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好きな事を書かないと決めているプロ作家の話

自分の書きたい事を書かない。

そんなポリシーを持って作家活動をしている中山七里先生という方が居るということを、ラジオ番組「伊集院光とらじおと」を通して初めて知りました。

そして、そのポリシーはプロとして売り上げをあげるための鉄則であり、その理由を聞けば聞くほどマーケティングのプロじゃないの?ってぐらいに売り上げを大切にしている姿勢がうかがえるものでした。

 

この姿勢や考え方は、仕事をしている全ての人に役立つんじゃないかな?と思えるとても素晴らしいものでしたので、その備忘録として。

中山七里先生が好きなことを書かないと決めている理由

書きたい事を書かない理由

書きたい事を書こうとすると、そこにはいくつかの弊害があるそうです。

1つは、客観性が無くなる。
1つは、書きたい事を書いていくとネタ切れが早々に起きる。

プロの作家として活動するなら、ネタが切れて書けなくなりましたというのは筆をおくことを意味します。

加えて書きたいという主観で書くと客観性が無くなるので、何が面白いのか、何がウケるのかがわからなくなってしまう。

そのような事から書きたい事は書かないと決めたそうです。

徹底して、今ウケるもの、読者が求めているものを調査して書くというスタイルを貫いているそうです。

■ ウケるものを調査して書くからネタ切れしない

ウケるものが何かを調べ、それを提供することを徹底するので、ネタ切れというものが基本的に起きないそうです。

自分の中にあるものだけを提供する書き方や、自分の書きたいという意欲だけを頼りにしてしまうと、ネタ切れや意欲切れになることはある。

でも、ウケるものを調べて書くので基本的にネタ切れがない。
そんな”読者から逆算する”という考え方をされているそうです。

マーケティングの意識が非常に高い作家さんです。

好きを仕事にするほうがいいと言われるけど・・・

好きを仕事にしないほうがうまくいくのかもしれない

「やりたい事をやろう」「好きなことをしよう」という号令をかける空気感が今の世の中にはありますし、僕もそういう号令が好きな側の人間です。

しかし、それではダメなんじゃないか・・・?と思っていたところに中山七里先生の話を聞いたので、非常に強く響きました。

 

「”書きたい事を書かない”と決めて作家をしている」

そう断言されていて、作家って書きたい事を書く職業なんじゃないの?と驚きました。
しかし、その理由を聞けば聞くほど納得がいくのです。

過去、大きな賞を取った作品を一通り読んでみて、その後、各作品の売上などを調べてみると、作者の癖が出ている作品ほど売れてなくて、癖のない一般的な表現に徹している作品ほど売れているということが分かったそうです。

作者の癖や好みは作品には要らない。

そう確信できたのでそうしているとの事でした。

 

僕のようにブログを書いている人たちの中には、人気が出ないのはなぜかということで悩む人も多く、その攻略法みたいな記事や本も多数ありますが、結局は”書きたい事を書いているから人気がでないのでは?”という一言に尽きるんじゃないかな?とも思ったのです。

逆に人気があるブロガーは、読み手が読みたい事を臭みのない文章で書いているのだと仮説を立ててみると、確かにそうなっているな・・・とも思うのです。

そんなわけで

よく好きな事は趣味にしろとか、2番目に好きなことを仕事にしろと言いますが、中山七里先生が好きな事を書かないと決めている理由を決めて、そういう事なのか・・・と納得しました。

プロは客がいてこその仕事。

お客が満足してこそ評価につながりますから、お客の読みたいもの、欲しているものを提供するのが仕事というごくごく基本的な事なのかもしれません。

 

でも、「好きなことをして稼ごう!」という言葉に魅力を感じ、そちらに引っ張られてしまうと、その当たり前がすこんと欠けたりするんですよね。

好きなことをするという発想によって主観でしか物事を見れなくなっていますから、読み手のことを想像する客観性が失われてしまいますからね。

だから、好きなことを仕事にしないほうが良いとも言うんでしょうね。

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