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定年退職後の私の日々(音楽活動編2:新型コロナ禍とリモートセッションサービス)

 新型コロナ禍の影響で、我々アマチュア楽器演奏愛好家は「リハーサルスタジオで音楽バンドの合同練習ができない」という大きな問題に直面している。私が参加している全てのバンドで2月末から合同練習は中断している。

 リハーサルスタジオというのは超密室空間の代名詞のような場所だ。北海道では喫茶店での昼カラオケで集団感染したくらいだから、リハーサルスタジオでのバンド合同練習もそれなりに感染リスクは高いと言えるだろう。

 リハーサルスタジオは密室空間を不特定多数で順番に利用するため、自分達の前の利用集団がどれだけのコロナウイルスをスタジオ内に撒き散らかしたのか?が全くわからない。しかも利用者は若い人が多いので、感染・無症状の連中も沢山利用していることは間違いない。スタジオ運営側は”換気”や”消毒”を徹底している・・・とは言っているけれど、まあ限界はあるだろう。

 更にまずいことに、私は還暦超えした厄介な持病持ちである。従って、感染リスクを極力回避するという理由により、やむなく『少なくとも今年一杯はリハスタでの合同練習には参加したくない』旨を表明しているのだ。

 他のバンドメンバーにとっては全く困ったオッサン状態となっているのだが、こればかりはどうにもならない。命は一つしか無いのだ。大袈裟な奴だなあ・・・と言われるかも知れないが、ヤバい橋はまだ渡りたくない。

1.ヤマハのNETDUETTOの活用を考える

 ・・そうこうしている状況の中、参加しているバンド中で最も高齢者率が高いアメリカン・ロック系のオッサンバンドのメンバーが、「今こそ、時代はネット練習なのではないか?」という問題提起をおこなった。

 具体的には、ヤマハが運営している「NETDUETTO」(下記参照されたい)という音楽演奏用クラウドサービスを活用しようと・・言うのである。

 上記のWebSiteに説明があるように、このサービスを利用する事によりインターネットを利用して「リアルタイムセッション」ができる・・・と言うわけだ。昨今注目の的となっている、ZOOMによるネット会議、宴会の音楽版と考えれば良い。

 ZOOMと比較すると、NETDUETTOが追求しているポイントは「音声信号の遅延を最小にする事」である。利用環境を上手く調整すると、10ms程度の信号遅延を実現できるらしい。遅延を最小にする仕組みについて、当然社外秘らしく余り情報がない。

 現在のサービスは実験レベルであり、2020年06月から「SYNCROOM」という後継サービスに移行する計画のようで、2020年09月からはサービス課金も考えているようだ。課金するくらいだから、現行のサービスよりはクオリティも上がるはずであろう(多分)。

 ということで、「まあ、とにかくやってみよう。ひとまず無料だし・・・」という事になったのである。

2.ヤマハのNETDUETTOは使えるのか?

 5回程度利用してみたが、結論からいうと「バンド練習にギリギリ使える」という感じだ。ただし、この評価はあくまでも我々のバンドの利用環境での評価である。

 活動のモチベーション維持、曲構成の確認、情報交換等に関しては十分使えるので、バンドの方針としてはコロナ禍が沈静化するまではこのサービスを利用するつもりだ。

 ちなみに、それなりに我々も利用ノウハウを蓄積できたので、本記事で惜しみなく共有することにしたい。留意すべきポイントを下記に列記する。

(1)必要となる”オーディオインターフェース”はASIOドライバに対応している機種を選ぶ
(2)Windows系、Mac系どちらのPCでも利用できるが、Mac系のPCを利用する場合は主記憶は16GB以上を実装する
(3)インターネット接続速度についは当然高速である方が良いが、必要十分がどのレベルか?は良くわからない ⇒ ちなみに、我々のバンドメンバーの利用環境で最も低速なのは、CATV通信を利用した上限20Mbpsの環境である
(4)インターネット接続方式は光、ケーブルテレビ等の有線系が望ましい⇒ 理由はわからないがヤマハによると重要なポイントらしい
(5)施設内のLAN環境はルータとPC間は無線ではなくLANケーブルで接続した方が良い ⇒ これまた理由は不明

 まあ、何だか良くわからない事も多いのだが、上記に留意しつつ仕様上限の5地点での接続で利用した場合の我々の利用環境の状況を下記に紹介しておく。信号遅延は30~50msとなっているが、このレベルだと速いテンポの曲は演奏が崩壊する場合が多い。10ms程度に抑えている連中もいるみたいだが、現時点ではどうすればそのレベルに到達するかは不明である。

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