伸ばせるか、果たして。

・《闇の中の研究者、ナシ》
R0223DSK
サボタージュで手札増やすかサイズアップするナシ。2/2/2では威迫があってもいつまでも攻撃してられない、ずっと突っ走れるならそりゃ強いけど戦闘や除去を躱し続けるのは難しいだろう。前弾でも同じようなこと言った気がするけど、そのフィニアスと違い討ち取られたら残せるものがないのが痛い、生存が保証されないと活躍できないというのは比較的カードパワーが低い。クロパのアタッカーとして使う道はあるかもしれないが、拾えるカードにインスタントがないので肝心のバックアップを素引きに頼ることになる、そもそも拾える範囲が狭め、この範囲なら使い捨てのアタッカーの方が相応しいだろう。まあそこまで活躍はしないと思う。

・《覆い越しの凝視》
R0226DSK
(このカードは昂揚ではないけど)グルール昂揚についてはここで話すか。グルールと昂揚は合わない、デザインとして無理がある、というのが私の現状の考え。標準的なグルール構築のカードタイプは3つに収まる、クリーチャー土地インスタントだ、昂揚を達成させると気安く言うが実際にどうするのか、クリーチャー土地インスタントでまとまってる構築に1つ以上の別のカードタイプを足してしかもゲーム中それらを墓地に適切に送り込まなければならない、ハードルが高いぞ……。各カードタイプをグルールに採用できるか、墓地に送れるかを基準にあらためて精査してみよう、クリーチャーと土地は省略する。インスタント、これはソーサリーと枠を分け合えなくもない、おおよそ除去が入ってくる枠であり枠としては準必須と言えるだろう、たまにリソース枠、しかしソーサリーに枠を融通するとしても除去はインスタントでないと大きく利便性を損なう、なのになんかソーサリー火力をしつこく刷るんだよな黒は単体除去をほぼインスタントに一本化してるのに、除去は重要でインスタントであることが望ましいため自然に入り自然に墓地へ行く。ソーサリー、インスタントと同じく除去がほとんど、全体除去は基本的にソーサリー、そしてリソースや生物生成もある、特に生物生成が使いものになると楽にカードタイプを稼げる……んだが分派の説教者やシェオルドレッドのバカタフネスのせいで実戦向きのハードルが高くなり採用圏内のカードがなさそう、インスタントの枠を奪う形で除去を入れるか検討するというのが現状だろう。アーティファクト、ほとんどが維持を前提に採用されるカードだ、例外は戦闘参加するクリーチャーと機体、しかしその例外たちもカードパワー不足という理由で採用は控えたいカードが多い、墓地に行きにくくて強いカードと墓地に行きやすくて弱いカードから選ぶことになりかねない。エンチャント、リソースカードが欲しいカードタイプだが実用的なパワーはなくむしろ墓地に行きやすい英雄譚が比較的強い、意外と今はエンチャントと昂揚の相性がいい、また今弾で大主と永劫サイクルが生まれたため実用的なエンチャント生物の層もある、ソーサリーと並ぶ4種目候補かもしれない。PW、維持したいパーマネントでこそあるが相手からのヘイトが高く自然と墓地に行きやすい、パワーカードになりやすいデザインで採用もしやすい、と理論上は言う事なしだが……端的にいえば今はPWが弱め、強い完成化組がランプ寄りのデザインでありグルールビートダウンとは噛み合いづらい、惜しい。バトル、クリーチャー以外を置く暇はあまりない、リソースソーサリーのような役割のものが多くしかも墓地に行きづらい、現状守備値が高くつけられておりカードパワーの発揮が安定しない、PW以上にカードプールのしわ寄せを受けている段階に見える。以上各カードタイプの精査おしまい。クリーチャー土地インスタント以外に1〜3つぐらい足すことはできそうだが構築に足せたとして実戦でボイに行かなければ昂揚は達成されない、昂揚のハードルが高いと感じてる理由が伝わっただろうか。ようやく、カード性能の話をしよう。手札全捨ては余程の性能じゃないと話にならない、このカードも駄目だろう。仮にこのカードのドロー枚数を3枚としよう、これにこの場では指標点数を+3点とつけるものとする、ドロー枚数とイコールでわかりやすいね、手札全捨てに対する私の指標点数は-5点です、はい。ハンドキープを投げ捨てるのはそれだけ酷いデメリットだと捉えている。一応はこれまでソーサリーが多かった全捨てドローがインスタントであるという褒める点もある、しかしインスタントだからといって肝心のドロー効果がこうも……本当にこのカードをドローソースにしたいか? 昂揚メカニズムをグルールにあてたこともこのカード自体も低評価です、以上です。

