Imagine

老人ホームでの楽しいエピソードを綴っています。

　
認知症のおばあさんが、吸入器が乗ったワゴンを押して来ました！
ただそこにワゴンがあったから押して来たの。って、ばあさん、そのワゴン何処から持って来たの？
看護婦さんが大慌てで飛んで来た。

れ〜？あなたが手に持っているものはなんですか？ベット柵じゃないの？
何処から持って来たの？
誰のですか？
勝手に他人の部屋に入ったらダメなんだけど、スッタフがちょっと目を離した隙にスーっと行ってしまいます。
「ああ、どうか神様、柵なしで寝ている方が転落などしていませんようにお守りください」
祈りつつ部屋を見て回る。

ええっ、その靴　大きいんじゃない？
いつの間にか誰かの靴を履いていました。
よく見ると、靴下も違う。
しかも靴下、左右違うんじゃない？
ええと、自分のは右足に２重にして履いて、左に他人のをしら〜っと履いていました。
自分のを２重にするところが素敵。

このくそ暑いのに毛糸の帽子をどこからか見つけて被ってました。
誰かのタンスを開けてみたようです。
誰のを何処から持って来たのか捜索開始です！
だけど、その帽子とってもあなたに似合ってますよ。

は〜？その掛布団、先程ベットへ寝かせたCさんのじゃない？
もしや引っ剥がして持って来ちゃったの？
で、その布団を食事するテーブルの上にドンと載せて・・・
そして今度は、おい、おい、何処へ行くんだ〜

施設で自由に歩き回るトモコさん。
ザ、認知症です。
目が離せなくて大変な思いをするのだけれど、トモコさんの周りには何時も笑顔があります。

私の頭の中に時々ジョン・レノンのイマジンが流れて来ます。

Imagine all the people 
Living for today…♫
みんな今日のために生きている。

今日のために生きてる。

そうだよね。