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マイナスもあればプラスがあるよね

アイキャッチの写真は僕の足です。たまたま撮影した自分の歩行中の写真を見て思った。「けっこう自然にあるいているように見えるんだなぁ」と。
実際は「ビッコ」引いているのに見えると思うのだけど、写真だけ見ると自分が義足だということを忘れるほど自然に見えたのが意外だった。

僕は右足が大腿義足。太ももの真ん中から足を無くした。若いころは義足がバレるのがとにかく嫌で、ブサイクなほど太いズボンばかり履いてた。腰から大腿にかけてのシルエットに違和感があり、それをどう誤魔化すかに執着した時期もあった。ロックバンドやってたのでかかとの高い靴が履けないことを嘆いたこともあるし、いつか履ける日を夢見てたときもあった。
それ以上に僕を困らせたのが転倒リスク。点字ブロック程度の段差につまずいてケガもたくさん経験した。

あれから数十年経ったけど、いまでは写真のとおりスキニージーンズも履くし、お気に入りのブーツも履けるようになった。10代に起きた病気でこうなってしまったけどもう遠い過去のこと。正直なところいまはもう義足のことは何も苦にしていない。それに昔と違うのは、この身体とこれまで経験を活かして障がいのある方の支援をする会社を経営させていただいていること。40名近い仲間とともに、自立を願う人々の暮らしに寄りそう存在として選んでいただけるよう日々活動している。病気で障害者になった頃の若かった自分には想像もつかない景色のなかを歩いている。

身体が不自由なことは、一見、マイナスに見える。でも結局のところ、マイナスにするものプラスにするのも自分次第なんだと気づく。精神障害の方でもプラスに捉えてピアサポーターとして活動している人もいるくらいである。コロナでたいへんな時代だが、プラスに考えればどこでも仕事ができるようになったりオンラインで会いたい人に会えるようになった。

人はどのようなマイナスの境遇にあっても考え方次第でプラスに変えることができる。僕はそのことに気づくまでにずいぶん時間が掛かったけど、いまはこの身体になって良かったと思っている。

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