・《専用執務室/講義室》
R0227DSK
左は全体除去、右は全体呪禁付与。部屋やエンチャント構築で全体除去として採用されそうだが、どちらも力不足に見えた。全体除去としては仮想敵のアグロ相手に討ち漏らしが多すぎる、精鋭射手団の目立ちたがりに怪物役割トークンが着いていてもパワーは2止まりで流せない、召集相手は単体除去で処理していく中型組しか流せない、そこら辺流せないのは全体除去としての仕事ができてないと判断するしかないかな……。右は伝説多色生物とはいえシガルダが4マナでやってることを7マナというのはコスト査定を重くつけすぎてる。力不足、ですかねぇ。

・《蛾の儀式》
U0229DSK
リアニメイトは詳しくないけど5マナが標準だった覚え。それが4マナ、しかもフラッシュバックで切削のフォローや二度打ちをできるようにしている。まあいいんじゃないでしょうか、興味はないけど。

・《咆哮する焼炉/蒸気サウナ》
R0230DSK
左はPWを狙えない勝利の炎、右はドロー置き物。左右どちらから開けてもゲーム展開に貢献できるので悪くはない、除去コントロールらしい組み合わせ、私が使う感じのカードではない、ジェスカイコントロールあたりで試されるんじゃないでしょうか。

・《不死の疾走者》
R0237DSK
墓地から唱えられるゾンビ、自己強化もできる。ただ墓地から何度唱えたところでこの程度のサイズでいつまでも頑張れないだろう。となるとサクリファイスコンボのパーツになるかといったところだが、教団の徴収兵という対抗がいる、このカードのポストを用意するのは難しいかもしれない。

・《野火の木人》
U0239DSK
2/3/2速攻の軽量アタッカー、現在の標準は2/2/2なのでとりあえずサイズ良好。可能なら追加効果の自己強化も得たい、登場時に4/3のサイズだと3/3になっている進化する適応体、目ざとい新人の成長組、荒野無頼団の先駆者のパワー4以上シナジー、が誘発できる。しかし条件が……昂揚かぁ……。いやまぁ、今弾の昂揚グルールでははるかにマシな側なんだけどね、これ自身がアーティファクトクリーチャーで2タイプ稼ぐから残りは定番の土地とインスタントが墓地に行けば4タイプ揃って昂揚達成、これ自身は積極的に攻めるカードだから死亡しやすくて自然に墓地へ送り込める、グルール昂揚に最も貢献してくれるのは多分このカードなんだよな……。こいつのために、考える?グルール昂揚。嫌だなぁ、グルール昂揚考えるの嫌だ、普通やらないし今弾のカード見てもやるだけのうまみはなさそう、実験構築か。ちなみにグルールアーティファクトが欲してた生歯の子ワームとマナカーブを形成する実戦級のカードでもある、このカードのアーティファクトというカードタイプは今後他にも活かせるかもしれない。カード評価としては、昂揚未達成でも採用してよい、昂揚達成できる構築ならなおよい、といったところ、2マナダブルシンボルなだけあってちゃんと強めだよ。

・《すべてを疑う者、ジモーン》
R0241DSK
素数条件の上陸亜種で懐かしのフラクタルトークンを生成するジモーン。素数というのは面白いがスペックは低い。砂嵐の回収者を踏まえると追加の能力が1つは欲しかった、複数回誘発させることもできるが伝説トークンであるため横並びができるわけでもない、伝説トークンということで誘発倍化とも噛み合わない、出力が低いのにそれを上げる方法まで乏しい。まあ、弱いですね。

・《解剖道具》
R0245DSK
サクリ台になる装備品。装備コストが生け贄に限定されていることで後続の生物の強化がしづらい(リソースが減って1体の生物しか用意できないシチュエーション)ため装備品としての質は一段階落ちるんじゃないかな。

