10月11日マドンナの私
貴方は
私のマドンナだから
と
Madonna
というワインを買ってきた
そんなに高いワインではないけれど
それを
選んできた事に
くすぐったさを覚える
全くワインを飲まない彼は
毎回私が来るたびに
ワインを選んできてくれる
飲まないから分からないから
そして私は
白以外にも
赤やスパークリングや
日本酒や
他のお酒も好きだけれど
彼は
安いビールしか飲まない
仕事の付き合いなら
高いものも
少しは飲むらしいけれど
仕事では
沢山贅沢なものを
沢山口にするから
自分でそれを選ぶ必要がないんだなと思う
そんな彼は
先日
不意に
ランチで
高級なお寿司に
連れて行ってくれた
ノドグロのお寿司が
すごく美味しかった
…
私は
ただ本能で生きているだけで
この人といると
助けてもらえる
その本能で
別居した日に
会社の懇親会で泥酔してしまった私は
彼の手を握ったらしい
いやらしい意味は全くなくて
誰かに頼りたかった
その思いの中で
その時に
1番頼れると思ったのが
社長だったのだろう
本当に
そうだったと思う
言われるまで
記憶になかった
手を握ったなんて
飲んで記憶がないとか
女として最低だけれど
そんなことは
いつものことではもちろんなくて
その
数日前
数週間前
数ヶ月前
数年前
そう
前の前の
前の前の前から
ずっと前から
私はとても辛くて
どん底で
そのから
必死に逃げて
その
逃げたスタートラインの日だったから
その日は朝から
水すら飲まずに
全力で
家から出る準備をしたのだから
その数日前から
その息の切れる様な
その準備は
始まっていたのだから
誰かに頼りたかった
私は
彼は
私に下心なんて
持たないと思っていたし
そんなに
近くの存在として
感じていなかった
ただ
頼れる人として
心の底で
尊敬していたから
頼ったのだと思う
…
そんな
始まりの気持ちなんて
今は
懐かしい感覚で
何ヶ月も経って
近くなく
遠くなく
なんとなく遠く
そのまま来た時に
プライドの高い彼が
私のことを
褒めてくれたり
可愛いと言ってくれたり
マドンナと言ってくれたり
毛布をかけてくれたり
初めてお泊まりした日には
次の日の
朝ごはんのパンを
買ってきてくれたり
そういう
私の為に
時間を使って
私を大切にすることを
考えたりしてくれること
人から施される
ということの幸せを
私は
感じている
そしてきっと
この関係ならば
私から何か彼に施すのは
性のこと
そこなのだと思う
その以前に
私が仕事を
本気でしていなければ
彼に呆れられる様な仕事しか
していなければ
こうはならなかったと思うし
彼は
私に
本音を話すこともなかっただろう
彼から
褒められることは
私が満たされる事で
その先に
彼とSEXする事は
私の全ての細胞が
喜ぶ事なのだと
そして
きっと彼も
私を
細胞レベルで
求めていると
そう
少しずつ
想像する事は
何よりも
エロくて
生きている事だと思う