・《放棄されたキャンプ場》
L0255DSK
・《薄暗い下水道》
L0263DSK
・《剃刀罠の山峡》
L0267DSK
・《流血の森》
L0257DSK
・《刻まれたトウモロコシ畑》
L0258DSK
・《放置された邸宅》
L0264DSK
・《異様な灯台》
L0265DSK
・《抑圧された墓所》
L0268DSK
・《騒々しい移動遊園地》
L0266DSK
・《湖畔の掘立小屋》
L0262DSK
コモン2色土地。なんとアンタップインする、コモンでこれは破格ではないか? 条件はライフが13点以下であるプレイヤーがいること。早期の条件達成はプレイヤーのどちらかが高速アグロかスーサイドである必要がありそうだ。しかし今のアグロ対面でライフ13点以下は唐突に吹っ飛ばされかねなくて危険なライン、除去除去でほとんど初期ライフのまま身を守った方がいい対面も多いのでは? と考えるとアンタップインできないことがほとんどになりそう。スーサイドはちょっと覚えがない。タップインしかしないならファストやミシュラやコモンの1点回復タップインの方が強みがあるので、まあスタンダードの構築に入る感じではなさそう。パウパーや死の影なら構築に入るか……?死の影使うぐらいの下環境は流石にタップインしかねない土地を入れたくないか。

・《フラッドファームの境界》
R0259DSK
・《グルームレイクの境界》
R0260DSK
・《ブレイズマイアの境界》
R0256DSK
・《ソーンスパイアの境界》
R0270DSK
・《ハッシュウッドの境界》
R0261DSK
今弾のレア土地。1色は確実に出せ、対応する2種の基本土地タイプのどちらかが存在することで2色目が出る。かなり性能がいい。アンタップインに条件なし、1色だけならマナ能力にデメリットなし、この特徴は両面土地ぐらいしか似たものがなくそして優秀。1色目に対応する基本土地とそっくり入れ替えることも検討に値する優良土地だ。使い物になるかの議論は不要だろう、どこに採用するかの方を論じたい。1色しか出ないならメタカードに対する脆弱性のない基本土地でいい、よって採用はこのカードが2色目を出す条件の基本土地タイプの土地を充分採用した構築になるだろう、3色以上の構築やミシュラランドや噴水港を採用すると基本土地タイプの割合が減るためそちらでの採用は控えることになりそうだ。両面土地に勝るのは2色を出しうることだ、つまり多色のカードやマナシンボルの濃いカード+別の色のカードという組み合わせを扱いやすい、特に2色目のダブルシンボルをカバーすることは両面土地では難しい。一方で2色目を任意のタイミングで出せないことは両面土地に劣る、序盤から複合色のカードを使ったり2色のそれぞれを使い分けたりする構築には手札次第でいくらか融通の効く両面土地が優先されるだろう。さて、実際手持ちの構築に入れるかどうか、土地計算は単純な計算の積み重ねだが正直私には難しい、難しいというか面倒、何を見てどれを数えればいいか慣れてる熟練者の計算を拝借するのが楽だろうなー。グルールとしては緑が1色目であった方がよかった、緑のサイズ良好な生物がデッキ内の多くの割合を占め赤はその補助に回る形になるためだ、逆順2色土地の登場も期待したい。

雑感

「ブルームバロウ」は部族を始めアグロへの供給が多かったように思う。
ロングゲーム適性のあるクラスエンチャント、ミッドレンジに適性のある単独のクリーチャー、などもいるがアグロの隆盛が目立つように感じている。
では今弾はどうだろうか?

「ダスクモーン:戦慄の館」は遅めのゲームを想定したミッドレンジへの供給が多くなると予想する。
新メカニズムは兆候、永劫、部屋などあるが、どれも時間をかけてアドバンテージを取っていくものでそのために対面は除去を要求されがちになるだろう、兆候は全体除去を躱し永劫は死亡除去では残ってしまうなど対処方法も限定されている。
メカニズム的な中核のエンチャントの性質としても、遅めのゲーム展開で活躍するデザインが多くなる。

個別の注目カードを挙げると。
《ホーントウッドの大主》
《ボイラービルジの大主》
《叫ぶ宿敵》
《野火の木人》
《欄干ワーム》
《焦熱の竜火》
《紅蓮地獄》
《裏切り者の駆け引き》
《チェーンソー》
《ソーンスパイアの境界》
特に2種の大主は現状のマナコストの大きなカードで優位性を得ようとするグルールにおいて支柱になりうるカードパワーを感じる。

今回は早めに済んだな

今日はプレリリースの日だそうです。
どうやら普段より早くレビューを公開できたようですね。
今後もこうして新しいカードを見た喜びを共有していけると望ましいのですが。
まあ、私の筆が走るかによります。

では今回の記事はここまで。
誤字脱字感想考察、などおっしゃりたいことがあればコメントにどうぞ。
お読みいただきありがとうございました。

※《ホーントウッドの大主》について、その効果で戦場に出る土地トークンがアンタップインであると誤解した上での発言が記事内にありました。正しくは、《ホーントウッドの大主》が生成する土地トークンはタップインされます。該当箇所を訂正しました。(2024/9/22)

以下定型

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